<時間旅行>戦前日本の日記
和8年:警察学校を卒業。新人警察官として勤務を始めたばかりの男性。#戦前の日記 #1933年11月28日
1933年(昭和8年)11月28日 10代後半もしくは20代前半の男性。警察学校を卒業し新人警官として勤務中。11月12日、12月23日、2月19日、3月29日、4月26日、5月17日、5月31日、6月28日、7月8日の日記と同じ人物。
日記の男性はこの日、区会議員の選挙の取り締まりなどにかり出されていたようだ。 彼は辨天町に配属を命じられ「任が重い」と書いている。この辯天町とは、現在の住所で言うところの江東区東陽一丁目あたりのことだろう。昔は「深川区洲崎弁天町」という地名だった場所だ。ここは戦前、吉原と並び称されるほどの遊郭があったために、警察も取り締まりの重要地点としていた。そのため日記の男性も「任が重い」と言っているのだろう。 この洲崎遊郭は空襲により壊滅。現在は当時の面影も消え、往時を偲ぶ建造物もほとんど残っていない。
【昭和8年の出来事】 1月 ヒトラーが独首相になりナチス政権樹立 2月 『蟹工船』の小林多喜二が特高警察により逮捕。拷問により殺される 3月 三陸地方大地震。津波により多くの被害が出る 9月 伊勢丹が神田から移転し新宿に出店