<時間旅行>戦前日本の日記
治39年:日露戦争の激戦地である二〇三高地を訪ねたときのこと。24歳の男性。#戦前の日記 #1906年8月16日
数え年で24歳の男性。愛知県の三河地方出身でこの時は東京の深川あたりにある商店に勤務。既婚、子供あり。11月13日、1月9日、3月7日の日記と同じ人物。
日記を書いた男性は7月末から満州と朝鮮の視察旅行へと出掛けている。日本では朝鮮の併合(1910年)の前後から、満州・朝鮮への観光が頻繁に行われるようになっていた。 この男性が参加したのは、おそらく朝日新聞社が主催した「満韓巡遊船」というツアーで1906年7月25日から8月23日の30日間の日程で行なわれたものだ。この「満韓巡遊船」はこの年の6月22日に募集が開始されるやいなや数日で完売となったほどの人気だった。記録によればすべて男性で389名もの参加者がいたそうだ。 この日は、極東の小国だった日本がが大国ロシアと戦った日露戦争の激戦地である二〇三高地を訪ねたときのことを日記に記している。
【明治39年の出来事】 3月 伊藤博文が韓国統監府の初代統監に就任 4月 サンフランシスコ地震 5月 新宿御苑開苑式 7月 日本初の専用線電話が日本銀行と横浜正金銀行本店間に設置 11月 日本鉄道国有化 11月 南満州鉄道設立