旅リスタ×食べリスタ

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#03

日本酒③:コロナ禍、寺田本家の日本酒と

文と写真・編集Ⅰ

 

 

 

 私が住まう中野に有機野菜や自然食を販売しているビーンズという店がある。昔ながらの八百屋風な佇まいのその店では、他店では滅多にお目にかかれない商品がさりげなく並べてある。ある時、その店でお宝を発見した。寺田本家という千葉県神崎町にある酒蔵の日本酒だ。
 無農薬米を使ったり、伝統的な手作りでの酒造りを貫くこの酒蔵では、微生物たちとの共生、発酵とは何かを徹底的に追求している。その真剣な自然酒造りの姿勢は、神崎町を町おこしを考える地方自治体から視察がくるほど全国的に有名な「発酵の町」へと変身させた。
 実は、私は数年前にこの町を訪れ、寺田本家に行って、併設してあるカフェで発酵スイーツを食べ、酒や発酵食品などを買って帰ったことがある。ハッピーな時間だった。が、なかなか簡単に行ける場所ではなく、再訪することはなく時間が過ぎていた。
 その寺田本家の日本酒と近所の店で思わぬ「再会」。寺田本家の酒が普通の酒屋にあったら、秒でなくなるはず。それがこの店では、いつ行っても販売されているのだ。酒好きの人々にバレていないのだろう。
 コロナ禍の影響で、外で飲酒する機会も減った昨今、自宅で過ごす週末は、この店に足を運び、身体に良さそうな珍しい自然食品や野菜を買って、寺田本家の日本酒を購入するのが定番の過ごし方となった。

 

 

ビーンズで販売されている日本酒は寺田本家の日本酒のみ。写真左から、鎌倉時代の仕込みを再現した甘酸っぱい酒「醍醐のしずく」、寺田本家の自然酒作りの原点となった純米酒「五人娘」、あえての低精白で強いくせが持ち味の純米酒「香取」、玄米甘酒入りでマッコリのような「ニコニコにっごり」。

 

 

 ちなみに自宅で日本酒を飲むときは、葉物の胡麻和え、発酵食品、刺身、焼き魚を合わせることが多い。器も替えながら器による日本酒の味わいの違いを楽しんでみたり。六角精児の「呑み鉄本線・日本旅」の録画を観ながら飲めばさらに完璧。
 コロナの収束には時間がかかりそうなので、この週末スタイルはまだまだ続いていきそうだ。

 

 

寺田本家の食品も見つけたら買ってしまう。写真は血糖値を下げる働きがある菊芋を酒粕に漬け込んだ菊芋粕漬け。コリコリとした歯応えがあり、中までしっかり酒粕の味がしみ込み、日本酒との相性抜群なつまみだ。

 

外国人客も多い神楽坂「ふしきの」の店主・宮下氏が世界中の誰もが美味しく日本酒を楽しめるようと開発した器「asobi sake ceramics」。3種ごとに酸味や甘味の感じ方が変化し、面白い。

 

 

 

*高山コジローさん→タビリスタ編集長→編集Ⅰへと続いた次回のリレーエッセイ(テーマ:日本酒)は、ローマ在住の田島麻美さんへ。

 

 

 

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