毎日、蒸し暑い日が続いて、食欲も落ちてさっぱりしたものを食べがちですが、こんな時期こそ夏の暑さに負けない身体をキープしたいものですね。
そんな暑い夏の夕刻に、昨今ブームの「ジビエ」を使った料理が提供される長野市主催のイベント『夏バテにこそジビエ! 夏バテだからこそジビエ!』があるというので行ってきました。
「長寿県」で知られる長野県。そんな健康食材の宝庫・長野市自慢のジビエとあんずを使ったオリジナル料理の数々を紹介します。
イベント会場入りし着席すると、ウエルカムドリンクのりんごのシードルと、写真のおつまみセットが一人ひとりに配られました。写真の左手にあるのは、長野市若穂地区で獲れたイノシシのチャーシュー。プロの猟師が捕獲から精肉まで適切に処理しているので、臭みもなく、でも野生の旨味がたっぷりとします。やわらかくてとてもジューシー。写真右上は若穂の鹿のしぐれ煮二種。鹿肉のすね肉を大和煮風に仕上げたそうです。ジビエが初めての人には色の薄い臭みのないもの、鹿らしさを堪能したい人は、色の濃い、ちょい臭みのあるものがおすすめです。初手からこんな美味しいなんて。期待が膨らみます!
スクリーンを使って関係者の方々から長野市のジビエや食材の魅力などが紹介されていきます。今回のメイン食材・ジビエである鹿肉や猪肉は、低カロリーでヘルシー、栄養価も豊富、そして長野市の特産であるあんずは、疲労回復・食欲増進によく効くということです。
オリジナルコースのスタートはオリジナルドリンク「あんジャムTEAソーダ」で。あんずの旨味が詰まったジャムをジャスミンティーと炭酸水で割ったそうです。ジャスミンティ―には、リラックス効果や殺菌作用のあるカテキンが含まれていて、そしてあんずはもちろんビタミン豊富な果物。甘酸っぱくて、食欲がないときにこれを飲むと、身体中がスカッと疲労回復しそうな爽快ドリンクです!
長野の人にとってはお馴染みなのですが、他の地域の人にとっては生のあんずを見かけることは滅多にないのでは(ドライフルーツではよく見かけますが)。写真は長野市のあんず畑。樹になっている姿もなかなかお目にかかれませんね。それにしてものどかないい風景! こんな環境で育ったあんずを食べていたら、健康になるに決まってる!?
次に出てきた料理は長野市産の野菜サラダにあんずドレッシングをかけたもの。アスパラガスだけは斜めに薄くスライスしさっと茹で、きゅうり、にんじん、ながいもはピーラーでリボン状にスライス、酢、オリーブオイル、醤油、塩、こしょう、甘酒、冷凍し細かく刻んだあんずをまぜ合わせて作ったドレッシング。酸味としてレモンではなくあんずを使用し、甘酒を加えることで優しい甘みと栄養がプラスされています。酸味と甘みのバランスも良く、食欲がないときでもいくらでも食べられそうな爽やかサラダです!
メインとして出てきた料理は、黒ビールを使った猪肉の煮込み。黒ビールを使うことで、猪肉が柔らかくなり独特のコクも出るので、一味違う味わいに。煮汁をたっぷり吸った丸茄子は、マスタードとすりおろしたナガイモと信州味噌をミックスしたものを塗り、洋風田楽に。ビタミンBを多く含む猪肉を使用した見た目も味わいもボリュームのあるメイン料理です!
シメとして出されたのは、なんとも珍しい料理。「鹿肉×あんずのラグーソース~えのきそばで~」。みじん切りにしたにんにく、玉ねぎ、あんず、丸茄子、ざく切にしたトマト、鹿ひき肉を炒めたものを(山椒や黒こしょうが効いてる)、茹でたえのきとそばにかけ、あんずの香りもするちょっと中華風な料理。そばと、鹿のひき肉なんて合うのかな?とちょっと不安に思っていたら、、、これがかなりのヒットでした。ラグーはスパイシーで肉を食べたという満足感も得られるけれど、そばとえのきがさっぱりしているから、たくさん食べても栄養満点なのに低カロリー。暑い夏の日のお昼ごはんにこれだけでもいけます!
スイーツとして出されたのは、「丸ごとあんずと甘酒のゼリー」。あんずが丸ごと一個入ったゼリー。ゼリーもあんずのシロップのみが使用されていています。白い部分は甘酒! アミノ酸を多く含み疲労回復には欠かせない、最近ブームにもなっている発酵食品の甘酒をスイーツに使用。甘酒のアクセントが効いた甘みと、あんずの酸味がマッチした、新感覚な味わい。ブームになりそうな予感がするスイーツです!
