台湾の人情食堂

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#84

西台北の輝き再び〈4〉台北駅裏編

文・光瀬憲子 

 西台北特集の4回目は、おなじみの台北駅付近を取り上げる。

 桃園国際空港から台北市内へ移動する際の交通手段として最近開通したのが機場MRT。このところ、もっぱらこの機場MRT台北駅のそばの宿を利用している。

 もちろん、台北駅に直結しているからどこへ行くにも交通の便が良いのだが、裏駅というだけあって高層ビルが立ち並んだり、デパートが乱立したりという都会らしさよりも、情緒のある下町風情が楽しめるエリア。そして昔ながらの美味しいものも多い。今回はそんな台北駅裏をご紹介しよう。

 

ハイファッションにはほど遠いからホッとする 

 台北駅の裏手には問屋さんが集まっている。特に多いのはカバンを扱う店で、小さなエコバッグから大きなスーツケースまで多種多様なカバンを扱う個人店がずらりと並ぶ。

 他にもアクセサリーや服、土産物などが多いが、お世辞にもハイクオリティとは言えない物が多い。だが、ちょっと肩の力を抜いた店構えの店舗が集まっていることで、裏駅エリアはなんだかホッとできる空間になっている。

 

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どこか東京のアメ横やソウルの南大門市場にも似ている台北駅裏の市場

 

 市民大道と重慶北路が交差するあたりから南京西路まで続くエリア一帯は、小さな路地が多く、ごちゃっとした印象があるが、そんななかに美味しい食堂や地元の人たちの暮らしが詰まっていて実におもしろい。

 

 

朝ごはんの人気店 

 台北駅裏を散歩するなら朝がいい。

 この界隈には観光客にほとんど知られていない地元で大人気の豆漿店がある。早朝からテイクアウトやイートインの客足が途絶えることなく、カウンターの蒸籠からは常に湯気があがっている活気のある店だ。

 

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台北駅裏手、地元の人がひっきりなしに訪れる『李記豆漿』は、長安西路沿いにある

 

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積み上げられた蒸籠から湯気があがり、次々と美味しそうな朝ごはんができあがる

 

 近所の人たちは出勤前にバイクで乗り付け、小銭を手にカウンターへと向かう。しばらく待つと、ホカホカの肉まんと豆乳を手に、またバイクにまたがって去っていく。中で新聞を読みながら豆乳をすするお年寄りもいる。台湾の日常の一コマに紛れ込んだようで、うれしくなる瞬間だ。

 店内は狭いが清潔で、一人でも気軽に入ることができる雰囲気。もちろん、豆乳や蛋餅(タマゴ巻き)といった台湾らしい朝食もおすすめだが、ちょっと豪華な朝ごはんにするなら小籠包がいい。8個の汁あり小籠包がしっかり蒸籠に収まっていて、朝から幸せな気分になれる。

 身構えて有名店で小籠包をオーダーしなくても、近所の朝ごはん屋さんで体験できるのが台湾グルメだ。

 

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薄皮に肉汁たっぷりの小籠包が8個。これで80元という地元価格はうれしい


 

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通勤前のお父さんと通園前の男児。台湾の子供たちはみんな牛乳ではなく豆乳で育つ

 

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注文をする人、席を待つ人、お釣りを受け取る人… カウンター前にこの人だかりがあれば美味しい証拠

 

(つづく)

 

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著者:光瀬憲子

1972年、神奈川県横浜市生まれ。英中日翻訳家、通訳者、台湾取材コーディネーター。米国ウェスタン・ワシントン大学卒業後、台北の英字新聞社チャイナニュース勤務。台湾人と結婚し、台北で7年、上海で2年暮らす。2004年に離婚、帰国。2007年に台湾を再訪し、以後、通訳や取材コーディネートの仕事で、台湾と日本を往復している。著書に『台湾一周 ! 安旨食堂の旅』『台湾縦断!人情食堂と美景の旅』『美味しい台湾 食べ歩きの達人』『台湾で暮らしてわかった律儀で勤勉な「本当の日本」』『スピリチュアル紀行 台湾』他。朝日新聞社のwebサイト「日本購物攻略」で訪日台湾人向けのコラム「日本酱玩」連載中。株式会社キーワード所属 www.k-word.co.jp/  近況は→https://twitter.com/keyword101

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