料理評論家・山本益博&美穂子「夫婦で行く1泊2食の旅」
#25
パリ(後編)
パリの日曜日、月曜日のレストラン選び
パリで一番お気に入りのお土産は「生ハム」
■日曜日は、プーレ・ロティ専門店「LE COQ RICO(コクリコ)」へ
パリに出かけて、食事で困るのは、日曜日です。私が出かけたいと思うレストランのほとんどは土曜日曜か日曜月曜が休みです。
5年ほど前に、年中無休で美味しい店を見つけました。それが「LE COQ RICO(コクリコ)」です。
プーレ・ロティ(鶏のロースト)専門店で、ブレスをはじめ名産地の鶏を揃え、ほろほろ鳥までメニューに載せています。一羽を二人で召し上がる食いしん坊を見受けますが、私たち日本人なら4人でいただくのが最良ですね。
はじめに、ミネストローネ、野菜のスープをいただき、ブレス鶏をいただくときの付け合わせはフライドポテトです。季節のきのこ、セップ茸のソテーもメニューにあれば必ず注文します。皆で物も言わずに手づかみで鶏のローストを分かち合う美味しさは格別です。
店はムーランルージュの横の通りリュー・ルピックの坂道を上り詰めたあたり、かつてルノワールが描いたムーランドゥラギャレットの向かいにあります。
パリに着いたその晩にもよく出かけます。頭を使わずにいただけるご馳走はとても貴重なんです。
月曜の昼に出かけるのは、ジョルジュサンクフォーシーズンズホテルのメインダイニング「Le Cinq(ルサンク)」か、7区ロダン美術館前にある「Arpege(アルページュ)」です。
「ルサンク」は洗練されたクラシック料理で、ひらめにキャビアをたっぷりのせた一皿は現代最高の魚料理の一品です。グレープフルーツ3段活用形のデザートも傑作です!
「アルページュ」は野菜尽くしのコースで、アラン・パッサールシェフの自家菜園の野菜を使って、目を瞠る料理、デザートが登場します。このコースは昼のみのメニュー。どちらのレストランもミシュラン3つ星、いまパリで私の一番のお気に入りです。
では、私の一番のお気に入りのお土産といえば、スペイン産の生ハム。かつてはパリのチョコレートでしたが、ほとんどの店は日本へ進出していて、お土産としての魅力がなくなってしまいました。
ジョルジュサンクからホテルのプラザアテネに向かって歩いていく途中にある「Bellota Bellota(ベジョータ・ベジョータ)」は、スペインでも滅多にお目にかかれない逸品の生ハムで、真空パックにして買い求めます。
*次回は東京です。
■「LE COQ RICO(コクリコ)」 PHOTO/MASUHIRO YAMAMOTO
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見事な焼き上がりの鶏のロースト |
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手づかみで分かち合う美味しさ |
付け合わせにはフライドポテトを |
■「Le Cinq(ルサンク)」 PHOTO/MASUHIRO YAMAMOTO
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ひらめにキャビアをたっぷりのせた一皿 |
■「 「Arpege(アルページュ)」 PHOTO/MASUHIRO YAMAMOTO
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野菜尽くしの目を瞠る一品 |
自家菜園の野菜を使った鮮やかな一皿 |
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アラン・パッサールシェフと一緒に |
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■「Bellota Bellota(ベジョータ・ベジョータ)」 PHOTO/MASUHIRO YAMAMOTO
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その場で真空パックに |
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パリ8区「ベジョータ・ベジョータ」 |
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*この連載は毎月25日に更新です。次回は東京へ。