わざわざ飛行機に乗って、麺を食べに行ってきます。
#21
香川「讃岐うどん2019」
文と写真・高山コジロー
わざわざ飛行機に乗って、香川にうどんを食べに行ってきました。
今回は、奄美大島の予定だったが、台風21号で前日にキャンセル。
年内残りのスケジュールはすべて決まっていて、ぽっかり空いてしまった。
「さて、どこに行こう?」
2019年麺の旅はラーメンの比率が高く、うどんを食べていない。
うどんといえば、やはり、、、。
そうだ、「讃岐うどん」を食べに行こう!
羽田から高松に1泊2日。レンタカーを使って讃岐うどん巡りだ。
行きは始発便、帰りは最終便を利用して、香川滞在は34時間。
日程変更により直前に予約したので、JALツアーズ25,800円(宿泊費込)と少々お高め。
ただし、ツアーから予約できるレンタカーは2,000円(1泊2日保険込)とリーズナブル。
「羽田-高松」の往復2搭乗。合計43回。
JALサファイア会員到達の50回まで、残り7搭乗に。
飛行機データ
●羽田-高松 07:40-09:00 JAL便 (普通席)ツアー 42搭乗
●高松-羽田 11:20-13:35 JAL便 (普通席)ツアー 43搭乗
合計/25,800円(※宿泊費込)別途レンタカー2,000円(1泊2日)
2019年搭乗実績/JAL43回、ANA1回、天草エアライン1回
【今回のマイル】 羽田-高松の通常マイルは「354」
●羽田-高松
フライトマイル:354×50%(ツアー利用)=177マイル
ボーナスマイル:フライトマイル(177)×105%(サファイア会員)=186マイル
177+186=363マイル
往復合計:726マイル
羽田から高松へ
羽田空港へは30分前に到着。11月から保安検査場の締め切りが20分前になり、時間の余裕がない。
朝食を買おうとマックに立ち寄るも行列、レンタカーの運転があるのでラウンジでビールも飲めず、保安検査場から直接搭乗口に向かう。しかも風邪気味で体調は、あまり優れず。
機内は混んでいて、ほぼ満席だった。定刻通りに離陸。
音楽を聴きながら睡眠。目がさめるとそこは、もう高松。(いつも寝ている)。
天気は良く、ドライブ日和だ。
2017年の麺の旅では、「須崎食料品店」「やまうちうどん」「純手打ちうどん よしや」「なかむら」、
「釜あげうどん長田in香の香」「がもううどん」「手打ちうどん たむら」「山越うどん」という、
そうそうたる名店を巡礼。
今回は、まだ訪れていない、うどん店を中心に巡りたい。
「山下うどん」かけうどん小 芝海老のかき揚げ @坂出
【飛行機に乗って麺の旅】136杯目
香川県には、約800軒の讃岐うどん店があるという。
うどん店は、高松市周辺、丸亀市・坂出市方面、香川西部(西讃)の山間部と県内に広く点在する。
09:30空港近くのオリックスレンタカーを出発して、まずは坂出市を目指す。
日曜日の朝、道はすいていて快適なトライブ。
一般道路を使い10:00には「山下うどん」に到着する。
「山下うどん」という名のうどん店は数軒あり、こちらは地元では通称「坂出の山下」または「郵便局の山下」と呼ばれているという。(郵便局の集積所だったそう)。
讃岐うどんの店のスタイルは、セルフ店・製麺所(セルフ)・一般店に分かれ、注文や会計方法も店によって微妙に異なる。
こちらは、セルフ店。まずカウンターでうどんを注文し、トッピングは好みでのせる。天かすやネギは無料だ。会計は食べ終わった後に自己申告して払うスタイル。
厨房の奥の大釜で薪を使ってうどんが茹でられている。
朝のおめざは、温かいかけうどんを選択。
「かけうどん温 小」(200円)を注文し、芝海老のかき揚げ(220円)をトッピング。
