わざわざ飛行機に乗って、麺を食べに行ってきます。
#24
和歌山「有田の醤油ラーメン」
文と写真・高山コジロー
わざわざ飛行機に乗って、和歌山に麺を食べに行ってきました。
2019年、麺の旅も今回がラストとなる。
未訪の鹿児島、岡山、山口など候補地はあったが、和歌山県有田市にどうしても行ってみたいラーメン店があり、ラストは関空から和歌山へ向かう。
羽田からの関空へは今年初フライト。JALの搭乗は、今回の羽田-関空往復で49、50回。
JALマイレージ上級ステータス「サファイア会員」到達となる。
羽田-関空の先得運賃、12月の早朝便は7,720円。
新幹線の半額、深夜バスとも変わらず格安である。
飛行機データ
羽田-関空 07:10-08:40 JL221便(普通席)ウルトラ先得7,720円49搭乗
関空-羽田 21:15-22:25 JL228便(普通席)ウルトラ先得7,720円50搭乗
合計/15,440円(※宿泊費別)
2019年搭乗実績/JAL50回、ANA1回、天草エアライン1回
【今回のマイル】
●羽田-関空 通常マイルは「280」
フライトマイル: 284×75%(先得)=210マイル
ボーナスマイル:フライトマイル(210)×105%(サファイア会員)=221マイル
210+221=431マイル
合計:431+431=862マイル
羽田から関空へ
前回の石垣島同様、2週続けて眠らない新宿の街から、早朝羽田空港に向かう。
今回は出発まで時間の余裕があり、2019年最後となる羽田サクララウンジを堪能する。
まずは熱いシャワーを浴び着替えてから、ビールで一息。そして朝マック。
僕にとっては、なんとも至福の時間といえる。
金曜日の関空行き早朝便は、ほぼ満席だった。
関空へのフライトは、予定時間よりも早く着くことが多く、この日も15分ほど早く到着する。
「和dining清乃」角長醤油「匠」四重奏スペシャル 大盛@有田市
【飛行機に乗って麺の旅】157杯目
関空からはJRに乗り有田市を目指す。
和歌山へは2駅先の日根野駅でJR紀州路快速に乗り換えが必要。40分ほどで和歌山駅に到着。さらに紀勢本線に乗り換え、30分ほどで箕島駅(1,390円)に到着する。
箕島駅から有田川にかかる橋を渡り、川沿いをのんびり歩く。天気も良く、山に囲まれたのどかで風光明媚な土地だ。駅から15分ほどで、お目当ての「和dining清乃」に到着する。
まだ開店前だったが、すでに6、7人並んでいた。後から客がどんどん増え、列が長くなっていく。
11時の開店と同時にカウンター席に案内される。店内は意外に広く、開店前に並んでいた客はすべて入れた。店内は温かく、醤油のいい香りに包まれている。
和歌山駅前にある支店には2017年に訪れているが、本店は初めて。
メニューは醤油、紀ノ国地鶏の塩、こってり和歌山ラーメン、有田ブラック。
その中から、今回は和歌山ラーメンではなく、店の代名詞ともいうべき醤油ラーメンの特製「角長醤油「匠」四重奏スペシャル」(1,350円)を注文する。
和歌山の醤油といえば、有田の湯浅醤油が全国的に有名だ。中でも角長は創業170年の老舗。
創業以来変わらぬ蔵で、吉野杉の木樽を使って仕込まれる手作りの天然醤油は格別だ。
その角長の醤油を使ったラーメンに、真空調理された猪豚の炭焼き、黒豚もも炭焼き、イタリア産のドルチェポルコのバラ、紀州梅鶏ハム4種のチャーシュー、さらに肉雲呑がのる特製。
このメニューは支店にはなく、有田の本店のみということだ。
隣のお客さんは、チャシュー盛り単品と、さらに醤油と塩の2杯頼んでいた。
「ああ、それありだよな。」
僕は次の店へ移動し連食するのでさすがに控え、大盛(1.5玉)にしてしまった。
4種の大きなチャーシューで埋め尽くされた丼。中でも大きなレア猪豚チャーシューは一際の存在感。味玉もトッピングされ、なんとも豪華で可憐なスタイルだ。
まずはスープを啜る。脳の記憶にない芳醇で深い旨みが永遠に続くよう。
