自転車で巡るニッポン麺の旅。

自転車で巡るニッポン麺の旅。

#05

東中野〜新宿ラーメン巡り

文と写真・高山コジロー

 

 

 

 

 

東中野、新宿御苑、南新宿へ

 

 

緊急事態宣言が解除されたのを受けて自転車de麺旅を再開する。まだまだコロナ禍は続き、ソーシャル・ディスタンスに注意しての麺巡りになる。1月8日からステイホーム、埼玉の実家で冬眠(笑)。2カ月間ほとんど自転車に乗っていない。今回は片道30キロ、のんびり走って2時間ほどの東京・東中野、新宿のラーメン店に。リハビリ&ダイエットには、ちょうどいい。

 

 

 

開店に間に合うよう朝9時に出発。埼玉から東京に入るには荒川を越える必要があり、さいたま市から国道17号線をひたすら走り戸田橋を渡るのだが、交通量も多く味気ないルートだ。
アプリ「自転車NAVITAIME」で検索すると中野へは笹目橋を抜ける方が早く、橋の直前まで裏通りを走ることができる。40年前に卒業した母校を通り抜けて、ほぼ住宅街をゆっくり走行。自転車には最適の春の陽気だ。だが電動自転車なのにペダルは一向に進まず、30分も走ると息切れ。コロナ禍で劇太り80キロオーバー、結構キツイ(笑)。50分もかかりやっと笹目橋に到着。

 

 

 

 

橋を渡ると板橋区に。高島平を抜けると交通量の少ない裏道ルートに入り、緑豊かな板橋区立美術館近くで最初の休憩。その後ペースがあがり快調な走りに。下赤塚駅を抜けると練馬区桜台、江古田と順調に通過し、豊島区東長崎、新宿区落合をすぎ中野区に入る。2時間以上かけて東中野の「メンドコロ キナリ」に到着。開店時間はとうに過ぎてしまい、すでに10人以上並んでいる。店頭には駐輪できないので、駅東口に隣接する自転車駐輪場に。

 

 

 

 

 

「メンドコロ キナリ」@東中野    特製 濃口醤油

 

 

初めての訪問となる「メンドコロ キナリ」は東中野駅東口から徒歩1分。カフェ風の外観は、行列がなければラーメン屋とはわからず通り過ぎてしまいそう。
メニューは「濃口醤油」「塩」「山椒 白醤油」に季節限定の「鶏白湯」。280円で豚ロース、鶏肉、鴨肉、味玉がプラスになる「特製 濃口醤油」(1080円)と「たきこみご飯」(200円)を注文する。カウンターとテーブルの小さな店内には醤油のいい香りが溢れる。

 

 

醤油香るスープを啜る。鶏ベースに節、昆布など魚介系で醤油がマッチした上品な味わい。濃口といってもスープは淡麗でマイルド、旨みがジワっと広がる。
中細麺のストレート麺は、コシがあり歯触りもよくスルスルといける。スープと絡み相性がいい。

 

 

豚ロースと鶏胸のレアチャーシューは、スープに絡めるといい塩梅。特製はさらに3種のチャーシューと味玉が別皿で提供される。別皿だとスープが冷めないのがいい。特製にだけ添えられる鴨ロースは食感よく噛むと肉の旨みが溢れる。
「たきこみご飯」にも、ゴロっとした角切りチャーシューのトッピング。想像以上に肉尽くしになってしまった。

 

バランスよく上品で大人の味わいの一杯。
おいしかったです。ごちそうさま。

 

「メンドコロ キナリ」/東京都中野区東中野1-51-4 大総ビル 1F

 

 

 

東中野を後にし、4キロほど20分で新宿に到着。新宿3丁目の公共の自転車駐輪場に止め、そこからは歩いて新宿御苑の「SOBA HOUSE金色不如帰」に向かう。
ミシュランに掲載されてからは、あまりの大行列に躊躇してしまい、2年ぶりの訪問になる。
午後遅めのため、それほど長い並びではない。店頭には周辺路上への自転車駐車禁止の張り紙がある。路地裏の店舗で、コロナ禍ということもあり、迷惑な駐輪が多いのだろう。「自転車は公共の駐輪場に止める」。自転車de麺旅で、もっとも気をつけていることだ。

 

