韓国の旅と酒場とグルメ横丁

韓国の旅と酒場とグルメ横丁

#74

東京・大塚滞在記 도쿄 오츠카체재기〈3〉

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 前回に続き、『星野リゾート OMO5 東京大塚』で行ったトークイベント『鍾路3街ストーリー』のダイジェストをお送りする。

 

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ホテル『星野リゾート OMO5 東京大塚』4階のカフェ(https://omo-hotels.com/otsuka/omocafe/)で行われた筆者のトークイベント

 

鍾路3街の歩き方早わかり

 鍾路3街エリアを構成する勧農洞、雲泥洞、臥龍洞、慶雲洞、益善洞、廟洞、楽園洞、鳳翼洞、敦義洞、観水洞の10の洞(町)の周囲(地図の赤線部分)をぐるっと歩くと、30分くらいかかる。エリア内はその特徴ごとに大まかにブロック分けできる。地図を見ながら解説していこう。

 

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筆者の事務所が独自に作成した鍾路3街迷宮マップ。赤のマーキング部分が鍾路3街と呼ばれる範囲。左上の濃い青のマーキング部分2カ所は鍾路3街エリアからは外れているが、筆者がよく通っている酒場があるところ

※地図はクリックすると拡大されます ©キーワード/双葉社

 

 まずグレーで囲った部分は、旧来の鍾路3街のイメージを象徴するハラボジ(おじいさん)やアジョシ(おじさん)が目立つエリアだ。特にタプコル公園の中とその裏手には、所持金は豊かそうには見えないが、時間はたっぷりありそうな中高年男性が集まっている。

 グレー囲みの中央部分は、ラブホ風のホテル群とドヤ街と庶民的なゲイバーが混在している。昼間、ただ歩く分には問題ないが、むやみにカメラを向けたりするのはやめたほうがいいだろう。

 

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タプコル公園の東側にある旧パゴタ劇場前の屋台街。お客はほとんどおじいさん

 

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屋台通りと鍾路大路を結ぶ通り、通称ソンヘギル。フライドチキンが最少単位4000ウォンで食べられる『韓国トンタク』(黄色い看板)の左脇の路地を入ると、ホテル街やドヤ街に至る

 

 その上のオレンジで囲った部分は、左手(西寄り)がアグ(あんこう)料理横丁、右手(東寄り)にホテルやスタイリッシュなゲイバーが点在するエリアとなっている。日本人にもよく知られている『ホテルBiz』もここにある。ゲイバーは女人禁制のところが多いが、おおらかに受け入れてくれるところもある。

 地図の水色囲みの部分が最近、日本のガイドブックにも取り上げられるようになった益善洞だ。ここは今や韓屋(伝統家屋)リノベーションのテーマパークといった様相で、個性的な外観のカフェ、レストラン、バー、デザイナーズホテルなどが妍を競っている。土日だけでなく、最近は平日でも若者が大挙して押し寄せ、東京原宿の竹下通りを思い出してしまうほどだが、益善洞の大ブレイクのおかげで、鍾路3街全体が活況を呈している面があることも否定できない。

 

数年前まで枯れた伝統家屋街だった益善洞もすっかり様変わり

 

 その上に同じく青で横線を引いた辺りはまだ生活圏として現役だが、最近、『BREW3.14』をはじめとするおしゃれなクラフトビールの店が数軒でき、雰囲気が変わり始めている。 また、地図右手の水色部分(宗廟沿い)にもワインバーやカフェができ、若者の注目スポットとなっている。

 

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イビスアンバサダーホテルの北東方向には、おしゃれなクラフトビールの店が数軒できている

 

 益善洞の右手の紫でマーキングした部分は、おしゃれな店に浸食されながらも、庶民的な酒場が残っているエリアだ。有名な『味カルメギサル専門』や『光州チプ』『コチャンチプ』はその代表格。光州チプの裏手には人気のサムギョプサル専門店『トンテジチプ』も健在だ。

