究極の個人旅行ガイド バックパッカーズ読本

究極の個人旅行ガイド バックパッカーズ読本

#40

タイ・バックパッカー・アイランド〈3〉サムイ島

文と写真・『バックパッカーズ読本』編集部

 タイ南部、スラーターニー県の沖合に浮かぶ3つの島々。どこもバックパッカーに高い人気を持っているのだが、最も面積が大きく、また最も賑わっているのがサムイ島だ。騒々しいナイトスポットも、静かなビーチも、どちらも楽しめる。ただ物価が高いので、どこを拠点に、どんな宿に泊まるかが予算を押さえるポイントになってくる。

 

01タイでもプーケット島に並んで外国人に人気の島、サムイ

 

島内最大の繁華街&歓楽街チャウエン 

 プーケット島、チャーン島に次いでタイで3番目に大きな島、サムイ島。その玄関口は、サムイ国際空港だ。首都バンコクなどタイ国内だけでなく、中国各地やシンガポール、クアラルンプールなどと国際線で結ばれており、ひんぱんに飛行機が飛び交うなかなかに慌ただしい空港だ。
 ちなみにこのサムイ空港、市街地の真ん中にある空港で、周囲からは飛行機がダイナミックに離発着する様子を眺めることもでき、航空マニアにも注目されているのだとか。
 で、そのサムイ空港から乗り合いのタクシーなどで10分ほど走れば、島内最大の街であるチャウエン・ビーチに出る。ここは「自然豊かなリゾートアイランド」というイメージとは、まったく違う場所だ。
 大型ショッピングモール「セントラル・フェスティバル」を中心に、南北に繁華街が広がり、常に観光客で混み合う。大音量を上げるムエタイショーの宣伝カー、観光バスの団体、ピンクの照明を放つバーなどが密集し、けっこうな賑やかさだ。バンコクのカオサン通りか、タイ南東部のナイトタウン・パタヤのようなハデさ騒々しさたっぷりで、こういう雰囲気が好きな人にとってはたまらない。
 ただ、うるさいと思う人もいるだろう。静かな海を期待してきた人にとって、チャウエンはまったくそぐわない場所だ。買い物や食事にはいいけれど、泊まるとなったら違う場所に行ったほうがいいだろう。サムイ島は広いのだ。選択肢はいろいろある。

 

02
観光地の賑やかさを求めるならチャウエンがいちばんだろう

 

03
チャウエン中心部にはネオン街が広がり、深夜まで音楽が響く

 

チャウエンは安宿密集地帯でもあるが…… 

 ただし、サムイ島でいちばん宿が充実しているのも、またチャウエンなのである。超高級リゾートから、素朴なバンガロー、ベッドひとつ貸し出すドミトリー宿まで、選択肢は幅広くその数もほかのビーチよりはるかに多い。
 とくにバックパッカー好みの安宿が密集しているのが、チャウエンの南部、このあたり。→ https://goo.gl/maps/ReELJoiNUQEeDrRC7

 シングル400~500バーツ(約1400~1700円)、ドミトリーで300バーツ(約1000円)が相場だろうか。周囲には安食堂も多いし、チャウエンのいちばん賑やかな場所とはやや離れているので、そこまでひどくやかましいということもない。東に広がるビーチや、ナイトマーケット、バー街なども徒歩圏内。
 チャウエンのビーチでは、夜になると沿岸の各ホテルが砂浜にイスやテーブルを並べ、バーに変える。音楽を流し、ファイヤーショーなども行い、旅行者を楽しませている。賑やかさの真っ只中に身を置きたい人は、こういうホテルを選ぶと深夜まで海と音楽とお酒を楽しめる。ビーチ沿いとはいえ、この手のバー主体のホテルだと部屋も簡素でシングル1000バーツ(約3500円)前後。

 

04
ビーチバーはタイ南部の名物。夜の海と、ショーを見ながら飲める

 

在住欧米人が多いラマイビーチ 

 チャウエン以外にも、サムイ島ではその外周部に小さな町が点在している。島をぐるりと巡る道路には、ソンテウ(乗り合いジープ)が走っているし、レンタルバイクもある。チャウエンを離れると、すぐに喧騒は消え、海の香りと島の緑に包まれる。小さな漁港や、魚市場もあり、サムイ島が観光開発される以前の姿もまだまだ残っている。
 チャウエンの次に旅行者が多いのは南東のラマイビーチだろうか。いくらかローカルな風情も残っている。毎週日曜日には大規模なナイトマーケットが開かれ、観光客だけでなく島民にも人気だ。住みついている欧米人のシニアがたくさんいて、彼らが暮らす安アパートもあり、一泊単位でも借りられる。ネオン渦巻くバー街はそんな欧米人のたまり場で、不思議と島風にマッチして、ひなびた風情をつくっている。長期滞在にはおすすめのエリアだ。

