台湾の人情食堂

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#89

『台湾vs韓国』講座ダイジェスト〈2〉

文・光瀬憲子 

 旅行者目線で台湾と韓国を色々な角度から比べつつ、台湾の魅力を再確認するシリーズの第2弾。前回は言葉の問題やグルメの魅力で両者を比較してみたが、今回は人気観光スポットの市場、リゾート地、離島などに焦点を当てていこう。

 

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『台湾vs韓国』の講座は、一般社団法人アジア未来ラボの主宰で7月20日(土)銀座で行われた

 

 

在来市場 

 台湾や韓国を訪れる皆さんにぜひ立ち寄ってほしい! と常日頃からオススメしているのが市場だ。夜市のことではなく、朝から営業している朝市、もしくは伝統市場のこと。台湾韓国のいずれも伝統市場は充実しており、韓国には2と7が付く日など決まった日にちに売り手が多く集まる五日市もあり、大いに賑わう。

 一方の台湾は、台北市内にも大小さまざまな伝統市場があり、どこも朝7時頃から昼過ぎまで賑わっている。たいていは2、3階建ての市場の建物があり、その中で生鮮食品を販売している。1階が野菜や青果、2階が精肉や鮮魚などと区分けされていることが多く、建物の周りには屋台や露店が立ち並び、野菜や雑貨、はたまた下着や玩具などを販売している。

 

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左が北投の朝市、右が南原(全羅北道)の五日市 

 

 台湾市内の朝市として特におすすめしたのが、屋外を散歩感覚で歩ける雙連市場だ。MRT淡水線の雙連駅からすぐという好立地で、朝ごはんやお昼ごはんに適した店も多い。また、朝市の真ん中にはお寺もあるので、台湾の文化的側面も見ることができる。

 

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朝の雙連市場(台北)

 

 また、雨が多い台湾で知っていると役立つのがアーケードの中にある東三水街市場だ。こちらは有名な観光スポット龍山寺の目と鼻の先にあるため、お寺と市場とセットで訪れることができる。細長いアーケードにずらりと並ぶ鮮肉や野菜はなかなかの迫力。それに、両脇に並んだ店を物色していると、お店の人から試食を勧められたりして、散歩しながら胃袋も満たせてしまう。付近には美味しい朝ごはん屋さんも多い。

 

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台北の艋舺(バンカ)にある東三水街市場

 

 台湾の市場は地方へ行けば行くほどおもしろい。台湾全島を見渡しても3本の指に入るのではないかと思われるのが嘉義の東公有市場。朝ごはんコーナーがとても充実していて人気が高い。特に大鍋で煮込まれた牛モツスープは絶品で、そのために市場を訪れる旅行者も多いほど。市場の建物の周りには広い範囲で屋台などが立ち並び、活気も見応えも十分だ。

 

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左が嘉義の東公有市場のモツ煮込み屋。右が南原の五日市で酒盛りする農村のお母さんたち

 

 一つだけ注意しておきたいのが、台湾の市場は月曜定休が多いということ。旅の計画を建てる際に気に留めておくとよい。(台北の雙連朝市は公有市場ではないので例外)

 

リゾート 

 次に台湾と韓国のリゾート地を見てみよう。日本と同じくらいの緯度にあるため南国風のリゾートに乏しい韓国に比べ、台湾は南国ムードが高い。島全体が亜熱帯地域に属するが、一箇所だけ熱帯に属するエリアがある。屏東県の墾丁(ケンティン)だ。サーフィンのメッカであり、台湾全土のサーファーが集まる、日本で言えば湘南のようなエリア。このため、外部からこの地の移り住むサーファーも多い。

 墾丁は海の色も、日差しも、空気感も、台湾の他の土地とは大きく異なり、リゾート感が強い。地元の人たちは男なら海パンだけで上半身はハダカが基本。女性もタンクトップにホットパンツが標準服で、小麦色の足を惜しげもなく露出している。明るすぎる太陽の下で、そんな男女は健康そのもので眩しく映るのだ。

 

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左が台北南端の墾丁で高級ペンションを営む夫婦、右が韓国で唯一南国感のある済州道

 

 リゾート地らしい宿泊施設も充実していて、まるでギリシャを思わせる真っ白な民宿から青々とした空と海を眺めることができる。サーフィンをしなくても様々なビーチアクティビティを楽しめるし、真っ白な台湾最南端の鵝鑾鼻(がらんび)灯台や、海に沈む夕日など、ロマンチックな観光スポットも多い。台湾旅行のついでに南国のリゾート気分を味わえるので、是非立ち寄ってみてほしい。

 

離島 

 最後は離島対決。台湾も韓国も離島は多く、いずれも船で訪れることができる。台湾からもっとも離れた離島、馬祖は台湾の北西部に位置し、台湾から船で10時間もかかるのだが、中国大陸まで船で30分という近さ(飛行機も運行している)。ほぼ中国とも言える立地だが、それゆえにかつては台湾の軍事拠点だった。台湾の兵役男子は馬祖に派遣されることをもっとも恐れていた時代もあったが、その後、対中関係が改善され、馬祖の軍事施設は大幅に縮小。現在は観光地として徐々に人気を集めている。

 馬祖には古くから伝わるレンガ造りの建造物があり、独特の構造をした家屋が立ち並ぶ。その光景がどこかヨーロッパのようでもあり、ジブリ映画にも出てきそうな異国情緒と不思議な時代感を持っている。島の人々の暮らしは決して裕福ではないが、シンプルで土地や季節にあった慎ましい暮らしぶりに好感が持てる。何より、地元の人々がとても気さくで親切なので、旅行者は皆、馬祖の虜になってしまうのだ。

 馬祖は、「媽祖」という海の女神を象徴する島でもあり、島の高台には巨大な媽祖像が建てられている。媽祖像に続く長い階段を登ると、みごとなパノラマの光景が広がる。台湾本土では味わえない離島ならではの楽しみだ。

 

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左が基隆から船中一泊で渡る馬祖。右が木浦から高速船で2時間で行ける黒山島

 

 昨今は台湾へのリピーターが急増し、台北以外の地方都市へ足を運ぶ旅行者も多い。また、今までは韓国一辺倒だった人も台湾へ目を向け始めているようだ。ぜひ台湾と韓国の両方に足を運び、その違いや似ているところを比較しつつ、楽しんでほしい。

 

(つづく)

 

 

 

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著者:光瀬憲子

1972年、神奈川県横浜市生まれ。英中日翻訳家、通訳者、台湾取材コーディネーター。米国ウェスタン・ワシントン大学卒業後、台北の英字新聞社チャイナニュース勤務。台湾人と結婚し、台北で7年、上海で2年暮らす。2004年に離婚、帰国。2007年に台湾を再訪し、以後、通訳や取材コーディネートの仕事で、台湾と日本を往復している。著書に『台湾一周 ! 安旨食堂の旅』『台湾縦断!人情食堂と美景の旅』『美味しい台湾 食べ歩きの達人』『台湾で暮らしてわかった律儀で勤勉な「本当の日本」』『スピリチュアル紀行 台湾』他。朝日新聞社のwebサイト「日本購物攻略」で訪日台湾人向けのコラム「日本酱玩」連載中。株式会社キーワード所属 www.k-word.co.jp/  近況は→https://twitter.com/keyword101

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