角長の濃厚で芳醇な醤油を使ったカエシのバランスが抜群にいい。
ああ、唸るほど旨い。
スープだけでなく、主役は自家製のモチモチの縮れ中太麺。
歯ごたえと弾力が素晴らしくスープと絡み一体感が絶妙なのだ。
さらに、さらに4種チャーシューが秀逸。
それぞれ製法、味わいが異なる。黒豚、ドルチェポルコ、梅鶏、猪豚と味、レア感、食感、香りが全て違い、それぞれ肉の旨みが凄い。
まさに肉宴、四重奏の奏で。中でも猪豚のチャーシューは濃厚で旨みが溢れる。
熱々のスープにチャーシューの脂が少しずつ溶けだし、スープの旨味も最高潮に達する。
肉雲呑、外はトロトロ、中はジューシーな肉餡がびっしりで旨い。
すべて非の打ち所のない。驚愕の醤油ラーメン。
スープも麺もたっぷりだったが、ペロリと完飲完食。
やはりもう1杯、別メニューを頼むべきだった、、、。
どうしても食べてみたかった醤油ラーメン。
おいしかったです。ごちそうさま。
「和dining清乃」/有田市野696/11:00~14:00/日・月曜日休み
「麺dining月乃家」鶏白湯ラーメン@和歌山 有田川町
【飛行機に乗って麺の旅】158杯目
再び箕島駅まで15分ほど歩く。箕島駅からJR紀勢本線で2駅ほど、藤並駅で下車(200円)。
交通手段はなく駅から25分ほど歩き、ホームセンター近く、街道沿いにある「麺dining月乃家」に到着する。
こちらは店名から察する通り「和dining清乃」がプロデュースした店ということだ。
運よく並ばずに入ることができ、カウンターに案内される。
メニューを見ると豚骨ベースのいわゆる和歌山ラーメンがメインのようだが、有田地産の梅鶏を使ったという「鶏白湯ラーメン」(750円)に惹かれ注文する。
お腹はまだ余裕があり、有田名物の「しらす丼」も頼む。
白濁したきれいなスープをひと口。
地産の鶏と和歌山の手作りの「稲むらの塩」を合わせたシンプルでまろやかな味わい。
少し塩味が強めながらも、雑味なく鶏本来の旨味と魚介の支えよく、ジワジワと旨味が襲ってくる。
ストレート細麺と上品なスープは好相性。
コラーゲンたっぷりで女性におススメの一杯だ。
サイドメニューの「しらす丼」が素晴らしい。本場有田のしらすは、やはり旨い。
おいしかったです。ごちそうさま。
「麺dining月乃家」/有田郡有田川町大字天満428-1/11:00~14:30 17:00~22:00/火、第2・4月曜日休み
再び駅まで25分ほど歩く。さすがに満腹で途中カフェでタバコ休憩をする。
藤並駅から40分ほどJR紀勢本線に乗り、和歌山駅に戻る(590円)。
「井出商店」中華そば@和歌山市「明石食堂」
【飛行機に乗って麺の旅】159杯目
夜は和歌山市内を散策。繁華街は和歌山駅(JR)と和歌山市駅(南海)、その両駅に挟まれた市役所周辺の3カ所。ふらふらと遠方まで飲み歩き、締めのラーメンとして、和歌山ラーメンを3軒ほどハシゴした。
和歌山駅から10分ほどの「井出商店」は、横浜のラーメン博物館にも長らく出店していた和歌山ラーメンのパイオニア。
夜遅くまで混み合い、店内は満席だった。メニューは中華そばのみ。
「中華そば」(800円)を注文する。
とろみのある濁ったスープは醤油と豚骨が強く、まさに和歌山ラーメン。
老舗の味わい。
「井出商店」/和歌山市田中町4-84/11:30~23:30/木曜日休み 「清乃 近鉄百貨店和歌山店」/和歌山市友田町5-18 近鉄百貨店和歌山店B1F/10:00~19:00
「清乃 近鉄百貨店和歌山店」丸鶏ブラック@和歌山市
【飛行機に乗って麺の旅】162杯目
朝10時、昨日の清乃さんの支店「清乃 近鉄百貨店和歌山店」を訪れる。和歌山駅前の近鉄百貨店の地下1階の食料品売り場内にある。カウンター8席ながら全国的にも珍しいデパ地下常設店舗だ。
スープや具材は、昨日訪れた本店からの直送なので本店の味がダイレクトに楽しめる。
メニューは醤油ベースに、こってり和歌山ラーメン、煮干しブラック、丸鶏ブラックの3種。本店とは微妙に異なるラインナップ。
