台湾の人情食堂
#99
食べ歩きのコツと美味しい店探しの法則〈後編〉
文・光瀬憲子
前回#98に続き、台湾旅行の初心者でも実践できる「食べ歩きのコツ・美味しい店の法則」の後編をお教えしよう。
法則4:早起きして店を探す
台湾旅行では毎朝早く起きたほうがいい。
朝は美味しいものに遭遇する確率が高い。台湾は一年を通して暑い日が多いので、気温が上がる前の早朝に動き出し、昼間はホテルに戻って昼寝をするぐらいがちょうどいいのだ。
早起きしたら、朝市に行ってみよう。台北市内だけでも無数の朝市があり、朝市にはかならずと言っていいほど美味しい朝ごはん屋さんがある。特におすすめなのが台北市内のMRT淡水線雙連駅にある雙連市場だ。
ここは青空市場で、美味しい朝ごはん屋さんがたくさんある。店は雙連駅の北側にある文昌宮のある通り沿いだけでなく、路地裏にも潜んでいるので、時間をかけて歩き、気に入ったものを少しずつ食べ歩いてみよう。
雙連朝市以外にも、ホテルのフロントで近くの朝市の場所を聞いて散歩がてら訪れてみるのもいい。
艋舺の梧州街で週に3日ほど現れる牛すじスープの朝ごはん屋台。運がよければ牛肉と野菜がたっぷりのやさしいスープが飲める
雙連朝市のはずれにある朝粥店。通勤や通学前に立ち寄る地元民が多い
法則5:大より小を選ぶ
食べたいものを少しずつ。これが台湾で食べ歩きをするときのコツだ。
台湾の食堂ではメニューで「大」と「小」を選べる場合が多い。こういうときは迷わず「小」を選ぶことをおすすめしたい。2〜3人で訪れる場合でも、何品か「小」をシェアすれば、次の店のために満腹セーブができる。
麺やご飯は大・小いずれかのサイズが選べることが多い。小がある場合は小を頼もう
法則6:酒はガチョウ、海鮮、鍋の店で
台湾では美味しい食事ができる場所に、かならず酒があるとは限らない。夜市で唐揚げを食べても、その場でビールは飲めないと思ったほうがいい。日本の人はホルモンというとお酒を連想する人が多いが、台湾の美味しい豚モツの食堂には、酒が置いていないことのほうが多い。
では、どうしたらよいのか? 手っ取り早いのは持ち込みだ。コンビニにはビールをはじめ、さまざまな種類の酒が揃っている。それを夜市や食堂に持ち込むのだ。もちろん、酒がある店では不可なので、まず店の人に「ビールありますか」と聞いて、「ない」と言われたら「買ってきて飲みたい」と伝えるといい。夜市の混雑店などは飲酒ができない場合も多いが、たいていの食堂はよほど混み合っていなければ酒の持ち込みを大目に見てくれる。
一方で、酒が置いてある確率が高い食堂もある。ガチョウ肉(鵝肉)や海鮮を扱う店、そして鍋の店だ。店頭にガチョウがぶら下がっている店には酒がある可能性が高い。そして、海鮮や鍋の店は大型店が多く、ビアホールのようにワイワイやりながら大勢の仲間と飲むスタイルが多い。
台北遼寧街夜市は海鮮やガチョウ肉を扱う店が多く、どこもビールやその他の酒類が置いてある
一杯やりたかったらガチョウ肉(鵝肉)の店を探そう!
夜市の店に持ち込ませてもらったビール。他店の料理の持ち込みがOKな店も少なくない
*双葉文庫『ポケット版 台湾グルメ350品! 食べ歩き事典』が好評発売中です。旅のお供にぴったりの文庫サイズのポケット版ガイド、ぜひお手にとってみてください!
発行:双葉社 定価:本体648円+税
*単行本『台湾の人情食堂 こだわりグルメ旅』が、双葉社より好評発売中です。ぜひお買い求めください!
定価:本体1200円+税
*本連載は月2回(第2週&第4週金曜日)配信予定です。次回もお楽しみに!
![]() |
著者:光瀬憲子 1972年、神奈川県横浜市生まれ。英中日翻訳家、通訳者、台湾取材コーディネーター。米国ウェスタン・ワシントン大学卒業後、台北の英字新聞社チャイナニュース勤務。台湾人と結婚し、台北で7年、上海で2年暮らす。2004年に離婚、帰国。2007年に台湾を再訪し、以後、通訳や取材コーディネートの仕事で、台湾と日本を往復している。著書に『台湾一周 ! 安旨食堂の旅』『台湾縦断!人情食堂と美景の旅』『美味しい台湾 食べ歩きの達人』『台湾で暮らしてわかった律儀で勤勉な「本当の日本」』『スピリチュアル紀行 台湾』他。朝日新聞社のwebサイト「日本購物攻略」で訪日台湾人向けのコラム「日本酱玩」連載中。株式会社キーワード所属 www.k-word.co.jp/ 近況は→https://twitter.com/keyword101 |