<時間旅行>戦前日本の日記
和7年:昭和モダンと呼ばれる文化が隆盛の頃、東京市の郵便局に勤務する 20代の独身男性。#1932年3月12日
11月11日、1月1日、1月10日、1月19日、1月31日、2月13日、3月3日の日記と同一人物。独身。夜学にも通っていたようだ。
昭和初期の東京では昭和モダンと呼ばれる文化が花開いていた。日記を書いた青年も、友達と遊んだり恋をしたりと楽しげな日々を送っている。しかし、その一方では、日々の生活に困窮する若者もいる。傘に入れてくれた少年がいた労働館というのは、当時多数あったという木賃宿のことだろう。日記の主はそこに住み日雇いの大工として働く少年の身の上に同情しつつも、「警戒すべし。広い東京どんなやつが居るかわかならないからだ」と書き留めている。
【昭和7年の出来事】 1月 大相撲春秋園事件 1月 第一次上海事変 2月 上海にて陸軍兵3名が爆弾を抱え的に突撃し爆死。爆弾三勇士と呼ばれる 3月 満州国が建国宣言 5月 五・一五事件。犬養毅首相が殺害される 11月 米大統領選挙で民主党ルーズベルトが現職フーヴァーを破り当選