究極の個人旅行ガイド バックパッカーズ読本

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#26

LCCの機内持ち込み手荷物、重量制限と戦う

文と写真・『バックパッカーズ読本』編集部

 世界を一気に小さくしたLCCだが、荷物の重さに制限があるのはよく知られた話。機内持ち込み7キロまでという会社が目立つ。そのラインを超えないよう、バックパッカーは荷造りをするのだ。


 

当日の重量オーバーは高くつく 

「すみません、機内に持ち込む荷物はそちらですか?」
「え、ええ」
「念のため、重さを量らせてもらってよろしいでしょうか」
 天を仰ぐ。指摘された時点で、すでに負けている。いくらか重量オーバーしていることはわかっているのだ。ただ、LCCのチェックインカウンターでは見逃されることもあるから、自らの運に賭けていたのだ。が、負けた。
「3キロほどオーバーしてますね……」
 申し訳なさそうに言う係員。しかし、ルールをわかっていながら破ったのはこちらである。
「あちらで手続きをお願いします」
 と、チェックインカウンターから少し離れた受付に案内される。ほかの客の視線がやや痛い。
 結局、重量オーバー分の超過運賃は4000円ほどもかかった。自分が悪いくせに、割り切れないもやもや感を抱えて、カードで支払う。バンコクまでのもとの運賃は往復3万円ほどだった。もし4000円を加えれば、もう少しグレードの高い便に乗れたかもしれない。そして4000円は初日に予約したゲストハウスおよそ3泊分の値段だった……。

 

01
タイのLCCノックエアは7キロまでの手荷物は機内持ち込み無料

 

 

荷物はできるだけ軽く小さく 

 LCCのジレンマかもしれない。運賃自体は確かに安い。しかし有料オプションをさまざまに選択できるのだ。座席の場所、食事の有無、保険、電源や機内wifiの有無……そして手荷物。
  荷物を機内に預けるのか預けないのか、機内に持ち込む手荷物はどのくらいの大きさ、重さなのか。それによって選ぶオプションも料金も変わってくる。
 バックパッカーだったらやっぱり、少しでも安く上げたいと思うだろう。だから当然、預け荷物はナシ。そうすれば現地到着後、ターンテーブルの前で待つ必要もない。すぐに動き出せる。そして機内に持ち込む手荷物は、無料の範囲内で収めたい。
 だいたい手荷物は7キロまでというLCCが多いだろうか。サイズまで決められているところもある。もし超過すれば、追加料金が発生することになる。これは事前に予約申請しているよりも、だいぶ高いのだ。キロいくらで徴収される。そうとわかっていながらトボける客から、ふんだくってやれという思いも感じる。
 このチェックが、とくに日本発の便は厳しいように思う。日本人の律儀さからだろうか。
 そこでいかに出発時の荷物を減らすかについて考えてみたい。

 

02空港のチェックインカウンターでは、荷物の追加料金でモメているところをときどき見る

 

重量チェックをクリアする6つのワザ 

1.リュックやバッグはなるべく軽く
 これは基本だろう。がっちりした重いものだと2、3キロはする。詰められる荷物もそれだけ減る。スーツケースはさらに重いものもあるし、現地での機動力が低い。
 バックパッカーの旅はとにかく歩く。荷物制限に関わらず、荷物は軽いほど旅は快適になる。

2.スマホまわりはなるべく整理を
 バックパッカーだって通信機器などはどうしたって増える。充電器やモバイルバッテリー、アダプターなど、重さは増えるしケーブルは絡む。これは事前に精査してなるべく軽いものを選び、必要最小限に留めよう。旅先でもたいてい手に入る。
 なおwifiルーターをレンタルすると、本体、バッテリー、ケーブル、ケースとけっこうな荷物になるので注意。

3.日用品は持たずに現地調達
 シャンプー、石けん、歯ブラシ、歯磨き粉、ほかコンタクトレンズの洗浄液とか、化粧水や日焼け止めといったものは、荷物に入れない。すべて着いた先で買えばいいのだ。途上国だってそのくらいのものはいくらでも手に入る。しかも日本よりだいぶ安い。日程を考えてサイズを決めて買うといいだろう。
 どうしても必要なものは100均などで売っている小分けのケースに入れて、できるだけ軽くする(その前に飛行機は100ml以上の液体は手荷物として機内持込みができないので忘れずに)。
 現地に到着して宿に落ち着いたら、まずはスーパーマーケットやコンビニに行って買い物をするのだ。その国の通貨単位に慣れるいいレッスンでもあるし、楽しいもの。
 こうして買った日用品は、帰国便が出る直前に使いきってしまうよう調整を。

4.本は電子化で軽量に
 ガイドブックはけっこう重い。電子版をスマホなどに入れておけば荷物はずいぶんと軽くなる。旅先で読みたい本も同様だ。
 しかし、ガイドブックの場合、スマホよりも大きく広げられて、電源不要なので、よりアクティブに動けるという意見もある。そこで必要なページだけコピーしていくといい。

5.出発当日はがっちり着込む
 チェックインカウンターには、服を重ね着し、さらにあれこれとポケットに押し込んで登場するのだ。これで荷物の重量チェックも逃れられる(はず)。無事に超過料金を取られずにクリアして搭乗券を受け取ったら、服は脱いで、ポケットのものも出して、手荷物へと入れる。ちょっとずるい。そして暑い。

6.どうしても欲しいものはチェックイン後に
 チェックインした後でも、空港内の売店や免税店などで買い物をすることはできる。薬、本、スマホ関連、衣服、それに日本の土産なども買い込むことはできる。これを手荷物に入れてしまえばもう重量なんて関係ない。
 ……と思うが、搭乗直前で再度の荷物チェックをしている場合がある。もちろん免税店の袋なんか提げている客を狙い撃ちだ。あまり度を過ぎないようにしておくほうがいいだろう。そもそも空港内の物価は高い。現地到着まで待ったほうが得だ。


 こうしてあの手この手で、旅人はLCCの重量制限と戦うのである。帰りも同じように、日用品は荷物に入れず、重ね着をして挑みたい。
 とはいえ、現地発の便はあまり厳しく調べないことが多い。荷物を身体の陰に隠して、なにげなくチェックインすると、重量検査がないこともしばしばだ。「荷物、それだけですよね」と聞かれるだけでスルーされたりもする。そのためにもやはり、リュックやカバンは小さなものを選ぶといいだろう。

 

03
インドネシアのライオンエアも東南アジア各地で路線網を広げている

 

 

*本連載は月2回(第1週&第3週水曜日)配信予定です。次回もお楽しみに!

 

*タイトルイラスト・野崎一人 タイトルデザイン・山田英春

 

 

『バックパッカーズ読本』編集部

格安航空券情報誌『格安航空券ガイド』編集部のネットワークを中心に、現在は書籍やWEB連載に形を変えて、旅の情報や企画を幅広く発信し続けている編集&執筆チーム。編著に究極の個人旅行ガイド『バックパッカーズ読本』シリーズなど。

 

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