<時間旅行>戦前日本の日記
和16年: 毎日を無為に過ごす自らの存在に悩む25歳の男性。#戦前の日記 #1941年7月26日
北海道札幌に住む25歳の男性。体があまり強くなく自宅で過ごしている。7月5日の日記と同じ人物。
相変わらず悩んでいる青年。 日記に出て来る「室伏」というのは大正から昭和にかけて活躍した室伏高信という評論家のことと思われる。「山の小屋」というのも彼の『山の小屋から』という著作のことだろう。この日記の書かれた昭和10年代は「日本評論」という雑誌の主幹をつとめ、ファシズム体制に同調。昭和15年6月1にはヒットラーの『我が闘争』を彼が翻訳し出版。戦後、彼は、左翼を賛美し戦前の仲間を罵倒するなど、思想を転換させ変節漢とも言われた。
【昭和16年の出来事】 1月 独ソ不可侵条約更新 2月 大本営政府連絡会議で対独伊ソ交渉要領を決定 2月 野村駐米大使がルーズベルト大統領と会談 2月 堀切駐伊大使がムッソリーニ首相と初会談 3月 野村駐米大使とアメリカのハル国務長官が会談。日米交渉開始 3月 治安維持法が改正 4月 ドレミファの音階名がイロハとなる 4月 ロンメル将軍のドイツ軍が北アフリカ戦線でイギリス軍を撃破 4月 日ソ中立条約成立 5月 アメリカ合衆国大統領ルーズベルトが国家非常事態宣言を発令 6月 ナチスドイツがソビエト連邦に対して攻撃開始し独ソ戦始まる 7月 アメリカがが在米対日資産を凍結 7月 日本軍 南部仏印進駐 8月 アメリカ、石油の対日輸出全面禁止を発表 11月 アメリカ・ハル国務長官が日本の中国撤兵要求を提議(ハル・ノート ) 12月 日本軍のマレー半島上陸および真珠湾攻撃で太平洋戦争が開戦