台湾の人情食堂

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#97

2019年、台湾との関わりを振り返って

文・光瀬憲子

 日経トレンディが発表した「2019年ヒット商品ベスト30」の第2位にタピオカが選ばれた。2億杯も売れた黒いつぶつぶ入りドリンクが台湾発祥だということを知らない人は案外多いのだが、それでも、タピオカブームをけん引した要因のひとつが台湾旅行ブームであることはまちがいないだろう。そして、先日は蔡英文総統が、台湾を訪れた日本人が年間200万人を超えたことを自身のTwitterで発表した。

 そんな追い風を受け、台湾旅行作家のはしくれである私も、2019年は台湾に関わるさまざまな仕事を経験することができた。

 2019年の最初にはクロワッサン誌のコーディネートを担当し、一週間に及ぶ濃厚な取材で台湾のB級グルメ、朝市、夜市、温泉スポット、列車の旅など、充実した特集の案内役や通訳、執筆をさせていただいた。

 

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クロワッサン誌の取材で訪れた台北のスイーツの店先で

 

 私は自分で台湾を旅行することが大好きだが、それ以上に日本の人に台湾を紹介するのが大好きだ。そのおせっかいぶりは、長年台湾で暮らしたときに染み付いたような気がする。当時はまだ台湾旅行がマイナーだったため、日本から台湾を訪れる人に美味しいものを食べてほしい、楽しい思いをして帰ってほしいという気持ちが強く芽生えたのかもしれない。

 それもあって、名古屋の栄中日文化センターで夏から秋にかけて4回に渡って行った「初めての台湾旅行」講座は自分でも大いに楽しんだ。

 これから初めて台湾へ行こうという人たちに、台湾旅行の計画の立て方から、タクシーの乗り方、お土産の買い方、美味しいお店など、入門者向けの情報を提供する講座だ。

 

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名古屋の栄中日文化センターで行われた「初めての台湾旅行」講座の映写資料

 

 名古屋では毎年、テーマを変えて台湾に関わる講座を担当させていただいている。テーマによって集まる受講者はさまざまなので、それも楽しみのひとつだ。今回はシニア層が多く、講師とは言え、受講者のみなさんからとても可愛がっていただいた。

 

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名古屋で行われた「初めての台湾旅行」の講座風景

 

 そして、本コラムやクロワッサンなどの記事がきっかけとなり、都内でも台湾のお茶とスイーツ講座を担当したり、香川県の高松空港とチャイナエアライン共同主催のイベントにも呼んでいただいたりして、台湾のグルメや文化について話す機会に恵まれた。日本の地方都市から台湾への直行便が増えているのは、とても喜ばしいことだ。

 

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高松空港とチャイナエアラインの共同イベントで初めて四国を訪れた

 

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高松では讃岐うどんをはじめとするローカルグルメ食べ歩きを体験できた 

 

 また、今年は周囲の友人から「はじめて台湾旅行するんだけど、行くべき店は?」「息子が友達と台湾に行くんだけど、気をつけることは?」など、多くの相談を受けた。

 台湾は、初めて行く人でも、女性一人でも安全に楽しめる海外旅行先だ。卒業旅行にも最適な選択肢だと思う。LCCが増便され、高雄など台湾の地方都市へも直行便で行けるようになった。これにドミトリーや民泊など安くて安全な宿を確保する手段を用いれば、パッケージツアーでなくても、自分だけのオリジナル旅行を容易に実現することができる。

 さらに、今年は台湾だけでなく、翻訳に関する講座も担当した。台湾で暮らしていた90年代から翻訳業を続けているので、かれこれ30年近く英中日の翻訳や通訳をしていることになるが、そんな仕事の内容を話す機会を得たのだ。

 なかでもメインでやっている映像の吹替翻訳は特におもしろい仕事でだ。世間には意外とその仕事内容が知られていないが、昨今のネット配信ブームで注目を集めている分野でもある。

 そして、念願の台湾書籍を翻訳する機会にも恵まれた。『台湾漬 二十四節気の保存食』(種籽設計著/翔泳社)という、とても可愛いデザインのレシピ本を翻訳し、それを記念したトークイベントも西荻窪の旅行専門書店で開催していただいた。

 

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西荻窪の『旅の本屋のまど』で開かれたトークイベントで、受講者に配布された台湾の漬物ステッカー

 

 トークイベントは読者のみなさんと触れ合う大切な機会だ。著者というのはたいてい書評を気にしているので、読者のみなさんの生の声が聞けるのはとても貴重な体験なのだ。

 そして、11月後半には5年ぶりに台湾一周の取材旅行に行ってきた。このwebマガジン『TBILISTA』を運営する双葉社から来春出る文庫本で、鉄路で台湾の車窓風景を楽しみながら、途中下車して美味しいものを食べ歩く内容だ。年末年始はこの新刊執筆に注力することになる。

 旅の本は、取材先で体験したことを帰国後、書き起こしながら追体験するという、ある意味二度楽しい仕事である。そんな体験を早くみなさんと共有したい。

 

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紙の時刻表とスマホ片手の列車旅は想像以上に楽しかった。「鉄」というと閉ざされた世界のように思っていたが、女子でも楽しめる世界であることがよくわかった

 

 今年もタビリスタのご愛読ありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。

 

 

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著者:光瀬憲子

1972年、神奈川県横浜市生まれ。英中日翻訳家、通訳者、台湾取材コーディネーター。米国ウェスタン・ワシントン大学卒業後、台北の英字新聞社チャイナニュース勤務。台湾人と結婚し、台北で7年、上海で2年暮らす。2004年に離婚、帰国。2007年に台湾を再訪し、以後、通訳や取材コーディネートの仕事で、台湾と日本を往復している。著書に『台湾一周 ! 安旨食堂の旅』『台湾縦断!人情食堂と美景の旅』『美味しい台湾 食べ歩きの達人』『台湾で暮らしてわかった律儀で勤勉な「本当の日本」』『スピリチュアル紀行 台湾』他。朝日新聞社のwebサイト「日本購物攻略」で訪日台湾人向けのコラム「日本酱玩」連載中。株式会社キーワード所属 www.k-word.co.jp/  近況は→https://twitter.com/keyword101

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