 

 

「SOBA HOUSE金色不如帰」@新宿御苑前    真鯛と蛤の塩そば

 

それでも1時間ほど待っただろうか。店内はオープン当初と変わらずに綺麗でソーシャル・ディスタンスも保たれている。「真鯛と蛤の塩そば」(950円)に味玉(100円)を注文する。

 

 

熱々のスープを啜る。芳醇な香りが鼻をくすぐり、塩味強めでインパクトのある蛤出汁に五感がまず刺激される。そして真鯛の旨みがじわじわと広がり溢れ出す。なんとも貴賓のあるスープで素晴らしい。

 

自家製の全粒粉入りのストレート細麺はしなやかでコシがあり、スープとの絡みも抜群によく好相性だ。

 

 

ポルチーニ、インカベリー、パンチェッタビッツ、白トリュフオイルなど、トッピングされた特製ソースをスープに少しずつ馴染ませると酸味、旨み、香りが膨らみさらなる高みに。微妙な変化を味わいたいところだが、手が止まらずあっという間に完食してしまう。豚ロースの低温チャーシュー、穂先メンマ、味玉のバランスもいい。

 

スープ料理の極みここにあり。
最後の一滴まで、おいしかったです。
ごちそうさま。

 

 

「SOBA HOUSE金色不如帰」/東京都新宿区新宿2-4-1 第22宮廷マンション 1F

 

 

 

 


「楢製麺」@南新宿    醤油

 

 

新宿3丁目のカフェでしばらく休憩し夕方に移動。新宿駅南口の「楢製麺」に5、6分で到着。しかし、新宿駅南口周辺で駐輪場がまったく見つからず、代々木駅近くの駐輪場に入れる。代々木駅からも歩いて4、5分ほどだ。
メニューは「醤油」「塩」「鶏白湯」。無添加、化学調味料不使用のスープ。特徴的なのは麺にかんすいを使っていない。打ち立て、切り立てで茹で時間はわずか15秒。店の説明によると、ラーメンと言い切れず、うどんの進化系ととらえているということだ。全種類食べている中でお気に入りの「醤油」に味玉を追加する。6席ほどのカウンターだけの店内で、10分ほどで提供される。

 

 

中央に大きな筍が目を引き、あとはネギのみ。黄金色のスープにきれいな麺線で食欲がそそられる。
スープを啜ると芳醇な醤油の香りがふわっと広がり、雑味のない鶏の凝縮された旨みと醤油のバランスが素晴らしい。信玄鶏・大山鶏のもも肉、手羽先、ガラでたいた出汁と羅臼昆布の出汁に天然醸造醤油と生醤油を合わせたこだわりのスープに納得。

 

 

ラーメンとは違う独特の食感のストレート細麺と鷄の旨み溢れるスープのバランスが秀逸だ。
シャキシャキの筍、レモン色の黄身がトロリの味玉もコクがあり旨い。

 

 

余分なものを省いた、シンプルな麺料理の極み。
おいしかったです。ごちそうさま。

 

「楢製麺」/東京都渋谷区代々木2-26-2 第2桑野ビル

 

 

帰りは夜間走行になってしまい、視界が悪く、車道、歩道ともに非常に走りづらい。安全運転に徹し3時間もかかってしまった! 
トータル60キロ走ったのだが、体重はさらに増え生涯最高体重を更新中(笑)。

 

さて次回、どこに行こう。4月掲載予定です。

 

 

 

 

 

高山コジロー

編集者・旅人・たまにバーテンダー。大学卒業後、出版社にて男性ファッション誌、女性ファッション誌、漫画誌、トラベル誌、フリーマガジンなど25年に渡り20誌ほど編集長として携わる。現在は11歳の白黒の雄猫と暮らす気ままな旅人。JALの生涯搭乗数305回・2017-2021サファイア会員。忘れられぬ旅はJALファーストクラス(特典航空券)で行ったパリ一人旅。世界中の酒と旨いものに目がない「食いしん坊」ある。特に麺好きで2019年、日本各地で265杯を完食。2017年「マイル修行&麺の旅」、2019年「飛行機に乗って麺の旅」をTABILISTAにて連載。本編はその続編にあたる。Twitter/コジローKojiro(@takayama_kojiro)

 

 

 

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