ラストは、ネクタリン、プルーンと長野の旬のフルーツが。見た目も味もみずみずしくて、身体が喜びそうなフレッシュな果物で、心も体も爽快に!
ジビエ肉は野趣あふれた食材で、料理法により印象もがらりと変わるんですね。
こってりした料理のイメージがありましたが、さっぱりとした夏向けの料理としてもいけるとは。
ジビエには、もちろんお酒がとてもよく合います。会場では、長野の美味しい日本酒もたくさん試飲させて頂きました。
最後に、こんな美味しそうなお土産も頂きました。西麹屋本舗の「甘酒」は、5代にわたり受け継がれてきた製法で作られた甘酒。「万能うまみそ」(マルモ青木味噌醤油醸造場)は、美味しくて便利な調味料。「信州松代あんず物語ジャム」は、すっきりとした甘酸っぱさが味わい深い甘さ控えめな贅沢なジャムです。かわいらしい若葉ジビエのクッキーは、信州わかほジビエ振興のために地元のお菓子屋さんMadoyaが作ったクッキー。旬のフルーツのネクタリン、プルーンも。
どれも夏バテに効きそうな健康食材&健康料理ばかり。
次回はやっぱり、長野に行ってみないと!ですね。
長野市は、街と大自然の両方があり、見どころ満載!
街中で善光寺を巡った後は、ちょっと足を延して戸隠池にぜひ行ってみたいものです。
戸隠連峰の山々と湖のコントラストが美しい戸隠池は、夏は清々しい景色が、紅葉のシーズンには豪華な紅葉が楽しめます!
11月から本格的な狩猟解禁シーズン。今後も新たな料理が次々と登場してジビエ・ブームはますます盛り上がっていきそうです!
<長野市の情報・お問い合わせ先>
●「ながの観光コンベンションビューロー」
1年中捕獲ができる鹿の他、秋になればジビエの狩猟解禁に!
奥深い森の恵み、感動のジャパニーズ・ジビエに出逢う旅をしに行こう!
TABILISTA BOOKs 08
日本のジビエを味わうグルメな旅と極上の店
「GIBIER(ジビエ)」 絶賛発売中!!
日本は、北海道から九州まで豊かな森を有する世界でもトップクラスの森林国。
森には熊や鹿、猪や鳥などたくさんの野生動物が生息する。多種多様な動物が、しかも街からも近い森に棲むというのは世界でも稀であろう。
一方、里に下りてくる動物たちが増え、問題となっている。人の手が入らず、森が荒れたことも理由の一つ。
動物たちによる食害が起きているのだ。それもあって毎年、たくさんの鹿や猪などが駆除されている。
野生の鹿や猪は欧州に行けば「ジビエ料理」の高級食材。
そこで、近年、各自治体が獣肉処理所をつくり、衛生管理をしながら安心安全なジビエを地域の資源としても活かそうという動きが広まっている。
今までは処理の具合が悪く、商品にならなかったジビエも多かった。最近では職人の腕も上がり、栄養豊かでおいしい、貴重な食材として活かせるようになってきている。
しっかり処理された肉は旨い!
野生動物の肉は味も歯ごたえも違う。
特に脂がおいしい。猪の脂などは味も香りも舌触りもよく、
かつコラーゲンやビタミン類も豊富。
美容と健康にいい、まさに森からの「贅沢」な恵みである。
欧州の王侯貴族も愛したジビエ料理。豊かな森からの恵みに大いに感謝し、我々も愉しみたい。
輸入食材に代わる日本のジビエ―― 。
ジビエ新時代の到来である。
【巻頭インタビュー】服部幸應 「ジビエ×食育×オーガニック」
人生最後の晩餐にツキノワ熊のスープが飲みたい
【特別寄稿】山本益博 「フランスジビエの旅」
【鎌田昭男がつくる クラシックフレンチな逸品】
フレンチ界の名匠、東京ドームホテル総料理長の鎌田シェフがつくるクラシック・フレンチのエスプリを紹介。
【東京特選ジビエ渾身の一皿 10軒】
フレンチレストランから和食バルまで。国産を中心にジビエにこだわる店が至極の一品を紹介。「猪の白ワイン煮パイ包み」「穴熊の卵とじ」「エゾ鹿の骨付きロース」……etc.
【美食の国 在京フランス人が通うジビエのおいしい店】
本場ジビエの国の人たちが仕事でプライベートで通うのはココ!