細めの麺は、讃岐にしては柔らかめながら、モチモチとした食感がいい。
熱々のシンプルないりこ出汁が優しく、体に沁みる。
地産の新鮮な大きな芝海老のかき揚げは、揚げたてでサクサクで絶妙な味わい。
ああ、ごはんが欲しい(笑)
おいしかったです。ごちそうさま。
「山下うどん」/香川県坂出市加茂町147-1/8:00~14:00/月曜日休み
「白川うどん」釜揚うどん @善通寺
【飛行機に乗って麺の旅】137杯目
いったん坂出を離れ20分ほど車を走らせ、善通寺市にある「白川うどん」に。
駐車場の入り口を間違え細い路地に入ってしまい、ペーパードライバーはひと苦労だ。
店内に入ると、厨房では小さめの釜で麺が茹でられている。
2杯目は茹でたてが食べたく「釜揚げ1玉」(250円)を注文する。お揚(100円)と肉(100円)をとり、こちらは先に会計を済ませるスタイル。
少し時間がかかり15分ほど待ち、湯気立つ熱々のうどんの丼をカウンターで受け取る。
濃いめのつけ汁につけていただく。
麺を打つ、切る、すべて手作業による純手打ちの平たいうどん。ツルツル、モチモチでコシがあり
釜揚ならではの旨さ。
甘く炊き上げた分厚いお揚と、肉のトッピングもいい塩梅。
おいしかったです。ごちそうさま。
「白川うどん」/香川県善通寺市櫛梨町500-1/9:30~15:00/火曜日休み
「日の出製麺所」温かいうどん 小 温泉卵 @坂出
【飛行機に乗って麺の旅】138杯目
再び、坂出市まで車を走らせて、昭和5年創業の老舗「日の出製麺所」に向かう。
途中、少し渋滞にはまり焦る。営業時間が、たったの1時間なのだ。
ギリギリ間に合い入店する。その名の通り、製麺所に併設されたうどん店だ。
そのため作業の合間の11:30から12:30までの1時間のみの営業。
メニューはシンプルに「温か冷」、サイズは「小・中・大」。
まずは「温かい 小」(120円)と温泉卵(70円)を注文する。小で普通の1人前はある。
小麦粉は香川産の「さぬきの夢」を使用。小麦の香りが素晴らしい。
卓上のネギをハサミで切り、生姜のすりおろし、天かすをたっぷり入れて、温泉卵をインする。
ポットから熱々のいりこ出汁をたっぷりかけていただく。
これぞ「讃岐」という、強いコシ。噛むと旨味が溢れる麺とコクのある出汁が好相性で旨い。
讃岐うどんの醍醐味は、「連食」(笑)。
「冷たい 小」(120円)をお代わり。飛行機に乗って麺の旅139杯目。
きれいな麺姿。冷はさらに明確に麺の旨さがわかる逸品。
歯ごたえ、喉越しよく、冷たい少し濃いめのぶっかけ用の出汁がよくあう。
途中でネギをたっぷり刻み入れて、シンプルにネギと出汁のみで味わう。
まさに至福のうどん。
食べ終わった後、自己申告で会計。うどん2杯と温泉卵でたったの310円。コスパも最高。
おいしかったです。ごちそうさま。
「日の出製麺所」/香川県坂出市富士見町1-8-5/11:30~12:30
あと2軒ほど回る予定だったが、12時で、すでに4杯。うどんは後からお腹が膨らむ。
それに「日の出製麺所」のクオリティが凄すぎて、、、今日はもう、いいかと(笑)。
日帰り温泉に立ち寄り昼寝。高松市内に車を走らせホテルに向かう。
チェックイン時間を勘違いしていて1時間以上早めに到着。荷物だけ預けてビールでも飲みに行こうと思っていたのだが、アーリーチェックイン可能とのこと。シャワーを浴びて休憩。高松東急REIホテルの配慮に感謝。
「ゴッドハンド」カレーうどん 温 チキンカツ @高松
【飛行機に乗って麺の旅】140杯目
夕方から高松駅前の繁華街で、名物の骨付き鷄をつまみにセンベロはしご酒。やっとビール!!
