<時間旅行>戦前日本の日記
和13年:家族を残し、一人中国に駐在する陸軍の軍人。#戦前の日記 #1938年8月13日
30歳の男性の日記。中国本土に駐在している陸軍の軍人。日本に妻と子供2人あり。11月23日、12月6日、2月21日、6月29日、7月3日、7月28日の日記と同一人物。
家族を残し、一人中国に駐在する男性。やはり淋しいのだろうか、涙もろくなっているようだ。 彼が、この日観て涙したという映画『露営の歌』は溝口健二が監督した作品で、国策映画(戦争を賛美し国威発揚のために製作された映画)で、現在ではフィルムは失われ現存していないようだ。しかし、日記を書いた男性がこれほどまでに感動しているところをみれば、ただの戦争を賛美した国策映画だけに留まらない作品だったのだろう。そこはさすが巨匠・溝口健二というところか。
【昭和13年の出来事】 1月 女優岡田嘉子が杉本良吉と共に樺太国境を越えてソ連に亡命 3月 ナチス・ドイツ、オーストリアを併合 4月 日本で国家総動員法公布 6月 日中戦争にて日本軍の進撃阻止のため、中国国民党が黄河の堤防を爆破。河川が氾濫し数十万の住民が水死 10月 ナチス・ドイツがチェコスロバキアからズデーテン地方を割譲 10月 日本軍、広東、武漢三鎮占領