韓国の旅と酒場とグルメ横丁

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#76

私が愛した乙支路3街~4街写真館

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 ソウル旧市街のど真ん中にある世運商街ビル周辺の零細工場街や専門店街が、大規模な再開発により、見納めになりそうな雲行きだ。

 再開発の対象エリアには乙支路3街駅や乙支路4街駅周辺も含まれている。私が足繁く通っている酒場が集まっているところだ。

 再開発の是非についてどうこう言える立場ではないが、もちろんこの一帯の風景には愛着があり、いつまでも眺めていたい。

 しかし、この十年間、乙支路3街~4街に心と肝を捧げたと言っていいくらい、この街を愛しきった自信があるので、どんな悲しいことが起きても、あきらめがつきそうな気もしている。

 今回はそんな私と乙支路3街~4街の蜜月時代を振り返る意味で、2010年から2018年の写真を見ていただきたいと思う。

 

01

世運商街(セウンサンガ)のビルの屋上から東方向を望む。眼下に再開発の対象となっている一帯が。この屋上へは鍾路大路側の入口脇のエレベーターで上がることができる。

(2018年12月撮影)

 

02

乙支路3街駅5番出口の右手の路地を入った突き当たりにある焼肉店『統一チプ』。店先で炭が火柱を上げたら開店の合図。この店も再開発予定地域に含まれている。

(2014年4月撮影)

 

03

ドラム缶テーブルがぶっきらぼうに置かれた『統一チプ』の店内。金属加工の町工場街に隠れるように存在する。50代以上の韓国人なら、誰もが70~80年代の焼肉店を思い出すだろう。

(2014年4月撮影)

 

04

日本から知人がやってくると、たびたび『統一チプ』に案内した。メニューは店の雰囲気とは不似合いな上質のトゥンシム(ロース)のみ。脂身が少ないので、酒のつまみに好適。

(2012年8月撮影)

 

05

乙支路3街駅10番出口から北方向を撮ったもの。交差点の向こうに見える緑色の建物はホルモン焼き専門店『良味屋(ヤンミオク)』。この一帯も再開発予定地域だが、歴史のある飲食店は保存される可能性もあるという。

(2014年5月撮影)

 

06

乙支路3街駅4番出口の西側にあるノガリコルモク(干し鱈横丁)。鱈の幼魚の干物で飲ませる大衆的なビアホールが集まっている。昼間この辺りの商店主が、生ビールをお茶代わりにサッと飲んで帰っていくところだったが、2014年秋に大箱の『満船HOF』のオーナーが変わり、店を若者受けする雰囲気に変えて以来、外部からも客が訪れるようになった。向かいに見える煤けたレンガ倉庫がいい味を出していたのだが、現在は改修され『満船HOF』の店舗になっている。

(2014年5月撮影)

 

07

7年近く前の『満船HOF』の姿。奥に見える高層ビルとのギャップがたまらなかった。

(2012年8月撮影)

 

08

最近のノガリコルモク。左上に最古参のビアホール『OBベオ』が、右上に『満船HOF』が見える。

(2018年9月撮影)

 

09

『OBベオ』や『満船HOF』辺りの喧騒から逃れ、さらに路地に分け入っても魅力的な酒場がある。写真は私がたびたび通っている『ウファ食堂』。女将が一人で切り盛りする店で土日は休み。

(2010年10月撮影)

 

10

乙支路3街駅6番出口の北側に広がる金属加工工場街。夜遅くまで金属を削る音が漏れてくる。

(2012年4月撮影)

 

11

乙支路3街駅5番出口の東側に広がる町工場街。建物の外壁が道案内の役目を果たしている。「板金」「工業社」「精密」「金型」などの言葉が入った社名が目立つ。

(2013年10月撮影)

 

12

世運商街のビルの東側の工場街を歩くと、年季の入った日本風の家屋に出合う。この建物はキム・ギドク監督の『嘆きのピエタ』にも登場。出窓が多く、昔はさぞかしモダンで目立ったろうと想像できる。

(2013年10月撮影)

 

13

左手が改装中の世運商街のビル。右手のレンガの建物は最近、撤去されたと思われる。

(2017年3月撮影)

 

14

保存価値が認められ、再開発を免れそうな老舗冷麺店『乙支麺屋(ウルチミョノク)』。作り物のレトロではない、本物の経年が感じられる店内(2階)。乙支路3街駅5番出口の左手に入口がある。

(2013年3月撮影)

 

15

『乙支麺屋』の平壌冷麺。まず茹で豚肉で一杯やって、冷麺で締める“先酒後麺”が楽しめる。

(2013年3月撮影)

 

16

乙支路4街駅4番出口の東側には、シュポ(スーパー)とかクモンカゲと呼ばれる食料雑貨店兼酒場が点在している。幸いこの辺りではまだ再開発の話は聞かれない。写真は4番出口から地上に出て歩道をそのまま進むと右側に見えてくる路地。この先の右手に、そんな店のひとつ『大福マートゥ』が見えてくる。

(2016年7月撮影)

 

17

上の写真の路地をさらに進むと、同じタイプの店『デソン食品』がある。撮影当時は改装のため休業中だった。

(2013年12月撮影)

 

18

夏場、『デソン食品』の前でくつろぐ男たち。この辺りの路地には焼酎の空き瓶とタバコの煙がよく似合う。

(2016年7月撮影)

 

19

『デソン食品』を正面に見て右方向に歩くと左手に見えてくる『トンイル食品』。中では90歳になるハルモニとお嫁さんが店番をしている。

(2013年12月撮影)

 

20

『トンイル食品』で焼酎をあおる自称占い師のおじさん。

(2013年12月撮影)

 

21

残飯狙いなのか、『デソン食品』や『トンイル食品』のある辺りには野良猫が多い。

(2013年12月撮影)

 

22

乙支路4街駅4番出口東側の路地にある専門店街。左手の看板には「LP(レコード)買います」の文字が。奥にはフライドチキンを出すビアホール。シャッター商店街のような雰囲気になる夜更けに、こんな店を見つけるとうれしくなる。

(2017年5月撮影)

 

 

*著者の近況はこちら→https://twitter.com/Manchuria7

 

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紀行作家。1967年、韓国江原道の山奥生まれ、ソウル育ち。世宗大学院・観光経営学修士課程修了後、日本に留学。現在はソウルの下町在住。韓国テウォン大学・講師。著書に『うまい、安い、あったかい 韓国の人情食堂』『港町、ほろ酔い散歩 釜山の人情食堂』『馬を食べる日本人 犬を食べる韓国人』『韓国酒場紀行』『マッコルリの旅』『韓国の美味しい町』『韓国の「昭和」を歩く』『韓国・下町人情紀行』『本当はどうなの? 今の韓国』、編著に『北朝鮮の楽しい歩き方』など。NHKBSプレミアム『世界入りにくい居酒屋』釜山編コーディネート担当。株式会社キーワード所属www.k-word.co.jp/ 著者の近況はこちら→https://twitter.com/Manchuria7

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