文/編集部
東京から近くて、美味しいものがたくさんある食材の宝庫、茨城県。東は太平洋に面していて海の幸に恵まれ、名産のあんこうは有名ですね。内陸部は関東平野が広がり、豊富な農産物の産地でもあります。生産量日本一を誇る作物も多く、平成29年度の農林水産省の統計では陸稲、蓮根、白菜、小松菜、青梗菜、水菜、レタス、ピーマン、メロン、栗、鶏卵…など、日本一だけでもすごい数ですね。では、茨城のおみやげというと、どんなものを連想しますか?
納豆? メロン? さつまいも?
食材の宝庫である茨城県ですが、地理的に東京から近いということもあって、おみやげというと、これといった定番が見当たりません。そんな状況を打破するべく、県が主催して「茨城おみやげ大賞」という催しが行われるようになったのです。3年に1度開催され、“いばらきの「おいしい」をより多くの人にしってもらいたい”という想いが込められています。
2019年の7月に第3回「茨城おみやげ大賞」が発表されました。この時から、新たに【旅みやげ部門】【いえみやげ部門】という2つのカテゴリーに分けられて、それぞれの部門ごとに3商品ずつ6商品が大賞に選出されるようになり、特別賞として「女子みやげ賞」「外国人OMIYAGE賞」が各2商品に授与されました。お土産に悩んだひとにとっては、ありがたい指標となっています。編集部ではそんな「茨城おみやげ大賞」について取材してみました。
【旅みやげ部門】大賞に選ばれたのは、以下の3品。
「茨城めろんの片思い・茨城いちごの初恋・茨城さつまいもの出逢い」
(農業法人深作農園有限会社)
「すいーとまろん」
(有限会社ナガタフーズ)
友人や職場に配りたい持ち運びしやすいということで選出された商品です。生産量日本一を誇るメロンは茨城県の名産品ですが、お土産にはしづらいですよね。でもメロンを使ったスイーツなら喜ばれること請け合いです。「茨城めろんの片思い・茨城いちごの初恋・茨城さつまいもの出逢い」は、メロンだけでなく、イチゴ、サツマイモという茨城自慢の産品を贅沢に使った逸品スイーツです。深作農園のある鉾田市は「食材の宝庫」茨城県の中でも、メロン、サツマイモの生産量が日本一であり、イチゴは生産額で全国2位という食材王国。そんな鉾田市で愛情いっぱいに育てられた食材そのもののおいしさを存分に味わえます。
「木内梅酒」は、常陸野ネストビールで有名な木内酒造がつくるこだわりの梅酒。常陸野ネストビールNIPPONIAは、日本で開発されたビール麦の原種「金子ゴールデン」と、同じく日本で育種されていたホップ「ソラチエース」という2つの日本オリジナルの原料から醸造した、黄金色の輝きを持つビールで世界50ヵ国以上で親しまれているそう。その常陸野ネストビールを蒸留したスピリッツに梅の実を漬け込んだ味わい深い逸品です。梅の名所、偕楽園を有する茨城県だけに、酒好きの人にはお土産として重宝されそう。木内酒造がある那珂市は、水戸市やひたちなか市に隣接していて都市圏へのベッドタウンとして人口も増加しているそうですが、クラフトビールブームに沸く近年、注目のスポットでもあるのです。
笠間市というと笠間焼が有名ですが、日本有数の栗の生産地で作付面積はなんと日本一なんです。そんな笠間で採れた美味しい栗を贅沢に使った焼き菓子「すいーとまろん」が誕生したのは、平成25年のこと。笠間では高品質な栗がたくさん収穫されているんですが、そのほとんどが原料栗として他県へ出荷されているそうです。地元産の栗を全国に紹介したいとの思いを込めて、つくられたのがこの「すいーとまろん」。ペースト状にした栗にブランデーが練り込まれ、ひとくち食べると、栗の風味が贅沢で上品で、栗がもつ素材の魅力を存分に堪能できます。栗自体が持つ甘さと職人の技が融合した焼き菓子なのです。食べやすい一口サイズなのも嬉しいですね。
【いえみやげ部門】大賞に選ばれたのは以下の3品。
「だるまわら納豆1本束」
(だるま食品株式会社)
家族や自分に買って帰りたいということで選出された商品です。鶏卵の生産量でも日本一の茨城県。「パン工房ぐるぐる」は、茨城県食材を使用したご当地パン工房として人気のお店。「奥久慈卵のとろ~りクリームパン」は、地鶏で有名な奥久慈の卵を使用した自家製カスタードクリームはほっぺたが落ちるほどの美味しさ。牛乳も県内産のものを使用していて、同じく県内産小麦ゆめかおりを100%使用したパンとの相性はもちろん抜群です。いえみやげ部門で受賞していますが、手土産として喜ばれそうなおしゃれなギフト箱もあります。
そして茨城といえば、やっぱり納豆ですよね。納豆一筋70年の老舗がつくるこの「だるまわら納豆1本束」は、県産の小粒大豆にこだわったわらつと納豆。「わらつと」とは「藁苞」と書き、稲わらを束ねて中にものを包むようにしたもののこと。古くからの伝統的な製法である「わらつと」に直接豆を包んで発酵させているので、わらの香りが風味を引き立て、パックの納豆にはない味わいを堪能できます。個包装になっているので持ち運びやすく、納豆の本場ならではのお土産として最適です。
茨城空港がある小美玉市は起伏が少なく穏やかな気候で酪農が盛んで、生乳の生産量は県内1位です。「でせーるふらん」はそんな小美玉産の濃厚な生乳と鮮度の良い朝採り卵にこだわった窯出プリン。添加物や香料・保存料を使っていないので、素材の美味しさを引き出しています。クリームライン、カスタード層、カラメル層の3層構造になっていて、それぞれの美味しさを味わえるのも嬉しい。とことん小美玉産にこだわったちょっぴり贅沢な茨城のスイーツです。
「りんごまるごとバウムクーヘン」(豊田りんご園 未来工房)
【女子みやげ賞】を受賞したこのバウムクーヘンは、文字通り本当にりんごが丸ごと入ったインスタ映えする逸品でボリューム満点!
【外国人OMIYAGE賞】には、茨城名物の干し芋を使った2品が選ばれた。どちらも県民に愛された伝統食の魅力を外国の方々にアピールできるおみやげです。
「茨城県ひたちなか特産ほしいも食べ比べセット」(株式会社クロサワファーム)
「ほしいもグラノーラ 味噌味/りんご味」(ホテルクリスタルパレス[大成女子高等学校/一般社団法人i.club共同開発])
旅行や出張で茨城を訪れた際に、おみやげの候補として参考にしてみてください。
「茨城おみやげ大賞」