琉球島猫百景
#09
那覇〈2〉島猫たちのジンブン
写真・仲程長治 文・シマネコキネマ
2月に見頃を迎えた那覇の桜と、桜坂のさくら耳
昨夏から撮影を続けている映画『Nyaha!』(ニャハ!)では、全国的に寒さが厳しかった今年の冬も、島猫たちを追いかけていた。沖縄の冬は、大雪や氷点下といった命に関わるような寒さではないものの、体温を奪う冷たい雨が続いた今年の冬は、南国育ちの外猫たちにとっては体調管理や餌の確保が難しいシーズンだったに違いない。
ガジュマルの木の下で、団子になって寝ている仲良し兄弟
ふかふかの枯れ葉のベッドの上で、丸くなって眠る幸せ
1月下旬、日本一早く開花する寒緋桜の鮮やかなピンク色が、那覇市内の公園を彩り始める。春の気配を感じさせる青空と、可憐な花々を見上げることが多くなる季節なのだが、今年は足元の猫たちばかりを見ていて、ふと気がついたことがある。猫たちは、自分自身が身につけている毛色や柄を本能的に知っているのではないか?…と。
葉っぱの柄、ブロックの色柄に、見事に同化していたキジトラたち
猫の世界に鏡はないはずだが、キジトラは灰色がかったコンクリートの近く、サビ猫はいろいろな色が混じった枯れ葉の上で、三毛猫たちは茶色い木の根っこ、茶トラは陽当たりのいい水飲み場と、ちゃんと自分の保護色がある場所を住処にしているのだ。
白い壁の風化具合に、絵画用のように溶け込んでいた白トビ猫
夕陽が金色に輝く時間になると、水を飲みにくる茶トラ
その他にも、数匹でねこ団子をつくって暖をとったり、シッポで足元を巻いて北風を防いだり…と、『Nyaha!』(ニャハ!)のテーマである「島猫に、学べ」よろしく、寒さをしのぐための彼らの知恵(ジンブン)と工夫には関心させられるばかりだった。
右側に記された「アスファルトの足跡」を背負っているような三毛猫
*2018年公開予定の島猫映画『Nyaha!』(ニャハ!)は、ただいま、絶賛撮影中!
公式インスタグラム→https://www.instagram.com/nyaha_28/
公式フェイスブック→https://www.facebook.com/nyaha28/
公式ホームページ→http://www.nyaha.ryukyu/
*本コラムの姉妹企画「琉球百景」は、沖縄発信の季刊誌『モモト』(編集工房 東洋企画)で好評連載中です。
*本連載は毎月22日(=ニャンニャンの日)に配信予定です。次回もお楽しみに!
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仲程長治(なかほど ちょうじ) 1959年、石垣島生まれの写真家、アーティスト。20代の頃より沖縄県内であらゆる分野のアートデザインを手がける。琉球・沖縄の文化誌『モモト』の撮影とアートディレクションを32号まで担当。2017年冬に沖縄本島北部で開催される「やんばるアートフェスティバル2017-2018」では総合ディレクターを務める。現在、初監督作品となる『Nyaha!』(ニャハ!)を鋭意撮影中。 |
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シマネコキネマ 2018年春に公開予定の島猫映画『Nyaha!』(ニャハ!)(監督/仲程長治、脚本/仲村清司、音楽/宮沢和史)の製作委員会。 現在、琉球朝日放送(QAB)の情報番組「旬感!Qアプリ」内にて、テレビ版の「琉球島猫百景」を第2・第3水曜日(16時35分〜)放映中です。
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