<時間旅行>戦前日本の日記

昭和8年​:警察学校を卒業。新人警察官として勤務を始めたばかりの男性。#戦前の日記 #1933年6月28日


10代後半もしくは20代前半の男性。警察学校を卒業し新人警官として勤務中。11月12日12月23日2月19日3月29日4月26日5月17日5月31日の日記と同じ人物。
diary2016.6.28


ーーーー 公園付近で賭博開帳中の風聞有るに依り書の方も連絡を取りて○(?)いてより直ちに更衣して現場に踏み込みたれどなんの事もなく失敗に終わってしまって残念だった。 早帰りの○(?)なのか何やかやらで九時頃になってしまった。交代を終了してよりぐっすりと休む。午後二時頃となりてより昼食を済ましてから深川不動尊に参詣に行く。オバも一緒に実君も入れて四人なり。 降りもせず照りもせずと云うので好き日和と思うていたりけれど参拝を済まして一寸歩いて居ると急に降雨始まりたれば早速と円タクを走らせて帰家す。 俸給日なので夕食は雑煮の馳走を頂く。 ーーーー


この日記を書いた男性は東京は下町の警察に勤務する警察官だ。この日は賭場開帳の噂を聞きつけ現場に急行したものの空振りに終わるってしまったようだ。 おそらくこのときの賭場で行われていたと考えられるのは「手本引き」だろう。 現在は博徒がする賭博といえば丁半ばくちを思い浮かべる人も多いだろう。しかし、賭場といえば戦前戦後にかけて主流だったのは手本引きだ。 手本引きとは、1人の親と数人の子が行う賭博で親が1から6の数字を選びそれを子が予想するというものだ。 この賭博は偶然やカンよりも親の性格や癖、過去のデータなどを駆使して予想するもので、その心理的攻防戦の興奮度は非常に高いといわれている。この手本引きは博徒の間では、丁半博打よりも遥かに格上と考えられ「究極のギャンブル」、「賭博の終着駅」と呼ぶ人もいたほどだった。


【昭和8年の出来事】 1月 ヒトラーが独首相になりナチス政権樹立  2月 『蟹工船』の小林多喜二が特高警察により逮捕。拷問により殺される  3月 三陸地方大地震。津波により多くの被害が出る  9月 伊勢丹が神田から移転し新宿に出店

< 2016.06 >

 

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