料理評論家・山本益博&美穂子「夫婦で行く1泊2食の旅」
#10
陸奥鶴田・鶴の舞橋と八戸・種差海岸
青森の津軽と南部へ
おいしい食材を求めて
■和と洋、両方の風情を味わう
吉永小百合さんがJR東日本の駅貼りポスターに出ている1枚に陸奥鶴田の「鶴の舞橋」があります。夏休みに八戸へ出かける際に行って見ようと夫婦で出かけました。
まずは、東北新幹線で新青森まで行き、そこからリゾートしらかみ号に乗り換えて1時間で陸奥鶴田駅に着きます。このリゾートしらかみ号がヨーロッパタイプの列車でとても快適です。ボックスタイプのシートがお座敷にもなります。
鶴の舞橋は駅から車で10分ほど、人造湖に架けられた木橋で、平成になって造られたにもかかわらず、少し朽ちかけていて、情緒があります。遠景には津軽富士の岩木山が見え、ヨーロッパの空気を感じるような光景です。
この橋のたもとに「つがる富士見荘」という宿があり、ここに泊まりました。日帰りの温泉に立ち寄る観光客も多いそうです。
もし、鶴の舞橋だけ見て、近くの弘前に立ち寄るのであれば、フランス菓子の「アンジェリック」へ出かけてみてください。最上質のケーキをサロンでいただけます。夕食ならばイタリア料理の「オステリア・エノテカ・ダ・サスィーノ」、オーナーシェフの笹森さんが自らの手でワインもチーズも作ってしまう、稀有なイタリア料理店です。
さて、八戸ですが、市内から30分ほど車を走らせると種差海岸に着きます。天然芝の広がる風光明媚な海岸です。ここで、「たねさし天空ダイニング」というイベントがありました。そこに参加するために出かけていったのですが、魚介の豊富な八戸では、毎年2月3月、街中のフランス料理店、イタリア料理店がこぞってブイヤベースをメニューに載せます。これが「八戸ブイヤフェスタ」。このブイヤベースを、和洋二人の料理人が刺身と鍋に分けてメニューを組み立てたのが「たねさし天空ダイニング」のディナーでした。来年も開催するとのことで、ぜひとも出かけてみていただきたい東北ならではのイベントです。
このディナーでコラボしたのが、八戸の日本料理「七草」の伊東広通さんとフランス料理「ル・ムロン・デ・オワゾ」の小坂学シェフの二人。八戸に1泊して、ぜひとも2軒のお店に出かけてみてください。
宿泊は、チェーン展開している「ダイワロイネット八戸」がお薦め。清潔感は申し分ありません。
そして、泊まった翌日、日曜日であれば朝早くから港で市が開かれています。食料品から日用雑貨まで、大変な賑わいのサンデーマーケットです。
その後、新幹線で隣り駅の七戸十和田へでて、十和田市現代美術館まで足を延ばしました。建物、街並みまでが美術館になっていて、ユニークな作品を楽しみながら、ゆったりとした時間を過ごしました。
同じ青森と言っても、陸奥鶴田や弘前は「津軽」、八戸は「南部」で、気候風土がかなり違います。それを実感した二人旅でした。
■「鶴の舞橋」 PHOTO/MASUHIRO YAMAMOTO
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情緒溢れる鶴の舞橋 | 妻の美穂子と橋の前にて | 快適なリゾートしらかみ号 |
■「つがる富士見荘」 PHOTO/MASUHIRO YAMAMOTO
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鶴の舞橋のたもとにある |
■「種差海岸」 PHOTO/MASUHIRO YAMAMOTO
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広大な芝生が広がる種差海岸 |
■「たねさし天空ダイニング」 PHOTO/MASUHIRO YAMAMOTO
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「ル・ムロン・デ・オワゾ」の小坂シェフと「七草」の伊東シェフ | 吉次お頭煎餅、糠塚胡瓜 南部味噌添え | 天空ブイヤベース -和の吉次とフランスのスープ |
■「七草」 PHOTO/MASUHIRO YAMAMOTO
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新鮮で極上な食材 | ご主人の伊東広通さん | 和モダンな店内 |
■「ダイワロイネット八戸」
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八戸の観光の拠点に | ゆったりくつろげるデラックスツインルーム |
■「八戸朝市」 PHOTO/MASUHIRO YAMAMOTO
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港で開催される朝市 |
■「十和田市現代美術館」 PHOTO/MASUHIRO YAMAMOTO
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建物や街並みも美術館となっている |
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「馬」をモチーフにした十和田市の未来繁栄の象徴 |
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*この連載は毎月25日に更新です。次回は「北海道・津別」へ。