明日もレンタカー移動なので、早めにお酒は切り上げ。中締めはやはり、うどん。
うどん店は昼のみの営業が多く、隣り合わせた地元客に、夜やっているうどん店でオススメを教えてもらい、繁華街から少し離れた「ゴッドハンド」に伺う。
「讃岐にあって讃岐にあらず。」
柔らかうどんが人気だという。都内でも増えている「柔らか讃岐うどん」、ちょっと興味深い。
暖簾をくぐると食堂のテイスト。一般店ながら厨房のカウンターで注文するスタイル。
飲み屋の客にススメられた、カレーうどん 小(470円)を注文する。
カレールーは、そのまま、出汁で調整して割ることも可能とのこと。
温かいうどん、出汁で少しだけ割ってもらう。どでかいチキンカツ(100円)をトッピング。
注文が入ってから、うどんは茹でられる。10分ほどで着丼。
麺だけつまんでみるとフワフワ(笑)。面白い。
もちろん茹ですぎたわけではなく、あくまで讃岐うどんであり、しっかりした食感もあり、旨い麺。
いりこ出汁で割ったマイルドなカレールーと青ネギ、うどんの相性がいい。
ビッグなチキンカツは、ミンチで大きなチキンナゲットといったところ。
カレールーと合わないはずがなく、あっという間に完食。ああ、ごはんが欲しい。
おいしかったです。ごちそうさま。
「ゴッドハンド」/香川県高松市内町4-1/10:00~15:00 17:00~20:00/無休
「須崎食料品店」温ぶっかけ小 温泉卵 @三豊市
【飛行機に乗って麺の旅】141杯目
翌日、朝のおめざは6時からオープンしているうどん店を予定していたが、結構な雨模様。
そして珍しく寝坊。お腹は、まったくすいていない。徒歩で20分ほどかかる、、、断念。
ホテルは朝食付きだったので、温かいうどんとコーヒー。うどんは、しっかり讃岐だった。
ホテルをチェックアウトして、香川県西部、三豊市の住宅街にある「須崎食料品店」へ向かう。
前回の麺の旅で衝撃を受けた讃岐うどんの名店。もう1度訪れたく、雨のなか車を走らせる。
途中、雨脚強く50分ほどかかり到着。駐車場のアキは1台だけ。雨の月曜日だが、やはり混んでいる。
スーパー併設の店内に入る。メニューは、「しょうゆうどん」のみ。
店のお母さんに、「小・温」(1玉 230円)と注文を伝える。4、5人の待ち。
奥の厨房では、大きな釜で豪快に麺が茹でられている。
順番に釜からあがったばかりのうどんが入った丼を渡される。
小1玉でも他店に比べて麺の量が多い。
アツアツの極太の麺に、ネギと生姜と入れ、温泉玉子(70円)をトッピング。
だし醤油を、まわしかけて完成だ。雨がやんだので外の駐車場でいただく。
「うーん、旨い!」
香り豊かで、コシがとても強い。これぞ、讃岐!
太くエッジのある四角い麺は、滑らかなでもちもちしていてのびもよく、しっかりした歯ごたえで弾力が凄い。
醤油が浸み込んだうどんの旨みが、噛めば噛むほどいっぱいに広がる。
丼を返す時に自己申告して会計。300円なり。
しょうゆうどんとは、斯くも旨いものなのか。
2年前に呟いた言葉を思いだす(笑)。
最高の讃岐うどん。おいしかったです。ごちそうさま。
「須崎食料品店」/香川県三豊市高瀬町上麻3778/9:00~11:30ごろ/水曜日休み
「谷川米穀店」冷かけうどん @まんのう町
【飛行機に乗って麺の旅】142杯目
店を出るとまた小雨が降り出す。まんのう町の山間部にある「谷川米穀店」を目指す。
前回は店が終わってしまい行けなかった店。ナビでは40分ほど、今回はなんとか間に合いそう。
ところが、山間部で突然のスコール。ワイパーを全開にしても前が見えない。とても走れるような状況ではなく、コンビニの駐車場で雨宿り。
30分ほどすると突然、晴れ間が見えてきて運転再開。川沿いに佇む「谷川米穀店」に到着。
行列を覚悟していたが雨の影響か、待たずに入れてテーブル席に相席する。
厨房では、職人さんがうどんを打っている。その場でうどんを切り、絶えず大釜でうどんが茹でられている。いい雰囲気だ。
メニューは、うどん(大・小)、(温・冷)のみ。
あとは出汁、醤油、ネギ等お好みで調整して食べる、讃岐のセルフスタイル。
冷小(150円)を注文する。茹が茹で上がるまで、しばし待つ。
まずは麺だけつまんでみる。水で締められたうどんは、讃岐では細め。
エッジがたった麺ではなく、なめらかで口当たりが優しい。
ネギをたっぷり、そしてこの店の独自の青唐辛子漬けを多めに添えて、醤油でいただく。
これは初体験の旨さ。ちょっと青唐辛子を入れすぎてしまったが、絶妙なバランス。
途中、冷たい出汁を入れてみるが、いりこ感よく、麺と好相性だ。
店内撮影禁止なので、写真がないのが残念!
