<時間旅行>戦前日本の日記
和4年:東京で建築や工業を学ぶ学生。#1929年6月16日 #戦前の日記
20代前半と思われる男性。東京で建築や工業を学ぶ学生をしている。12月24日と同じ人物。
彼が読んでいたのは、いうまでもなく推理小説の金字塔でもあるイギリスの作家コナン・ドイルが書いたシャーロック・ホームズだ。日本ではシャーロック・ホームズは明治27年に翻案小説が紹介されたのを皮切りに、大正時代には発表されていた殆どの作品も翻訳され多くのファンを生んでいた。さらには日記の書かれた昭和初期はエロ・グロ・ナンセンスが社会的な流行となり、併せて探偵小説や犯罪小説も飛ぶように売れたという。日記を書いた男性もそんな流行小説のひとつとしてシャーロック・ホームズを手に取ったのかもしれない。
【昭和4年の出来事】 2月 東京市で説教強盗妻木松吉が逮捕 2月 大正天皇の第3皇男子・宣仁親王が、徳川喜久子と結婚して高松宮家を創設 4月 寿屋(現サントリー)が初の国産ウイスキーを販売。価格は4円50銭 4月 新宿と片瀬江ノ島を結ぶ小田原急行電鉄江ノ島線が開通 6月 隅田川に厩橋完成 6月 北海道駒ヶ岳が噴火 8月 ドイツの大型飛行船・ツェッペリン伯号が霞ヶ浦海軍航空隊施設に降り立つ 9月 小林多喜二の『蟹工船』が発売 10月 NY証券取引所で株価が大暴落。世界恐慌の引き金に 11月 光州学生事件 12月 東京駅に八重洲口開設