築地 ごちそう案内
#06
Tsukiji-Uogasiyokochou Gochisou Guide Vol.4
ICHIBA GOCHISOU GUIDE Vol.04
市場ごちそう案内 [その4]
「魚がし横丁」には、海鮮や鮨屋だけではなく、市場関係者の憩いの場として愛される喫茶がある。レトロな雰囲気も味わいながら、守られてきた老舗の味は、ぜひ築地で一度は味わいたい。 いまの場所で食べられるのは市場が豊洲に移転する2016年11月まで。築地の雰囲気も合わせて味わって欲しい。※メニューは季節によって提供してない場合があります。
雰囲気も味も! 心からほっとする純喫茶
喫茶 岩田
KISSA IWATA
「うちは全部自家製だから大変なのよ」と、店主・岩田さんが微笑む。彼女が二日に一度仕込むという冬季限定「ポタージュ」(460円)は、優しい味をしたジャガイモのスープ。甘い玉ネギがたっぷり、西洋ネギやポロネギとも呼ばれるリーキも使われており、じっくり煮込まれてまろやか。体も心もほっこりと温まる一品。ほかに人気メニューとしてホットサンド(600円)、ナポリタン(550円)、カレー(650円)などがある。ブレンドなど、飲み物は400円くらいから。
ホットサンドを注文すると、たまごを焼くところからはじまる。丁寧に手がかけられた調理が嬉しい。お店をはじめて29年。長い間、市場関係者に憩いを提供し続けている喫茶店。女性スタッフオンリーの癒し空間です。
カウンターに腰掛け、古の魚河岸へ時間旅行
愛養
AIYO
一風変わった名前の喫茶店だが、その発祥は古く日本橋に魚河岸があった時代の支店が始まりとのこと。大正期の食習慣からもっと滋養のある物を、ということで「養」の字が当てられたそう。その時代の名残はカウンターを支える煉瓦や内装のタイルなどそこかしこに散見されタイムスリップしたかのような居心地の良さ。その中でモカやコロンビアなどの本格ブレンドにトーストで朝食をとる河岸人がくつろぐ風景は、もはや築地に残しておきたい風景100選とも言える。ぜひ一度お立ち寄りを。
コーヒーやジュース類に加え冬のオススメは体が温まる「ミルクセーキ」(580 円)。トースト(220 円)と一緒にいただき、スポーツ新聞片手に一服すれば魚河岸気分を満喫。築地生き字引とも言える松島さん、竹内さん、鈴木さんの御三方に話を伺うのも一興。
店で揚げた豚ロースのやわらかカツサンド
喫茶木村家
KISSA KIMURAYA
ターレや自転車に乗った市場関係者が店頭で調理パンを買っていく。店内では長靴姿の兄さんたちがドリンク片手に新聞を読んでくつろぐ。他店に比べてゆったりしたイスとテーブルの配置。こういった風景を眺めて、まさに市場で働く人々の憩いの場なのだなあと感じた。テーブルに灰皿はないが、そのまま床にたばこの灰と吸い殻を落としていいという昭和っぽさ。そう、昭和10年代の創業以来、魚河岸の男たちを癒し続けているのである。混雑する築地市場の穴場スポット的休憩場所だ。食パンは店内のスライサーでカットされるため、パサついておらず、しっとりフカフカ。やや厚切り。一番人気の「カツサンド」(470円)の具、豚ロースはたたいて柔らかくしてあり食べやすい。「コーヒー」は400円。スプーンの上に置かれる角砂糖二つの佇まいがレトロかわいい。
団子界に殿堂入りの有名老舗和菓子店
茂助だんご
MOSUKE DANGO
言わずもがな、童謡だんご3兄弟のモデル店。創業明治31年、約120年の歴史をもち、現在のご店主で四代目。看板商品の餡だんごには「つぶあん」「こしあん」(各154円)があり、北海道は十勝産、契約農家の有機質土壌で育った最高級の小豆を使用。舌の上でサラリと消えゆく口どけの「こしあん」。国産コシヒカリの上新粉でできた餅の美味しさは、香ばしい「おしょうゆ」(144円)で、より感じることができる。知る人ぞ知るメニュー、年末限定で受付の「栗きんとん」「豆きんとん」も絶品。
多い時には一日二千本売れる人気のお団子、是非とも手土産に。
そして、せっかく市場まで来たのなら、店内で「玉子ぞうに」(520円)を食べてほしい。しっかりカツオ出汁に柚子が香る汁、体の芯までジンと染み入る美味しさだ。こちらも創業当時からの一品。
*本連載は毎週火曜日配信予定です。
次回「Tsukiji-Uogasiyokochou Shopping Guide Vol.1」は5月24日配信予定です。お楽しみに!
*このサイトで紹介しているお店は、すべて「築地 ごちそう案内 2016」にてまとめて読むことができます。全店MAP、店舗情報なども網羅した保存版です。
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