<時間旅行>戦前日本の日記
正13年: 関西に住む25歳の女性。 1924年12月13日
肺病を病んで入退院を繰り返している。この日は病院に入院している。彼女は読書好きで日々様々な本を読んでいる。
大正9年に行なわれた第1回国勢調査によれば、当時の平均初婚年齢は男性が25.0歳、女性が21.2歳とのことだ。日記の主の女性は25歳で適齢期を少し過ぎたくらいだが、しかし病気のためになかなか見合いなどができなかったのだろう。当時は肺病、いわゆる結核は不治の病であり、治療法は空気の良い場所での静養くらいしかなかった。結核が死に至る病で亡くなったのは、戦後、抗生物質が容易に手に入るようになってからなのだ。
【大正13年の出来事】 1月 皇太子裕仁親王(後の昭和天皇)と良子女王(後の香淳皇后)ご成婚 3月 谷崎潤一郎『痴人の愛』連載開始 5月 アメリカで排日条項を含む移民法が成立。日本人の移民が全面禁止される 8月 甲子園球場落成 12月 銀座松坂屋オープン