朝ラーということもあり、「丸鶏ブラック」(900円)を注文する。
醤油と鶏の香りが豊か。まずは、まさにブラックな濃い色の清湯スープをひと口。
有田産の丸鶏の旨味、そして湯浅「角長」の醤油のまろやかな旨味が全面に出たコクのあるスープだ。
パキッとした自家製のストレート麺がスープと絡み、食感が素晴らしい。
刻んだ玉ネギの甘味、渋味、シャキシャキ感がたまらない。
デパ地下とは思えないハイレベルな一杯だ。
2017年に食べた本店のメニューにもある「こってり和歌山ラーメン」(800円)もオススメ。
どっしりした濃厚豚骨の和歌山ラーメン。
自家製麺の中太のストレート麺が、トロトロのスープを絶妙のバランスで持ち上げてくれ、極限まで凝縮された豚の旨味、「角長」の濃口な醤油の旨みが、口いっぱいに広がる逸品。
駅前にあり、朝10時から通しで19時まで営業しているので、和歌山駅に行った際は外せない名店だ。
2019飛行機に乗って麺の旅、162杯。これにてフィニッシュ。
おいしかったです。ごちそうさま。
「清乃 近鉄百貨店和歌山店」/和歌山市友田町5-18 近鉄百貨店和歌山店B1F/10:00~19:00
和歌山市役所周辺をぶらぶら散策する。日本の100名城に数えられる和歌山城に向かうが、途中、歩道でこけてiPhoneダイブ。液晶画面がヒビ割れて電源が入らず、携帯が使えない。
手を少し擦りむいたが、手より痛い!
なんと不便な。
地図アプリが使えず、どこにいるのか場所がわからない。
線路検索できないので、電車の時刻表、乗り換えがわからない。
スケジュール確認ができず、飛行機の出発時間は、、。
そして、写真が撮れない、、。
バス停を見つけて、和歌山駅前に戻る。「角長」の醤油をお土産に買い、早々に和歌山市内をあとにする。
JALマイレージ「サファイア」会員達成!
マイラーの終わりなき麺の旅
2019年、ラーメン中心に食べに食べた!
飛行機に乗って162杯。東京・埼玉で103杯。年間で265杯。
まさか50歳をすぎて、こんな体験をするとは、1月には思ってもみなかった。
訳が分からず始めたツイッターも、フォロワーが500人を超えた。
1月に福井から始まり、久留米、天草、尾道、福山、三原、松山、青森、山形、金沢、札幌、小樽、京都、三重、函館、大分、奈良、松本、小倉、久米島、大阪、香川、兵庫、石垣島、和歌山と飛行機に乗って全国162杯。
オヤジマイラーの終わりなき麺の旅、
2019年フィナーレ。
おいしかったです。ごちそうさま。
次回は、2019年麺の旅、総括。
2019年1月連載とともにツイッターを始めました。
フォロワー500人超えました。ありがとうございます。
2019年ラーメンを中心に蕎麦、うどん、265杯完食!
タカヤマコジローkojiro@takayama_kojiro
「飛行機に乗って、麺の旅」 ライブでつぶやき、
「飛行機に乗らない、東京麺旅」東京近郊での麺活をつぶやく。
*この連載は毎月第2第4月曜日に更新予定です。
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高山コジロー 編集者・旅人・たまにバーテンダー。大学卒業後、出版社にて男性ファッション誌、女性ファッション誌、漫画誌、トラベル誌、フリーマガジンなど20 年に渡り20 誌ほど編集長として携わる。現在は白黒の雄猫と共に気ままに暮らす。小学生の頃より極度の乗り物酔いだが、なにしろ飛行機が好きなので、生涯搭乗数は優に400回を超える。忘れられぬ旅はJAL ファーストクラス(特典航空券)で行ったパリ一人旅。酒好き、旨いものに目がない「食いしん坊」でもある。「KOJIRO(コジロー)」名義にて2017 年、『TABILISTA 』にてJALサファイア会員になるために年間50回飛行機に乗り、ついでに麺を食べに行く「マイル修行&麺の旅」を好評連載。本編はその続編にあたる。 |