 この一帯の“原宿化”がさらに進み、庶民的な酒場が駆逐されてしまうと、鍾路3街の魅力は半減してしまうだろう。黄昏ハラボジと韓屋の原宿とドヤ街と新宿2丁目と大衆酒場が共存しているところが鍾路3街の魅力だ。これらの微妙なバランスが保たれているのがまさに今だと思う。

 

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有名な『味カルメギサル専門』に向かって左側の路地を進むと、左手に人気店『トンテジチプ』が見えてくる

 

 右下の宗廟沿いの紫部分は、商圏からはだいぶ離れているが、鍾路3街のおじいさんたちに人気の立ち飲み屋が2軒ある。鍾路大路に近いほうの『トゥンスネ』は気のいい女将がやっている店で、客はおじいさんばかりなので一瞬ひるむかもしれないが、日本の女性読者さんがひとりで訪れたという報告ももらっているので心配無用。

 店に入ったら、女将に1000ウォン(約100円)を渡して「マッコリ(またはソジュ)」と言えば、おわんになみなみとつがれた長壽マッコリが出てくる。中央のテーブルに並んだ8種類くらいのつまみは爪楊枝で自由に食べてよい。

 

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宗廟前の公園脇にある立ち飲み屋『トゥンスネ』

 

 鍾路大路の下(南側)の黄色で囲んだ部分は住所としては観水洞に当たる。観水洞の「水」とはもちろん清渓川(チョンゲチョン)のこと。このエリアは冬場は生牡蠣と茹で豚肉とキムチをいっしょに食べさせるクルポッサムの専門店が並ぶ路地が有名だが、零細の金属加工工場と賞牌専門店が集まる路地にはNHKの人気番組『世界入りにくい居酒屋』にも登場した『ソウル食品』をはじめとする、まさに一見入りにくそうな飲食店が点在しているので、勇気をもって開拓してもらいたい。

 

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『ソウル食品』でもっともリーズナブルなつまみはケランフライ(目玉焼き)2個1000ウォン。マッコリと合わせてもたったの3000ウォン!

 

受講者のみなさんと一緒に大塚散歩

 トークイベントの後は、『星野リゾート OMO5 東京大塚』スタッフ(OMOレンジャー)の案内で、イベント参加者のみなさんとともに大塚散歩に出かけた。

 その前々日、案内してくれたのは、はしご酒専門のOMOレンジャーレッド(#72参照)だったが、この日は大塚デビューの人向けのOMOレンジャーグリーンが担当してくれた。

 

수강자와 함께 한 오츠카산책!

토크 이벤트가 끝난 뒤,『호시노리조트 도쿄 오츠카 스태프(OMO레인저)』의 안내로 이벤트 참가자들과 함께 오츠카 산책에 나섰다.

요 몇 일전에는 대중술집 전문 OMO레인저레드(#72참조)의 안내를 받았으나, 이 날은 OMO레인저그린이 오츠카에 데뷔하는 초심자를 대상으로 안내를 맡아 주었다.

 

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この日の引率者はOMOレンジャーグリーン(入門編、宿泊者は無料)。ほかにレッド(はしご酒)、イエロー(懐かしグルメ)、ブルー(ニューウェーブ)、パープル(ナイトカルチャー)がある。いずれも有料。5コースから好きなものを選び、空きがあれば当日申し込みでも参加できる。コースや料金など詳細は→https://omo-hotels.com/otsuka/guidetour/

이 날 인솔자는 그린(입문편, 투숙객은 무료). 그 밖에 유료로 레드(술집순례), 옐로(추억의 구루메), 블루(뉴웨이브), 퍼플(나이트컬쳐)이 있다. 5개 타입으로 원하는 것을 선택할 수 있다. 사전예약이지만 자리가 있다면 당일 신청이라도 참가 가능하다. 상세한 코스와 요금 등은 아래 사이트 참조.→https://omo-hotels.com/otsuka/guidetour/

 

 参加者の多くが「大塚駅前は、ほとんど歩いたことがない」という人ばかりだった。花の東京、それも心臓部といえる山手線沿線に“穴場”が存在することに驚かされる。いや、ソウル旧市街の中心部にある鍾路3街だって、ある意味、穴場だからおかしくないかもしれない。

