<時間旅行>戦前日本の日記
和8年:警察学校を卒業。新人警察官として勤務を始めたばかりの男性。#戦前の日記 #1933年5月31日
10代後半もしくは20代前半の男性。警察学校を卒業し新人警官として勤務中。11月12日、12月23日、2月19日、3月29日、4月26日、5月17日の日記と同じ人物。
日記中の富士浅見神社は、配属先から察すると富岡八幡宮内にある冨士浅間神社のことだろうか。冨士浅間神社は、富士信仰が最も盛んであった江戸時代に全国各地に創建された神社で、富士山山開きの6月1日(現在は7月1日)に、富士参りの出来ない人々が、各地元の浅間神社に参詣した。「明日の祭礼」とはこの祭礼のことだ。 そして「芸妓営業出願」とは明治6年(1873)に・芸妓渡世の者は出願の上、鑑札を申受くべき事・と定められた芸妓規則に則った出願だ。この鑑札を受ければ割合簡単に芸者になれるようになった。その影響により、全国各地に芸者のいる町、〈花柳界〉が出現したと言われている。この日、日記を書いた男性は、出願した女性の身辺調査もしていたのだろう。 新人警察官として勤務を始めたばかりの男性だが、日々、忙しく仕事をこなしているようだ。
【昭和8年の出来事】 1月 ヒトラーが独首相になりナチス政権樹立 2月 『蟹工船』の小林多喜二が特高警察により逮捕。拷問により殺される 3月 三陸地方大地震。津波により多くの被害が出る 9月 伊勢丹が神田から移転し新宿に出店