チョン・ウンスクさん訳の注目の新刊が発売!!

「TABILISTA」の人気連載「韓国の旅と酒場とグルメ横丁」の著者、チョン・ウンスク(鄭銀淑)さんが翻訳を手掛けた書籍が発売になりました。

タイトルは『サムスングループ 李健煕の言葉』です。

 韓国最大の財閥企業サムスングループの二代目会長、故・李健煕(イ・ゴンヒ、昨年10月に死去)の発言、語録をまとめた書籍『李健煕の言葉(原題)』(韓国、スターブックス社刊)を、日本語版として翻訳、刊行したものです。

 李健煕は1987年に創業者である父の死去を受け、サムスン(当初は三星)グループ会長に就任。グループ主要会社のサムスン電子を、半導体やスマートフォンのジャンルで世界的なシェアを誇るグローバル企業に成長させました。サムスンのスマートフォン「Galaxy(ギャラクシー)」シリーズは、現在も世界シェア第一位を誇り、アップルの「iPhone」シリーズを抜いています。

 デジタル時代の中心で二十一世紀を牽引した人物として、李健煕はアップルのスティーブ・ジョブズと比較されます。しかし、李健熙にはスティーブ・ジョブズも持っていない長所がもう一つありました。経営者の備えるべき五つの徳目「知る(知)、行う(行)、人を用いる(用)、教える(訓)、評価する(評)」を提示し、これを実践した点です。李健煕のビジネス哲学がこめられた言葉の数々は、コロナ禍で時代が急速に変化を迎えている今だからこそ、世代や国境を越えて、人生の指標や座右の銘となることでしょう。

 翻訳を担当したチョン・ウンスクさんは、TABILISTAの連載でもお馴染みのソウル在住の紀行作家です。『美味しい韓国 ほろ酔い紀行』をはじめ、多くの著書がありますが、訳書も多数手がけていて、『シルミド』『宮廷女官チャングムの誓いのすべて』『ボクが捨てた北朝鮮生活入門』(幻冬舎)、『秘伝金日成の長寿健康法』(東洋経済新報社)、『家庭で作れるチャングムの韓国宮廷料理』(光文社)、『韓流Sライン ボディメイキング』(池田書店)などがあります。本書は、李健煕の発言、語録をまとめた書籍『李健煕の言葉(原題)』(韓国、スターブックス社刊)を、日本語版として翻訳編集したものです。

 

 


『サムスングループ 李健煕の言葉』
 [編著]ミン・ユンギ [訳]チョン・ウンスク
四六判・224p
定価 1650円(税込)
発行 双葉社

 

世界的電子製品メーカーがいかにして成長を遂げたか
サムスングループ・李健煕の言葉を読み解く

 昨年10月に逝去した韓国最大の財閥企業サムスングループの二代目会長、故・李健煕氏は、1987年に創業者である父の逝去を受け、サムスン(当初は三星)グループ会長に就任。グループ主要会社のサムスン電子を、半導体やスマートフォンのジャンルで世界的なシェアを誇るグローバル企業に成長させた人物です。

 多くの日本人が知らないことですが、衰退著しい日本の電機メーカーとは対照に、サムスンは2000年代以降著しく成長を遂げ、今やパナソニックとソニーの売り上げを足してもサムスンに及ばないのが実情です。

 韓国の一企業に過ぎなかったサムスンが、なぜ、ここまでグローバルな成長を遂げたのか。韓国で刊行され、この度日本語版が出版された書籍『サムスングループ 李健煕の言葉』から、その革新的な経営戦略やビジネス哲学を読み解くことができます。同書からいくつか李健煕氏の言葉を紹介しましょう。

 

「デザインが勝負を決める」(1993年)

「国民全員が無線端末を持つ時代が訪れる」(1995年)

「二十一世紀は知的資産が企業価値を決める」(1996年)

 李健煕は1990年代に、21世紀がデジタル時代になることを確信し、携帯電話やスマートフォンの開発に力を注ぎました。当時から「デザインのようなソフトウェア的な創造力が、企業の大切な資産であり、21世紀の企業経営の決定的な武器になる」と、物を売るだけではなく、デザインの重要性についても説いていました。そして現在、サムスンのスマートフォン「Galaxy(ギャラクシー)」シリーズは世界シェア第1位を誇り、アップルの「iPhone」のシェアを抜いています。

 

「半導体事業は我が民族の才能と特性にぴったりの業種だ」(1997年)

 この発言から20年余り過ぎた現在、サムスン電子の半導体の売り上げシェアはインテルに次ぐ世界第2位を誇っています。1997年当時、「箸文化圏のため手先が器用であり、靴を脱いで生活するなど、住生活において清潔さをきわめて重視する。このような文化が半導体生産にとても適している」と語り、様々なチャレンジを惜しまなかった結果が、現在の成功につながっているのです。

 

「働く場所は会社だけではない」(1993年)

 「タイムカードなんて押さなくていい。タイムカードなんてなくしてしまえ。家でもど、どこでも、考えさえすればいい」と、1993年の時点で語っていた李健煕。まさに今のテレワーク、ワーケーションを予言しているかのようです。

 

「過去の成功は忘れなさい」(2013年)

「時代遅れのものは、ためらうことなく捨てろ」(2014年)

 21世紀に入り、グループが韓国一の巨大財閥に成長を遂げても、李健煕は「挑戦して、新たな成長の道を切り開く、未来を担う新事業を見出さなければならない」「変化の主導権を握るために、市場と技術の限界を突破しよう」と語り続けます。そして「自由に想像し、思う存分、挑戦しよう」と、次世代へメッセージを託しました。