琉球島猫百景
#19
〈番外編〉台湾 高雄&台南 ねこ×アートのまち歩き
写真と文・シマネコキネマ
台南・藍晒圖文創園區(ブループリントカルチャー&クリエイティブパーク)にある巨大ねこ壁画
去った年末年始、琉球弧の南端である台湾南部のまちを、「ねこ」と「アート」をテーマに歩いてみた。
まずは、台湾で3番目に大きな都市である高雄へ。あまり前情報は入れずに、近ごろ話題のアートスポットを巡ってみると、そこには必ず台湾島猫と、猫愛溢れるねこアートとの出会いが待っていた。
今回の台湾旅で最初に出会った黒猫。ちなみに台湾で猫の鳴き声は喵喵(ミャオミャオ)
高雄苓雅國際街頭藝術節(苓雅国際ストリートアートフェスティバル)の一角ではサビ猫に出会った
高雄出身の台湾人アーティスト、楊惟竹さんの壁画アートにも猫が。インスタ映えスポットとして観光客に大人気だ
高雄の港湾区に広がる「駁二藝術特區」(駁二アートセンター)は、日本統治時代のサトウキビ倉庫群跡地にアート作品や映画館、飲食店、クラフトマーケットなどが集まっている話題のエリア。
古い町並と現代アート作品が交差する風景の中で、台湾島猫たちは暮らしていた。
中には、ねこをモチーフにしたオリジナル文具などを販売している雑貨屋もあり、店内にはTNRの説明付きで募金箱も置かれていた。島や国が変わっても、都市部における野良猫問題は変わらずに存在しているのだと思った。
新しいものと古いものが混じり合う駁二藝術特區。野良猫たちの餌場がいくつか見受けられた
2019年元旦、縁起の良い赤壁の前で出会った黒猫さん
餌場が設置されているお店の前で、朝食の時間を待つ面々
高雄の街中のマンホールでねこアートを発見
民家の玄関前でくつろぐ。やはり、どこか沖縄に通じる空気感がある
続いて、台湾の京都とも言われるレトロな都市、台南へ。ひと昔前の那覇のような路地裏、筋道、市場、公園、屋台…どこへ行っても如何にも猫がいそうな雰囲気があり、実際、予想以上に多くの猫とねこアートに出会うことができた。
路地を進むと、ビルと民家に挟まれた空き地にねこ公園があった
遂に発見!ねこ屋台。ねこ型メンチカツ、肉球フライドポテトなどを提供
若者に人気の正興街では、各店の店主たちが猫キャラになって町をPR
今回の旅で、個人的にいちばん猫とねこアートを楽しめたのは、321巷藝術聚落(321巷アートビレッジ)だ。日本統治時代に軍宿舎があった区域がアート村として再生され、古民家そのものや、展示された作品をのんびり楽しめるようになっている。
昔懐かしい日本家屋や赤レンガの石塀が並び、ブーゲンビレアやガジュマルなどの亜熱帯植物が良く映え、さらにそこに猫がいるという夢のシチュエーション。カメラを持って訪れることをおすすめします。
赤レンガの塀の上をお散歩中でした
かわいらしいねこのオブジェがあちこちに隠れている321巷アートビレッジ
*島猫映画『Nyaha!(ニャハ!)』上映情報
2019年2月22日・23日、石垣島ゆいロードシアターにて上映決定! 詳細は公式フェイスブックをご参照ください。
公式フェイスブック→https://www.facebook.com/nyaha28/
*島猫映画ニャハ!公式ショップよりお知らせ
万年日めくりカレンダー「島猫めくり」、映画プロローグ編『Nyaha! Part#0』(54分作品)などを販売中です!
公式ショップ→https://nyaha.official.ec/
*本コラムの姉妹企画「琉球百景」は、沖縄発信の季刊誌『モモト』(編集工房 東洋企画)で好評連載中です。
*本連載は毎月22日(=ニャンニャンの日)に配信予定です。次回もお楽しみに!
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仲程長治(なかほど ちょうじ) 1959年、石垣島生まれの写真家、アーティスト。20代の頃より沖縄県内であらゆる分野のアートデザインを手がける。琉球・沖縄の文化誌『モモト』の撮影とアートディレクションを32号まで担当。2018年冬に沖縄本島北部で開催される「やんばるアートフェスティバル2018-2019」の総合ディレクター。現在、西表島の自然と暮らしをテーマにしたドキュメンタリー映画を撮影中。 |
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シマネコキネマ 島猫映画『Nyaha!』(ニャハ!)(撮影・編集・監督/仲程長治、音楽/宮沢和史、脚本原案/仲村清司)の制作プロダクション。 沖縄の猫メディアの面々と共に、沖縄の島猫の地位向上を目指す「島猫力向上委員会」を発足、「ニャハ市長選」などを企画・開催している。 |