料理評論家・山本益博&美穂子「夫婦で行く1泊2食の旅」
#08
台北
香港にも負けない洗練の食レベル
2時間半で行く海外
■特別編 台北へ
台湾の台北まで「1泊2食の旅」をするのは、まったく不可能ではありません。毎日午前午後、羽田、成田から台北まで何便もフライトがあって、少し慌ただしい感じはありますが、無理をせずに旅をすることはできます。それでも、せっかく出かけるのであれば、なによりもったいない。というわけで、今回は、2泊4食の特別版です。
羽田から約2時間半で台北の松山空港に着きます。台北には、もうひとつ桃園空港がありますが、市内へ向かうのに、松山空港が断然便利です。台北には立派なホテルもありますが、食べる目的で出かける場合、今回宿泊先に選んだ「Sonnien Hotel」のようなビジネスタイプのホテルで十分ではないでしょうか?このホテル、どこへ出かけるにも便利ということで、台湾の友達が選んでくれました。
まず、最初の晩に出掛けたのは、その友達が予約し、案内してくれた会員制の「世界聯誼社」でした。この連載でご紹介するのは適当ではないのですが、台北で香港の味に負けない料理の数々だったので、書かずにおれなくなりました。その筆頭の料理が「北京ダック」です。妻の美穂子と、昨年、北京の「大菫」で素晴らしい「北京ダック」に出合いました。それに匹敵する出来栄えで、台北の料理のレべルが、ローカルからインターナショナルになってきたその典型に思えたのでした。
2日目の昼食は、一昨年出かけて感激した料理に再会したくて「都一處」を予約してもらいました。その料理とは、「葱パイ」です。正式の料理名は知りませんが、粉の旨味と葱の風味、甘みが渾然一体となった「粉もん」です。他に、台湾のローカルフードを楽しみました。この店、予約して出かけたほうが良いですが、混み合っている店ではありません。
さて、今回のハイライトは、予約のなかなか取りにくい「RAW」でした。台湾出身で、現在はシンガポールで「ANDRE」というレストランのオーナーシェフであるアンドレ・チャンが監修している台北一の人気レストランです。すでにシンガポールの「ANDRE」には出かけていて、そのビストロ版である「RAW」にもぜひとも出かけたかったのです。料理は、どれも食材が優れ、調理も的確、洗練されていて、つい、台湾にいることを忘れてしまったほどです。
さて、3日目、夕方の便を予約してあったので、昼食に小籠包で有名な「鼎泰豊」へ出かけ、小籠包はじめ、豆苗の炒め、スープ、粽などを食べました。その粽がシンプルで美味しかったこと!小籠包以上に感激しました。
観光は「故宮博物院」へ出かけましたが、あとは「FikaFikaCafe」でコーヒーを楽しみました。店主の陳志煌さんは2013年北欧で開催されたコーヒーのコンクールでエスプレッソや焙煎の部でチャンピオンになった方です。台北で、ぜひ、出かけてほしい1軒です。
■「世界聯誼社」 PHOTO/MASUHIRO YAMAMOTO
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色ツヤも良い全羽は迫力満点 | 料理人の手捌きも鮮やか |
■宿泊 「Sonnien Hotel」 PHOTO/MASUHIRO YAMAMOTO
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スタイリッシュなエントランス |
■「都一處」 PHOTO/MASUHIRO YAMAMOTO
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葱パイ |
■「RAW」 PHOTO/MASUHIRO YAMAMOTO
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アミューズグール(突き出し) | お店の前で妻、美穂子と |
■「鼎泰豊」 PHOTO/MASUHIRO YAMAMOTO
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店外まで賑わう本店 | 豆苗の炒め |
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シンプルで美味な粽 |
台湾本店で食べたい小籠包 |
■「FikaFikaCafe」 PHOTO/MASUHIRO YAMAMOTO
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モダンな北欧風のインテリア | 2013世界チャンピオンのエスプレッソ | 店主の陳志煌さんと |
*この連載は毎月25日に更新です。次回は「夏の京都」へ。