 OMOレンジャーグリーンのコースのなかには、ホテルに向かってすぐ左手にある、おにぎり専門店『ぼんご』があった。日本の食いしん坊の友だちから「大塚といえば、『ぼんご』だよ」と、さんざん聞かされていた。

 ゆるめに握ったおにぎりは韓国人好み。味噌汁(豆腐170円、なめこ270円)はおかわりが自由というのもうれしい。ひとむかし前の韓国人だったら、「おにぎりを頼んでも、漬物ひとつ添えられない」と文句のひとつも言いかねなかったが、日本はお米先進国だ。新潟産コシヒカリの質と炊き方、握り方にこだわり、具との味のコントラストを楽しむのが醍醐味なのだろう。高価なのに人気のある筋子(税込550円)を食べてそれを実感した。

 

참가자 대부분이「오츠카역앞은 거의 걸어 본 적이 없어요」라고 말하는 사람들뿐이었다. 즐거움이 가득한 도쿄, 거기에 심장부라고 할 수 있는 야마노테선에 ‘숨겨진 장소’가 존재하는 것에 놀랐다. 아니, 서울 구시가지 중심부에 있는 종로3가 또한 이런 의미에서 ‘숨겨진 장소’이니 그리 이상할 것도 없지 않을까!

OMO레인저그린코스 중에는 호텔을 바라보고 바로 왼쪽에 위치한 주먹밥전문점 『본고(ぼんご)』가 있었다. 먹보인 일본인친구로부터 「오츠카라고 하면 『본고(ぼんご)』」라는 이야기를 많이 들었다.

살짝 가볍게 뭉친 주먹밥이 한국인들의 취향일 수 있다.된장국 추가가 자유로운 것 또한 반가운 일이다. 좀 예전의 한국인이라면「주먹밥을 주문해도 단무지 하나 나오지 않는다」라고  불평을 했는지 모르나, 사실 고품질의 쌀 품종을 갖고 있는 일본은 쌀선진국이다. 니가타산 고시히카리인 쌀의 품질과 밥을 짓는 법, 그리고 밥을 쥐는 법에 심혈을 기울이고 있는 『본고(ぼんご)』. 안에 들어가는 재료와의 콘트라스트가 주는 맛이야말로 묘미 중의 묘미이다. 비싼 편이지만 인기가 있는 스지코(筋子;연어종의 알(세금포함 550엔))를 먹고 그것을 실감했다.

 

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おにぎり専門店『ぼんご』。数日前にテレビで紹介されたため、この日は長い行列ができていた

주먹밥전문점 『본고(ぼんご)』. 수 일 전에 TV에 소개되어 이 날은 다른 날보다 가게 앞에 늘어 선 줄이 더 길었다.                             

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ごはんに味噌を塗っただけなのに、こんなにおいしいとは! シンプルを尊しとする日本の食文化の真髄を見た気がする

밥에 된장을 바른 것뿐인데 이렇게 맛있다니~. 단순함을 중시하는 일본식문화의 진수를 본 것 같다.

 

 大の餅好き、あんこ好きなので、大塚駅南口のサンモール大塚商店街の路地で出合った『千成もなか』も印象深い。ドラ焼きが有名だそうだ。私が日本に留学していた20年ちょっと前、よくドラ焼きを食べた。韓国ではなかなか出合えない濃い緑茶とあんこの相性がよいことくらいは舌で理解している。塩大福もおいしそう。白衣のおねえさんの控えめだが、あたたかい接客も心地よかった。

 

떡과 팥소를 좋아해서, 오츠카역 남쪽출구 산모루오츠카상가 뒷골목에서 만난 『센나리모나카(千成もなか)』도 인상 깊었다. 도라야키가 알려져 있다. 일본에서 유학생활을 하던 20여년 전에 자주 도라야키를 먹었던 추억이 있다. 한국에서 쉽게 접할 수 없는 진한 녹차와 팥소의 어울림이 좋은 것정도는 미각으로 알 수 있다. 시오다이후쿠떡(塩大福)도 맛있어 보인다. 흰 옷을 입은 여주인의 조심스럽고 정감 있는 접객도 느낌이 좋았다.

