料理評論家・山本益博&美穂子「夫婦で行く1泊2食の旅」
#28
シンガポール
シンガポール最高峰のレストラン
「ANDRE」「Joel Robuchon」「CANDLENUT」を訪れる
■2月に閉店したレストラン「ANDRE」へ
シンガポールのシンボル、マーライオンは時々「化粧直し」でお休みするらしい。昨年同じ時期に出かけたときは、像がシートで覆われていましたが、今年はいつものように口から元気に噴水です。やはり、マーライオンがいないとシンガポールへ来た気がしません。
さて、今回はある旅行会社(JTB)のツアーコンダクターになってのシンガポールのワーキングホリデーの旅であります。仕事ですから家内を同伴しておりません。
第1の目的は、レストラン「ANDRE」です。昨年暮れ、2018年2月に店を閉めてしまうとインターネットで告知したところ、世界中から予約が殺到しました。それでなくとも予約が困難の店ですが、ツアーを企画したのが昨年秋、それが功を奏して、8名ものグループがシェフズテーブルで食事をいただくことができました。「OCTAPHILOSOPHY」という8つのテーマを持った料理が出てくるテイスティングメニューは、アンドレ・チャンシェフのアイデア満載の料理とデザートで、時間を忘れて楽しみました。
もうひとつのお楽しみは「Joel Robuchon」です。世界に展開している「ジョエル・ロブション」ですが、シンガポールにもあり、セントーサ島のレストランは「ミシュラン」シンガポール篇で唯一3つ星に輝いている店です。
昨年秋から、シェフが交替し、新しいシェフはフランス国籍の韓国人。ロブションの信頼を得て、「清潔・繊細・優美」なロブションスタイルのフランス料理を展開しています。テーブルを囲んだ皆さんも大満足でした。
最後に出かけた「CANDLENUT」は、プラナカン料理が売り物のレストラン。プラナカンとは、マレー系と中華系の混在を示す言葉だそうで、シンガポールならではの郷土料理と言えばいいでしょうか?
中華にインド料理の香辛料が添えられた料理の印象で、とても馴染み易いアジアンテイストでした。
あとは、来る度に訪れる中国料理の「利苑LeeGarden」インド料理の「SHISHMAHAL」チキンライスの「文東記」で、どこも安心してご案内できる店ばかりです。
ツアーに欠かせないのは観光ですが、今回は天気にも恵まれたので動物園まで足を運びました。そこにいましたのがパンダです。東京では赤ちゃんが生まれて大騒ぎですが、シンガポールの動物園では、我々以外に誰もおらず、パンダを独り占めしました。
「ANDRE」のアンドレ・チャンは故郷の台湾へ戻って店を開くそうです。この店が無くなってしまうと、私のシンガポールツアーも半減してしまうかもしれません。
■「ANDRE(アンドレ)」 PHOTO/MASUHIRO YAMAMOTO
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シェフのアイデア満載の美しいデザート |
アンドレ・チャンシェフ |
■「 ロブション」 PHOTO/MASUHIRO YAMAMOTO
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ロブションのDNAを受け継ぐ繊細で優美な料理 |
シンガポール唯一のミシュラン三つ星レストラン |
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■「CANDLENUT」 PHOTO/MASUHIRO YAMAMOTO
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香辛料の効いたアジアンテイストの料理 |
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シンガポール伝統のプラナカン料理「CANDLENUT」 |
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ホテルの客室からベイサンズの眺め |
化粧直しされたマーライオン |
シンガポール動物園「リバーサファリ」のパンダ |
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*この連載は毎月25日に更新です。次回は香港へ。