究極の個人旅行ガイド バックパッカーズ読本

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#21

旅先でのネット接続〈1〉Wi-Fi、Wi-Fiルーター

文と写真・『バックパッカーズ読本』編集部

 人の生活にもう欠かせないインフラとなったインターネット。バックパッカーもスマホやタブレットなどを持って旅をする。現地でのネット接続にはいろいろな方法があって一長一短だが、どれがいいのだろうか。自分にあったスタイルを考えてみたい。

 

 

Wi-Fiは不安定なこともある 

 4階の角部屋だというから「もしかして……」とは思ったのだ。宿のおっちゃんに案内された部屋は、確かに通りに面していて、ベランダこそないが窓からの眺めはけっこう良かった。ざっと見渡し、水まわりだとか、エアコンのリモコンがちゃんと動作するのかを確認したら、すぐに宿のWi-Fiにつなげてみるのはもはや旅行者の習性といえよう。昨今はいちいちスタッフに聞かずとも、部屋にログインIDやパスワードが張り出されていたり、鍵にメモが巻かれていたりするのでわかりやすい。
 スマホを見ると、案の定か……。電波は微弱である。つなげてみたのだが、ヤフーのトップすら開かない。遅い。挙句、ぷっつりと切れてしまったりもする。またつなげるが、反応はにぶい。うーん……。
 1階ロビーで寝転がってるおっちゃんに聞いてみると、申し訳なさそうに隅のルーターを指差して「このまわりではよくつながるんだけど、上の階ほど弱くて」という答え。よく調べずに予約サイトで取った部屋で、ほかはもう埋まっているので変更はできないのであった。だからネットを使うときはいちいちロビーに降りてくるハメになった。面倒だが仕方ない……。
 こんなことは旅をしているとけっこうある。

 

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カフェなどではレシートにパスワードが記されていることもある

 

 

荷物がかさばらずお金もかからないWi-Fi 

「いまや途上国でもWi-Fiはどこにだってある」とタカをくくっていると、いざ必要なときにつながらなかったりする。古いホテルだとこんな傾向が強いように思う。逆に新し目のホステルでは、どの部屋も強力なWi-Fiが飛んでいることが多い。
 予約サイトやガイドブックにはWi-Fi完備と書いてあっても、「いま故障中」なんて言われてがっくりすることもある。宿かこちらか、どちらの設定が悪いのかはわからないが、さっぱりつながらなくて困ることもある。
 また空港だとか駅など、公共施設に飛んでいるWi-Fiも不安定な場合がある。敷地が広いから電波の届かないところがあるのか、利用者が多くて回線が混み合っているのか、ときどき速度が落ちたり接続できなかったりするのだ。飛行機を降りて数時間ぶりにネットをチェックしてみようとスマホを立ち上げ、空港のWi-Fiにパスポート情報やら名前やらを入力してみるが、なぜか使えない……人によっては耐え難いストレスだろう。この「なぜかWi-Fiにつながらない」という現象に、旅先ではよく遭遇する。
 それでも「バックパッカーのネット環境」を考えたとき、Wi-Fiの利点もある。いちばん大きいのはとにかく「荷物が少なくて済む」ことだろう。スマホ一台あればいいのだ。タブレットやノートPCという人もいるだろうが、それだけでいい。ほかのガジェットやそのケーブル、充電器といった周辺機器はもちろん必要がない。身軽なのだ。バックパッカーは荷物を持って移動することの連続だ。持ち物はなるべく少ないほうが、軽いほうがいい。
 加えてWi-Fiだけで旅をしているぶんには、お金がかからない。通信費は無料である。この後に解説するWi-Fiルーターや、SIMカードは有料で、旅が長くなるとけっこうな出費となる。しかし宿や公共施設、カフェなどのWi-Fiを使っているだけなら無料だ。
 そしてWi-Fiがないところではネットから解放されて自由になれるというのも、いまの時代では利点かもしれない。いちいちSNSの反応やニュースにとらわれることもない。日本でスマホが手放せない生活をしているなら、旅先くらいは「たまにネットにつなげる」くらいにしてみるのもいいものだ。デジタル・デトックスというやつである。そのつもりで旅をしていれば、宿のWi-Fiが遅いくらいでイライラすることもないだろう。

 

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タイでもこんな掲示を見る。QRコードを読むと、スマホに観光スポットの解説が表示されたり音声ガイドがはじまったり

 

 

Wi-Fiルーターのレンタルはどうか 

 日本と同じように、旅先でも常時接続したいと思うのは当然だ。宿のWi-Fiだけでなく、街を歩いているときでも、いつでもネットにつながっていないと落ち着かない人は多いことだろう。
 そのためにはまず、Wi-Fiルーターをレンタルするという手がある。タバコの箱よりひとまわり大きいくらいだろうか。コレが現地プロバイダーの電波を拾ってくれるのだ。そしてルーターとスマホはWi-Fiで接続する。日本と同じ感覚でスマホが使えるようになるのだ。
 もちろんどこでも使えるし、速度は安定している。なかなかに使い勝手がいいのだ。フリーのWi-Fiと同じように、ルーターに記されたパスワードなどを入力するだけで使える。ルーターは事前に手続きをしておけば、出発する日本の空港で受け取ることができる。そのときに使い方のレクチャーもしてもらえるだろう(付属の説明書を読めばカンタンだが)。返却のときも帰りの空港でいい。
 デメリットを挙げるなら、まず料金がけっこうかかるということ。会社にもよるが、バックパッカーに人気のタイを例に取ると、1日あたり300~1000円といったところ。それぞれ使用できる容量の制限があったり無制限だったり、速度が違ったりとまちまちだ。
 しかし最低ランクのプランでも1日300円前後、およそ85バーツかかるのだ。屋台で2食いける値段である。バックパッカー的には考えてしまう値段かもしれない。仮に1か月ほど旅するなら1万円くらいになるのだ(長期割引のある会社もあるが)。加えて複数の国を旅するなら、ルーターの数も国の数だけ増える。複数国に対応したルーターもあるが、そのぶん料金は高めだ。
 Wi-Fiルーターのレンタルは「長期で」「いくつもの国をまたぐ」ときには向かないのだ。予定をまったく決めずに旅している人にとってはなおさらだ。レンタル期間が決められないのだから、借りようがない。
 反対に、数日から1週間程度の短期旅行や、出張者にとっては重宝するだろう。つながらない、遅いと言ったトラブルはあまり聞かないし、なにかあれば日本のサポートデスクもある。
 ルーターは本体のほかに充電器やケーブルなどもあり、荷物になることは承知の上で。また機器によってはバッテリーがいまひとつで、1日もたないこともある。
 それと、「万が一の紛失の際は多額の賠償が必要になるから」と、保険をかけさせる会社も多い。これは1日200~500円ほどと、日数が増えればやはりかなりの出費となる。ここで利益を生んでいるようにも思うのだが、断ることも可能だ。

 

 

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Wi-Fiルーターはこのくらいの大きさ。移動中でも、もちろん使える

 

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こうした表示は世界中どこに行ってもある

 

(次回に続く!)

 

 

*本連載は月2回(第1週&第3週水曜日)配信予定です。次回もお楽しみに!

 

*タイトルイラスト・野崎一人 タイトルデザイン・山田英春

 

 

『バックパッカーズ読本』編集部

格安航空券情報誌『格安航空券ガイド』編集部のネットワークを中心に、現在は書籍やWEB連載に形を変えて、旅の情報や企画を幅広く発信し続けている編集&執筆チーム。編著に究極の個人旅行ガイド『バックパッカーズ読本』シリーズなど。

 

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