 

05
ラマイビーチで見つけた安宿。かわいい見た目だが中は狭い。それでもシングル250バーツ(約870円)~と格安&ビーチフロント

 

06
ラマイのナイトマーケットは毎週日曜。タイミングが合えば行きたい

 

おしゃれなストリートが写真映えするボプット 

 島北東部のボプットは、ビーチに沿って「フィッシャーマンズ・ビレッジ」と呼ばれる古い町並みが大人気になっている。木造家屋をベースにしたレストランやカフェ、ゲストハウス、土産物屋などが並び、なかなかおしゃれなのだ。とくに夜はライトアップされて幻想的だ。安宿は少ないが、遊びに行くにはちょうどいい。
 このボプットから少し離れた場所にある「USホステル」は欧米人バックパッカーが集まってくる宿。ジン、ビアなど酒の名前をつけられた10匹の人なつこい猫たちが広い敷地をうろうろしていて和まされる。ロフト調の館内にはちゃんとプールもあり、その周囲にドミトリーと個室が並ぶ。ドミトリー350バーツ(約1200円)~。

 

07
ボプットはサムイでいちばんおしゃれな店が集まっている

 

静かな環境ならタリンガムがおすすめ 

 島で最も大きな港は西部のナトンだ。タイ本土やパンガン島などへの船が出る。飛行機ではなくフェリーで旅することの多いバックパッカーなら、きっと立ち寄ることだろう。
 もともとサムイ島は、チャウエンではなくこのナトンが中心地であり、歴史も古い。しっとり落ち着いた街で、タイらしい屋台街も広がる。ただ、港の前で客待ちしているタクシーやトゥクトゥクにはタチの悪い連中もいるので注意。
 ほか、空港西部のビーチは、ハデな黄金の仏像が名物で「ビッグブッダ・ビーチ」と呼ばれており、ここからもパンガン島への船が出ている。安宿もあるが交通量が多いので、滞在には不向きかも。
 島南西のタリンガム周辺はひたすらに静かで、小規模なリゾートやゲストハウスが点在する。こちらもまだ昔のサムイの空気をとどめている。地元民の台所であるローカル市場では安くておいしいタイ料理が食べられる。ソンテウが来なかったり本数の少ないエリアもあるのでアシはレンタルバイクになるだろう。ツーリスティックな雰囲気が苦手なら、西部の宿を選ぶといい。なおタリンガム周辺からチャウエンまでは、車で30分ほどの距離だ。

 

08
タリンガムのレストラン。シンプルながら最高に贅沢だ

 

山と海の大自然を楽しめる島 

 

 島の中央は山岳地帯になっている。最高峰は653メートルもあるのだ。滝遊びもできるし、森林地帯を象に乗って探検するアクティビティも人気だ。ジップライン、トレッキング、バードウォッチングなども楽しめる。
 なお肝心のビーチだが、チェウエンはあまりきれいではない。やはり観光施設の少ないタリンガムや、その少し北のリパノイあたりは透明度が高い。シュノーケリングはサムイ南部のタン島やマスム島がポイントで、島内の旅行会社でツアーが組める。

 

09
エレファントライドはファミリーに人気

 

 

*本連載は月2回(第1週&第3週水曜日)配信予定です。次回もお楽しみに!

 

*タイトルイラスト・野崎一人 タイトルデザイン・山田英春

 

 

『バックパッカーズ読本』編集部

格安航空券情報誌『格安航空券ガイド』編集部のネットワークを中心に、現在は書籍やWEB連載に形を変えて、旅の情報や企画を幅広く発信し続けている編集&執筆チーム。編著に究極の個人旅行ガイド『バックパッカーズ読本』シリーズなど。

 

紀行エッセイガイド好評発売中!!

okinawa00_book01

最新改訂版 バックパッカーズ読本

究極の個人旅行ガイド バックパッカーズ読本
バックナンバー

その他の辺境・秘境の旅

ページトップアンカー