料理評論家・山本益博&美穂子「夫婦で行く1泊2食の旅」
#20
津別・常呂・網走
昨夏に続きチミケップ湖へ!
都会の日常とはまるで別世界。
■満天の星とフランス料理を求めて
昨年に続き、再び、チミケップ湖へ!鏡のような湖面、それを包むようにしてある物音ひとつしない森林。都会の日常とはまるで別世界です。
昨年は、ただし、台風の季節で天気には恵まれず、満天の星が見られませんでした。これが再訪の理由のひとつ。いまひとつは、「ミシュラン」の北海道2017年特別版で「チミケップホテル」が1つ星に輝いたからです。昨年いただいた、目の醒めるような料理は、決してフロックではなかったのですね。
羽田から女満別空港へ飛び、そこから車で約1時間の距離にチミケップ湖はあります。今回、湖畔の道に車が何台も並び、大勢の人がカメラを構えていました。聞けば「クマゲラ」が巣を作っているとのこと、クマゲラは最も大きなキツツキだそうです。
それでも、チミケップホテルに着くころには、周囲は静寂の世界です。電話は通じず、テレビも地上波は見ることができません。久しぶりに忙しい日常とはお別れです。テラスに出て、くつろいでいると、昨年同様、都会の垢がみるみる落ちてゆきました。
夕暮れ時から始まったディナーは、北海道の食材を巧みに使い、それにフランス料理のご馳走のフォアグラ、トリュフを組み合わせ、人里離れた森の中にいることを忘れさせる夢心地のフルコースを堪能いたしました。
食事が終わって、真っ暗闇の戸外に出て、見上げると今夜は満天の星です!北斗七星、カシオペア、それに流れ星。人工衛星までしっかりと見えました。この星空を見るだけでも、チミケップへやってくる価値があるのではないかしらん。
翌日は、オホーツク海の常呂までレンタカーを飛ばし、サロマ湖の帆立貝の養殖を見学させてもらい、さらには、網走まで足を延ばしました。「網走監獄」では玄関で記念撮影のみとし、「オホーツク流氷館」でオホーツクの海を眺めながらひと休みです。
1泊ではもったいないので、今回も2泊しましたが、網走からチミケップへ戻る途中、湖畔のキャンプ場近くで、蝦夷鹿にもキタキツネにも出逢いました。まるで、自然動物園ですね。熊だけには出逢わずに済みました。
2日目のディナーも、昨日にまして素晴らしいフルコース、同じ料理がひとつとして出てきません。
満天の星も2日連続の幸運です。
翌日は、昼にシーフードカレーをいただき、テラスのハンモックで昼寝し、名残を惜しみながらチミケップを後にし、女満別空港へと向かいました。
今度は、冬のチミケップの雪景色を観に来ることにいたしましょう。
*次回は京都です。
■「チミケップホテル」 PHOTO/MASUHIRO YAMAMOTO
![]() |
![]() |
![]() |
ホテルの湖畔にて妻の美穂子と | テラスにはリスが顔を出す |
都会の喧騒を忘れる静寂の世界 |
![]() |
![]() |
|
子羊のロースト |
アスパラガスと時鮭 |
■「 網走 」 PHOTO/MASUHIRO YAMAMOTO
![]() |
![]() |
|
「網走監獄」の玄関で記念撮影 |
網走のオホーツク流氷館にて購入 |
■「 常呂・サロマ湖 」 PHOTO/MASUHIRO YAMAMOTO
![]() |
![]() |
||
サロマ湖の帆立貝の養殖 |
常呂港の土産センターにて購入 |
|
*この連載は毎月25日に更新です。次回は京都へ。