旅する&恋する! 韓国ドラマ
#05
Key(SHINee)出演『イン・ザ・ハイツ』横浜公演が始まる!
文・『韓国TVドラマガイド』編集部/梶原知恵 撮影・宮川舞子
『イン・ザ・ハイツ』東京公演より
新キャストも追加!? バージョンアップ上演に期待が高まる!
SHINeeのKeyやINFINITEドンウなど、多くのビッグアーティストが出演して話題を呼び、今夏、東京・Bunkamuraオーチャードホールにて上演された韓国版『イン・ザ・ハイツ』が、10月16日から11月4日までKAAT神奈川芸術劇場にて横浜公演が行われる。ラテン音楽やヒップホップに彩られた本作はもともと熱量の高い作品だが、10月の公演では、新キャストも加わって、ますますアツくバージョンアップ上演。否が応でも横浜公演に期待が高まる!
ブロードウェイ人気作を韓国版に昇華したイ・ジナ演出に拍手!
今年度のトニー賞で史上最多の13部門・計16ノミネーションし、そのうち11部門を受賞した超人気ミュージカル『ハミルトン』。『イン・ザ・ハイツ』は、『ハミルトン』の生みの親であり、今やブロードウェイのヒットメーカーとなったリン=マニュエル・ミランダの出世作である。
韓国で上演するにあたり、このビッグタイトルを迎えうったのは演出家イ・ジナ。『ジーザス・クライスト・スーパースター』や『ヘドウィグ』、最近では『ドリアン・グレイ』を演出して成功をおさめている、韓国ミュージカル界のトップ演出家だ。
各作品の個性を時に派手すぎるほど派手に、時に堅実すぎるほど堅実に演出する彼女だが、本作では“言葉の重要性”と“韓国らしさ”をテーマに演出。作品の細部まで観客に伝えるために、韓国ではあまりピンとこない停電の恐怖や黒人の暴動など、オリジナル版の一部エピソードを薄め、若者や家族の温かい人間ドラマにまとめ上げた。思い切った演出だが、深い情で紡がれた人間模様は、日本人が見ても温かい気持ちで劇場を後にできること請け合い! 希望を感じさせてくれる彼女の演出に、きっと拍手を送りたくなる。
多彩で個性的な音楽も、キャストも大きな魅力!
本作の舞台は、ニューヨークはマンハッタン北西部にあり、“ラテンハーレム”と呼ばれる中南米系移民が住むワシントンハイツという街。ここに暮らす若者たちの夢や挫折、恋、家族とのドラマを、サルサやメレンゲ、ヒップホップといった音楽にのせているところが本作の面白さだが、魅力はこれだけではない。芸能事務所S.M.エンターテインメントの舞台制作部門が主催しているだけあって、『イン・ザ・ハイツ』には人気実力ともに兼ね備えた人気スターが多く出演しているのだ。
例えば、主役のウスナビ役にはSHINeeのKey、INFINITEのドンウのほか、実父も実力俳優というチョン・ウォニョンと、国民的タレントのヤン・ドングンがクワトロ・キャストで出演! これだけでも豪華というのに、ウスナビの親友ベニー役にはINFINITEのソンギュとDouble S 301キム・ヒョンジュンも。そして、ウスナビの想い人、美容師ヴァネッサ役にはオ・ソヨンとJ-Min、ベニーの想い人には少女時代スヨンの姉であるチェ・スジンとf(x)ルナがそれぞれダブルキャストで出演する。グループ活動などで見せる彼らとはまったく違った姿を楽しめること間違いなし。また、各役ともにダブルキャスト以上なので、コンビネーションの妙も見逃せない。
ミュージカル俳優に成長を遂げたアイドルたちにも感動!
日本公演では、ところどころに日本語セリフも挟んだスペシャル演出も見もの。ラテンの明るい雰囲気にプラスして、日本語で冗談をいったり、突っ込んだりするので、プッと吹き出すような明るく楽しいシーンが展開される。とはいえ、主役を演じるウスナビ役のKeyは、演出とはいえ本作で日本語を使うことが怖かったと語る。
「ウスナビとして舞台に立ちたいのに、日本語を舞台で使っちゃうと、日本で舞台に立っているという意識が強まって、それがお客さんにもバレちゃうと思ったんです。だから怖くて…。でも、それは取り越し苦労でしたね。夏に行った東京公演の初日に、“あ、日本語を使っても全然、平気だ”ってわかりました(笑)」
加えて、日本でも韓国でも、舞台に立つときの意識についても話してくれた。
「みんな僕のことをSHINeeのKeyと知っていますが、舞台上ではSHINeeに触れたくないし、そう受け取られるのはイヤなんです。ウスナビの中にグループ活動しているKeyが顔を出すのは変ですからね」
演出家のイ・ジナは「この作品でKeyは俳優に目覚めた」と語っているが、インタビューでも役へのアプローチや作品への理解は俳優のそれと違わないものを感じさせた。彼と同じように、ほかのアイドルたちも、指導が厳しい演出家として知られるイ・ジナの愛のムチによって、ミュージカル俳優として大きく飛躍。すでにスターだけれど、本作の出演によりさらに実力を確かなものにした彼らの姿も、横浜公演の見どころだ!
●『イン・ザ・ハイツ』(韓国語上演、日本語字幕付)公演情報
原案・作詞・作曲:リン=マニュエル・ミランダ
演出・韓国語歌詞:イ・ジナ/音楽監督:ウォン・ミソル
振付:チェ・ヒョンウォン、キム・ジェドク
出演:ヤン・ドングン/チョン・ウォニョン/ドンウ(INFINITE)/Key(SHINee)、 キム・ヒョンジュン(Double S 301)/ソンギュ(INFINITE)、オ・ソヨン/J-Min、チェ・スジン/ルナ(f(x)) ほか
主催:S.M.Culture& Contents/Quaras
[日程]2016年10月16日(日)~11月4日(金)
[会場]KAAT神奈川芸術劇場
[公式サイト]http://musical-intheheights2016.jp/
[チケット料金]S席16,000円、A席11,000円、スペシャルシート25,000円(全席指定・税込)
[チケットお問合せ]ticket-info @quaras.co.jp
*本連載は月2回(第1週&第3週水曜日)配信予定です。次回もお楽しみに!
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