飛行機に乗って麺の旅143杯目。
1杯では帰れぬ、温かいうどんも食べねばと、カウンターで丼を返し、温小(150円)と生卵(50円)をおかわりする。
うどんが茹で上がるまで、厨房の作業を眺めるのも楽しい。
ふと張り紙に目を通すと、「店内撮影禁止、注文したうどんは可能」とある。
しまった! 写真、、、。
麺が茹で上がり、おかわりを受け取る。生卵の上に熱々のうどんがのせられている。
うどんはツルツル、モチモチ。醤油を垂らし一気に混ぜていただく。
卵はダマにならず、卵かけごはんのよう。ほどよい温度感、麺と卵がよく絡まる。
コクがあり、ふわふわで旨い。
あと会計なので、食べ終えてら自己申告して350円支払う。コスパも素晴らしい。
いつの間にか、店の入り口には閉店が近いのにもかかわらず、かなりの行列ができていた。
雨の影響か、待たずには入れてラッキーだった。
おいしかったです。ごちそうさま。
「谷川米穀店」/香川県仲多度郡まんのう町川東1490/10:30~13:30/日曜日休み
店をあとにして、うどん巡りを続ける予定だったが、もう、お腹いっぱい。
「須崎食料品店」と「谷川米穀店」の名店を巡り、身も心も、大満足。
飛行機発着まで時間があるが、無理をせず、のんびり観光をしながら高松方面に戻る。
新たに日帰り温泉を見つけて、2日連続の温泉ざんまい。
夕方、香川県内で評判のラーメン店で、飛行機に乗って麺の旅144杯目を食べる。
コメントはありません。写真掲載もなし(笑)。ようするに書くことが何もない。
レンタカーを返却し空港に向かう。1泊2日の走行距離は220キロ。けっこう走っている。
空港に着き、やっとビールが飲める。うどんの出汁も飲める?
都市伝説だと思っていた「高松空港のうどん出汁サーバー」。本当にあった。もちろん無料。
いい出汁で、うどんが食べたくなった。
マイラーの終わりなき麺の旅
この旅で、JALの搭乗回数は2019年43回。
福井から始まり、久留米、天草、尾道、福山、三原、松山、青森、山形、金沢、札幌、小樽、京都、三重、函館、大分、奈良、松本、小倉、久米島、大阪、香川、、、飛行機に乗って144杯。
オヤジマイラーの終わりなき麺の旅は、まだまだ続く。
2019年ラーメンを中心に、ただいま合計238杯完食!
次回は、飛行機に乗って兵庫県を横断してラーメンを喰らう。
2019年1月、連載とともにツイッターを始めました。
フォロワー470人超えました。ありがとうございます。
2019年ラーメンを中心に、ただいま合計238杯完食!
タカヤマコジローkojiro@takayama_kojiro
「飛行機に乗って、麺の旅」 ライブでつぶやき、
「飛行機に乗らない、東京麺旅」東京近郊での麺活をつぶやく。
*この連載は毎月第2第4月曜日に更新予定です。
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高山コジロー 編集者・旅人・たまにバーテンダー。大学卒業後、出版社にて男性ファッション誌、女性ファッション誌、漫画誌、トラベル誌、フリーマガジンなど20 年に渡り20 誌ほど編集長として携わる。現在は白黒の雄猫と共に気ままに暮らす。小学生の頃より極度の乗り物酔いだが、なにしろ飛行機が好きなので、生涯搭乗数は優に400回を超える。忘れられぬ旅はJAL ファーストクラス(特典航空券)で行ったパリ一人旅。酒好き、旨いものに目がない「食いしん坊」でもある。「KOJIRO(コジロー)」名義にて2017 年、『TABILISTA 』にてJALサファイア会員になるために年間50回飛行機に乗り、ついでに麺を食べに行く「マイル修行&麺の旅」を好評連載。本編はその続編にあたる。 |