京都で町家旅館はじめました

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#23

2018 京都紅葉だより

文・山田静

 

 今年の紅葉はなんだか遅かった。

「いつはじまるんやろね?」

「知恩院さん、まだ早かったわー」

 ご近所さんやタクシードライバーさんたちからそんな声を聞くこともしばしば。今年は桜は早かったし、夏は酷暑で、紅葉は遅い。京都もだんだん亜熱帯みたいになっていくのかしら……。

 と、いっても、やっぱり木々は着実に色づいていった。今年最後の更新では、日々のなかで撮りためていった京都の紅葉をご紹介していこう。

 

 10月27日

 

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三十三間堂に比べて意外と外国人に人気のない(?)東寺だが、五重塔と紅葉の取り合わせはやっぱりかっこいい。実はここの薬師如来さま、勝手に「マイ仏」に認定していて、休暇明けや新年の節目ごとに近況を報告しに会いに出かけているのだった。

 

11月22日 貴船

 

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紅葉の盛りはちょっと過ぎたかな? というタイミング。台風被害で部分運行になっていた叡山電車は全線開通して、元気よく山を走り抜けていた。とはいえところどころ木がなぎ倒されていたり、痛々しい風景も目に入ってくる。鞍馬寺の奥の院参道はまだ復旧のめどがたっていない(鞍馬寺ホームページより)そうで、一日も早い完全復活をお祈りします!

 

11月23日 無鄰菴(むりんあん)

 

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山県有朋の別邸で、伊藤博文らが集い日露戦争について話し合ったという歴史的な邸宅。イベントも多く行われている。紅葉の季節は夜間も開放しており、庭を一望する座敷でスタッフが由緒を解説してくれる。紅葉絶景スポットを生中継で紹介するKBS京都の恒例「京都紅葉中継」は、今年はここがメイン会場になった。

 

11月29日 嵯峨野

 

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いつも大にぎわいの嵐山・竹林の小道を通り抜けると、急に人が少なくなる。緑豊かで美しい寺社・庭園巡りが楽しめる嵯峨野散索は最近のお気に入りだ。この日は紅葉がピークを迎えていた。

 

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清涼寺(嵯峨釈迦堂)。国宝の釈迦如来が有名だが、この季節特別拝観できる(京都の神社仏閣はこの特別拝観のタイミングが上手い……)霊宝館の仏像群がみごと。見せかたを計算しつくしている感がある庭園もかっこいい。

 

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宝筐院(ほうきょういん)。小さな入口をくぐると視界いっぱいに紅葉の庭園が広がり、口をあんぐり開けてしまう華やかさ。京都屈指の紅葉の名所、というのも納得だが、入口の「三脚禁止」「大型カメラ・中型カメラ禁止」「撮影目的の入寺はお断り」という張り紙に、ご苦労がしのばれます……。

 

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仏野(あだしの)念仏寺。奥嵯峨野の山腹にあり、ここまで来ると人気もかなり少なくなるうえ、そもそも風葬の場所だったとか、空海が野ざらしの遺骸を哀れんでここにお墓を建てた場所だとか、そんな由来も手伝って来るだけでちょっと寂しい。しかしびっしりと並ぶ石仏や石塔と紅葉の取り合わせは美しく、外国人旅行者はニコニコとお地蔵さん群の間に座って写真を撮っているのだった(まあ、私も海外に行ったらそんな感じだしな)。

 

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祇王(ぎおう)寺。夏は苔、秋は落葉の庭園が美しく、庵のたたずまいも素敵で好きなお寺のひとつだ。平清盛の心変わりで別れさせられた白拍子・祇王と仏御前が祇王の妹・母と一緒に余生を過ごしたという由来が泣かせる……というか、女子旅だとこの由来きっかけで小一時間話題が持ちそうだ。

 

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落柿舎(らくししゃ)。元禄の俳人・向井去来の庵で、句会にもよく使われるそう。かやぶき屋根や古い台所道具などが渋い、かっこいい、と思っていたら、「水戸黄門」など時代劇のロケも行われるのだとか。庭園には季語に登場する植物も植えられて、風情たっぷり。敷地内の竹のポストに俳句も投函できるので、一度挑戦してみたい。

 

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日が落ちると真っ暗になる嵯峨野。それもまたいい

 

11月30日 永観堂

 

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京都有数の紅葉の名所、今年はどんなかしら……とライトアップ期間終了の直前に行ってみた。今年は11月の連休が紅葉のピークと重なり、開園30分前に大行列ができ、入園1時間待ち、というテーマパーク並みの人気だったそう。しかしここのライトアップや織りなす紅葉の彩りはやっぱり華やかで、貫禄すら感じてしまうのであった。

 

12月7日 再び嵐山~嵯峨野

 

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紅葉も終わりかけのころ、再び嵯峨野を訪れた。外国人にも人気の大河内山荘、真っ赤な落葉がフォトジェニックな厭離庵(えんりあん)……。終わりかけでも落ち葉でも華やかでカラフルで、見飽きることがない。

やっぱりこれは、みんな見に来たいよなあ。京都の紅葉、恐るべしである。

 

 

12月10日

 

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銀杏の葉も落ち、12月中旬になると、京都は静けさを取り戻す。朝晩キンと冷え込むが、空気は澄み渡り、空が広い。自転車をこぎながらふと目を上げると、西本願寺の門が堂々とそびえ、上には青空。

この時期の京都、悪くないなあ、なんて思うのであった。

もうすぐ楽遊も、3回目のお正月を迎える。

 

 

 

 

*町家旅館「京町家 楽遊 堀川五条」ホームページ→http://luckyou-kyoto.com/

*宿の最新情報はこちら→https://www.facebook.com/luck.you.kyoto/

 

 

*本連載は毎月20日に配信予定です。次回もお楽しみに!

 

 

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山田 静(やまだ しずか)

女子旅を元気にしたいと1999年に結成した「ひとり旅活性化委員会」主宰。旅の編集・ライターとして、『決定版女ひとり旅読本』『女子バンコク』『成功する海外ボランティア』など企画・編著書多数。2016年6月開業の京都の町家旅館「京町家 楽遊 堀川五条」の運営も担当。

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