琉球島猫百景

琉球島猫百景

#37

うるま〈2〉海人気質のテトラ猫族

写真・仲程長治 文・シマネコキネマ  

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3年前、一斉TNRでさくらねこになった猫たちと再会。「久しぶりだな」そんな顔して寄ってきた

 

 沖縄本島の東海岸で撮影があり、久しぶりにうるま市石川に立ち寄った。ここは、3年前に行われた一斉TNRの際に、島猫映画『Nyaha!』でさくらねこをリターンするシーンを撮影した場所でもある。
 前回の北谷同様、テトラポットの隙間で暮らしている猫たちが多いのだが、観光リゾート地が並ぶ西海岸とは違ってこちらは漁港も近く、島猫たちの風貌もどこか海人(猫)的だ。

 

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夕ご飯の気配を察知して、あちこちから集まってきて「今日も暑かったねぇ」と挨拶を交わす

 

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ボランティアさんの車のエンジン音をしっかり区別。お目当ての車が来ると一斉に動き出す

 

 訪れたのは日没の少し前、釣り用語では魚が活発に動き出す「夕まづめ」の時間だが、ここの猫たちにとってもちょうど夕食タイムのようだ。行き交う車の中からボランティアさんの車のエンジン音を聞き分けて、テトラポットや草むらの間から20〜30匹程度がわらわらと姿を現した。エサを取り合って争うことはせず、鼻先で挨拶を交わして、お互いに今日の無事をねぎらっているように見えた。

 

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ひときわ高い位置から全体を見渡していた黒ボス

 

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黒ボスは毛艶が良く、実に健康そう。穏やかな表情を浮かべていた

 

 L字型の防波堤沿いにはいくつかのグループがあるようで、それぞれが別のボランティアさんからご飯をもらっていた。
 そして、その様子をひときわ高いところから見守っている1匹の黒猫がいた。他の猫たちが夕食にありつく様子を満足気に眺めている姿は「ボス」と呼ぶにふさわしい貫禄をまとっている。
 防波堤や漁港には釣り人が多いのでエサにありつく機会も多いのだが、同時に、釣り針を吞み込んだり怪我をしたりというリスクも高くなる。黒ボスの視線は、「みんな、明日また元気な姿を見せてくれよ」という祈りのように感じられた。


 

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最初は警戒していた猫も、カメラに馴れてきて、「撮るなら早く撮ってね」と大あくび

 

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「またね!」の呼びかけに振り向いてくれた。今日も明日も「生かされている」ことに感謝

 

 

*日本全国で「さくらねこTNR」の活動を広げている公益財団法人どうぶつ基金の新作絵本冊子「さくらねこ」の制作をシマネコキネマが担当しました。以下よりぜひ、e-bookをご覧ください。

https://www.doubutukikin.or.jp/sakuraneko_ebook/HTML5/pc.html#/page/1

 

*シマネコキネマの公式インスタグラム(今日の「ニャンくるにゃいさ」配信中)
https://www.instagram.com/shimanekokinema/
 

 

*本連載は毎月22日(=ニャンニャンの日)に配信予定です。次回もお楽しみに!

 

 

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仲程長治(なかほど ちょうじ)

1959年、石垣島生まれの写真家、アーティスト。2018年に完成した島猫映画『Nyaha!』が初監督作品。現在、イリオモテヤマネコの島、西表島を舞台にした映画『Us 4 IRIOMOTE』を撮影中。

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シマネコキネマ

沖縄を拠点に活動するメディアファクトリー。島猫映画『Nyaha!』の企画・制作、『琉球島猫百景』のコンテンツ制作などを担当。沖縄の猫メディアでつくる「島猫力向上委員会」のメンバー。

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島猫と歩く那覇スージぐゎー
著・仲村清司 写真・仲程長治

     

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