<時間旅行>戦前日本の日記
和3年: 秋季皇霊祭の休日、25歳の男性。独身。#戦前の日記 #1928年2月10日
1928年(昭和3年)9月23日 25歳の男性。独身。山形県酒田市近郊に在住。11月19日、1月17日、2月10日の日記と同じ人物。
秋季皇霊祭とは耳慣れない言葉だが、戦前は春分の日、秋分の日は皇霊祭の日として、明治から1947年(昭和22年)まで国民の休日となっていた。この皇霊祭とは、歴代の天皇・皇后・皇親の霊を祀る祭祀のひとつで、現在においても、宮中では年に2回執り行われている儀式だ。 文中に出て来る「ビンドロ窓」とはビイドロのなまったもので、ガラス窓のこと。本来、この秋季皇霊祭の休日は、全国的にお彼岸であり、先祖を祀り収穫をお祝いする日であった。日記の男性も、朝は「心を込めて何妙法蓮華経」などと殊勝なことをしていたのだが、午後は趣味のビリヤードや映画を観てすっかり遊んでしまったようだ。
【昭和3年主な出来事】 1月 大相撲ラジオ実況放送開始 5月 済南事件。日本軍が山東省済南で国民政府軍と衝突 6月 張作霖爆殺事件 8月 パリ不戦条約調印 10月 蒋介石が国民政府首席となる 11月 昭和天皇の即位の礼