<時間旅行>戦前日本の日記
治44年:14~15歳くらいの女の子の日記。#1911年8月8日 #戦前の日記
大垣高等女学校の3年に在学。岐阜県に在住。7月24日の日記と同じ人物。
夏の日記の課題としてページ左に「諸子が今遠方の親戚に行くと仮定し、其の際の髪飾より衣服履物等一人の身に着くるものの価格を列挙せよ」との質問がある。この少女の回答は「カンザシ五十銭、帯七円二十銭、下駄八十銭、クシ二十九銭、帯上げ二十銭、足袋二十五銭、着物八円、帯上げかくし一円、蝙蝠傘五円、襦袢一円五十銭、帯止め五十銭、扇子十二銭、揚巻六十銭、網類四十銭、ハンケチーフ十銭」とある。当時の一円の価値は、基準をどこにおくかにより様々な換算法があるが、大体1万から2万円くらいだったと考えられる。少女の持ち物をその基準でみてみると、非常に高価な物が多く、彼女は非常に裕福な家庭の子女だったのが分かる。
【明治44年の出来事】 1月 大逆事件の裁判で幸徳秋水ら被告24名に、死刑判決が下され、うち11名は同月の24日に死刑執行 2月 日米通商航海条約が調印され、日本の関税自主権が回復。不平等条約の改正に成功 5月 清が幹線鉄道国有化令を発布 7月 第3次日英同盟協約締結 10月 清で武昌新軍が蜂起し、辛亥革命開始 12月 アムンゼンが南極点に到達