 

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パステルカラーがきれいな『千成もなか』

파스텔 톤 색감이 예쁜  『센나리모나카(千成もなか)』

 

 日本らしく神社もコースに入っていた。神社=日本の植民地支配と短絡するほど筆者もウブではない。この天祖神社は鎌倉時代からこの一帯の守り神だそうだ。恋愛成就のご利益もあるそうなので、韓国の若者も喜んでお参りするのではないだろうか。

 

일본의 풍경 중의 하나인 신사도 코스에 들어 있다. 텐소신사( 天祖神社;てんそじんじゃ)는 가마쿠라시대부터 이 일대의 수호신이었다고 한다. 이곳은 연애성취로 알려져 있어 한국의 젊은이들도 즐겨 찾아오지 않을까 싶다.

 

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天祖神社は桜の名所でもあるそうなので、春にまた来てみたい

텐소신사는 벚꽃명소이기도 하니, 봄에 다시 오고 싶다.

 

 1時間ほどの散策だったが、大塚が住商複合地域で、下町っぽさもあるが、どこか品のある町だということがよくわかった。

 

1시간정도의 산책이었으나 오츠카가 주택과 상가가 섞여 있는 주상복합지역이며 서민동네이나 어딘가 격이 있는 동네라는 것을 잘 알 수 있었다.

 

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大塚散策の後はクラフトビールと燻製料理の専門店『スモーク ビア ファクトリー NAMACHAん Brewing』(https://smokebeerfactory.com/otsuka/)で懇親会が行われた

오츠카산책을 한 후는 『스모크비어팩토리 NAMACHAN Brewing』(https://smokebeerfactory.com/otsuka/)에서 친목회가 행해졌다. 평상시 바다를 두고 떨어져 있던 독자들과 직접 대화를 나눌 수 있는 매우 고마운 시간이었다.

 

 旅行者として、また『星野リゾート OMO5 東京大塚』に泊まり、ゆっくり歩いてみたくなったが、もしまた日本に住むようなことがあったら、こんな町で暮らすのもいいかもしれない。

 

여행자로서 다시 『호시노리조트  OMO5 도쿄오츠카』에 머물며 여유롭게 오츠카를 즐기고 싶어졌다. 또한 만약 다시 일본에 살게 된다면 이 동네에서 생활하는 것도 좋지 않을까 그런 생각도 들었다.

 

(つづく)

 

*協力:星野リゾート OMO5 東京大塚

https://omo-hotels.com/otsuka/

*협력:호시노리조트 OMO5 도쿄오츠카

https://omo-hotels.com/otsuka/en/

 

 

*2019年の2月2日(土)午後、本コラムの筆者(チョン・ウンスク)が東京大山の焼肉店でイベントを行います。当日は、ソウルのDEEPエリアに関するトーク、板橋区の酒都・大山散歩、旧正月直前新年会を行う予定です。詳細は→http://apeople.world/ja/culture/event_017.html

 

 

*著者の近況はこちら→https://twitter.com/Manchuria7

 

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紀行作家。1967年、韓国江原道の山奥生まれ、ソウル育ち。世宗大学院・観光経営学修士課程修了後、日本に留学。現在はソウルの下町在住。韓国テウォン大学・講師。著書に『うまい、安い、あったかい 韓国の人情食堂』『港町、ほろ酔い散歩 釜山の人情食堂』『馬を食べる日本人 犬を食べる韓国人』『韓国酒場紀行』『マッコルリの旅』『韓国の美味しい町』『韓国の「昭和」を歩く』『韓国・下町人情紀行』『本当はどうなの? 今の韓国』、編著に『北朝鮮の楽しい歩き方』など。NHKBSプレミアム『世界入りにくい居酒屋』釜山編コーディネート担当。株式会社キーワード所属www.k-word.co.jp/ 著者の近況はこちら→https://twitter.com/Manchuria7

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