琉球島猫百景
#41
〈特別編〉島猫黄金言葉〈1〉
写真・仲程長治 文・シマネコキネマ
ウィズコロナ時代を生きる、島猫たちからのメッセージ
誰かに指示されなくとも、この絶妙な距離感
人間界はもちろん、島猫たちの環境にも大きな変化の波が訪れた2020年。
人間たちが外出を自粛していた春は、お腹が空いていたのだろうか、いつもはそっけない野良猫たちも愛嬌を振りまいて足元に寄って来た。
夏になっても人出が戻らず、ゴーストタウンのようになった町には、行動範囲を広げたのか、見慣れない野良猫たちも増えていった。
秋になり、いつもの賑わいが少し戻ってきた町で、島猫たちはいつものように仲間との距離感を完璧に保ちながら暮らしている。
環境が変わっても、彼らの生き様は何も変わらない。
しなやかに環境に順応して、いつでも自然体で生きている。
環境の変化に右往左往してしまう私たち人間は、いつも島猫たちから学ぶのだ。
今日もたくましく生きている島猫たちへの敬意を込めて、島猫黄金言葉をお届けします。
肉球で大地を感じているから、何があっても僕らはブレにゃいのだ
ひとりの時間が最高のぜいたく。誰よりもまず自分のことを大切にするんニャ
世の中はグレーゾーン。僕らの毛色は黒も白もミケもキジもある。
白黒はっきりさせなくてもいいんじゃニャい
天から預かったいのちが今日も生かされていることに
ありがとうニャ
状況をいち早く察知して、ヤバいものには近寄らない、すぐ逃げる!
それがいのちを守る掟ニャ
昨日のことはもう忘れた。明日のことはわからない。
「今」だけを感じて、「今」を楽しむ。だから僕らは悩まニャい
*日本全国で「さくらねこTNR」の活動を広げている公益財団法人どうぶつ基金の新作絵本冊子「さくらねこ」の制作をシマネコキネマが担当しました。以下よりぜひ、e-bookをご覧ください。
https://www.doubutukikin.or.jp/sakuraneko_ebook/HTML5/pc.html#/page/1
*シマネコキネマの公式インスタグラム(今日の「ニャンくるにゃいさ」配信中)
https://www.instagram.com/shimanekokinema/
*本連載は毎月22日(=ニャンニャンの日)に配信予定です。次回もお楽しみに!
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仲程長治(なかほど ちょうじ) 1959年、石垣島生まれの写真家、アーティスト。2018年に完成した島猫映画『Nyaha!』が初監督作品。現在、イリオモテヤマネコの島、西表島を舞台にした映画『Us 4 IRIOMOTE』を撮影中。 |
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シマネコキネマ 沖縄を拠点に活動するメディアファクトリー。島猫映画『Nyaha!』の企画・制作、『琉球島猫百景』のコンテンツ制作などを担当。沖縄の猫メディアでつくる「島猫力向上委員会」のメンバー。 |