料理評論家・山本益博&美穂子「夫婦で行く1泊2食の旅」

料理評論家・山本益博&美穂子「夫婦で行く1泊2食の旅」

#62

第60回 三重・桑名と名古屋

文と写真・山本益博

 

 

桑名のはまぐり鍋

 

三重・桑名の長島リゾートへ

 

 

 今年、私はあるデザイン・マネジメントの会社に入社しました。70歳を過ぎて、生まれて初めての会社勤めです。会社を興したことはあるのですが、満員電車での通勤が嫌で著述業なる仕事を始めたわけで、会社勤めと言っても、毎日時差通勤するわけでもなし、コロナ禍でリモート会議をするわけでもなし、ほとんど自由業と変わらない日々です。
 そして、これまた初めて会社の「慰安旅行」に参加しました。関連会社の社員を含め、総勢40名ほどの団体旅行です。出かけた先は、三重・桑名の長島リゾート。今回は、そのレポートです。
 桑名市にある「長島リゾート」、今まで知らなかったのですが、大遊園地があって、東京のディズニーランド、大阪のユニバーサル・スタジオに続く規模のリゾート遊園地なのですね。その名を「ナガシマスパーランド」。
 

 

長島リゾート

「ナガシマスパーランド」

 

 

 宿泊する「ホテル花水木」は遊園地に隣接してありました。
 泊まった8階の部屋からその遊園地の全貌が眺められました。子供から大人まで楽しめるアトラクションが一杯です。
 チェックインが2時からということで、ホテルのダイニングでゆっくり昼食をとりました。お刺身膳やステーキ丼をとる人が多かったのですが、私が選んだのは「車海老のフライ」。ほどよい火入れで、上等な車海老の穏やかな甘みが生きたフライでした。

 

長島温泉花水木車海老フライ

車海老のフライ

 

 

 2時にチェックインして、宴会が始まる6時までは自由行動です。若者たちは、ジェットコースターに乗ろうと遊園地へ。アウトレットへ出かける人もいましたが、私は「湯あみの島」へ出かけて、露天の温泉巡りです。熱い湯、ぬるめの湯、ジェットバスといろいろあるのですが、私はぬるめの湯に長時間浸かって、ゆっくりと都会のホコリを落としました。
 緑あふれる木立の木漏れ日の中、青空が透き通っていて、天気の良いときの露天風呂は格別ですね。湯につかりながら「天気が良ければ、旅の半分は成功」という言葉を思い出しました。
 6時から始まった大広間の宴会は、コロナ禍ということで、各自のお膳がソーシャルディスタンスを保って配置してあります。ビールを注ぐのも、酒のお酌をするのも、簡単にいきません。宴たけなわになると、向かいの方と話すのも、川向うに声を挙げる感じです。
 料理は全く期待していなかったのですが、お造り(刺身)の白身のはた、まぐろ、伊勢海老、どれも美味しく、温度までやや冷たく計算されていて感心しました。「桑名」と言えばはまぐりですが、小鍋仕立てにしたはまぐりが淡い出汁に調和して、これまた上等な味わいでした。
 宴会は8時に終了。その後は、バーやらゲームセンターやらに出かけての2次会。コロナ禍のため、カラオケだけは店仕舞いしておりました。
 

 

 

長島温泉花水木マグロはた伊勢海老

お造り はた、まぐろ、伊勢海老

 
桑名のはまぐり鍋

はまぐり鍋

 

長島温泉花水木外観

ホテル花水木

 

 翌朝は、なんと7時半から朝食です。昨夜、宴会のあと、すしやラーメンを平らげた強者もいたようです。
 食事を済ませてから、今一度温泉に入り、ホテルを後にしました。全員バスに乗りこんで名古屋まででて、昼食を台湾料理「味仙(みせん)矢場店」でとろうというもの。ここまでが、慰安旅行の公式行事です。
 台湾料理と言えば、ビーフン、ちまきなどが有名ですが、この店のお薦めは辛い「台湾ラーメン」だそうです。ビーフンをどうしてもいただきたい私は、テーブルで台湾ラーメンとビーフンをシェアすることにしました。このビーフンの美味しかったこと!それに「にら玉炒め」を注文したのですが、塩味が勝ってしまい、玉子の味がしません。私は食べかけの皿をもって、調理場に出向き、丁重に「塩辛いので」と願い出て、作り直してもらうことにしました。
 改めて出てきたにら玉炒めは、にらの香りと玉子の香りが調和して、素晴らしい逸品に仕上がっていました。忙しい中にも客の注文を聴いて、改めて調理してくれた料理人さんに敬意を表したいと思いました。
 

 

味仙ビーフン

ビーフン

 

味仙台湾ラーメン

台湾ラーメン

 

味仙にらたま

にら玉炒め

 

 

 

次回は「京都・鳥取」です。

 

 

 

■山本益博さんの公式HPが新しくなりました!

 

https://www.masuhiroyamamoto.com

 

 

 

■「ホテル花水木」

 

住所/三重県桑名市長島町浦安333番地

 

問い合わせ/0594-45-2000(9:00~19:00)

 

https://www.nagashima-onsen.co.jp/hanamizuki/

 

 

■「味仙(みせん)矢場店」

 

住所/名古屋市中区大須3-6-3    

 

問い合わせ/052-238-7357

 

*この連載は毎月25日に更新です。

 

山本さん顔

山本益博(やまもと ますひろ)

1948年、東京・浅草生まれ。早稲田大学第ニ文学部卒業。卒論が『さよなら名人藝―桂文楽の世界』として出版され、評論家としてスタート。幾度も渡仏し三つ星レストランを食べ歩き、「おいしい物を食べるより、物をおいしく食べる」をモットーに、料理中心の評論活動に入る。82年、東京の飲食店格付けガイド(『東京味のグランプリ』『グルマン』)を上梓し、料理界に大きな影響を与えた。長年にわたる功績が認められ、2001年、フランス政府より農事功労勲章シュヴァリエを受勲。2014年には農事功労章オフィシエを受勲。「至福のすし『すきやばし次郎の職人芸術』」「イチロー勝利への10ヶ条」「立川談志を聴け」など著作多数。 最新刊は「東京とんかつ会議」(ぴあ刊)。山本益博さんの公式HPが新しくなりました! https://www.masuhiroyamamoto.com

 

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