わざわざ飛行機に乗って、麺を食べに行ってきます。

わざわざ飛行機に乗って、麺を食べに行ってきます。

#17

松本「信州そばとラーメンと」

文と写真・高山コジロー

 

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わざわざ飛行機に乗って、長野県松本に麺を食べに行ってきました。

 

 

「飛行機で松本に?」

もちろん東京から飛行機で松本には行けません。東京からなら、「特急あずさ」でしょ。

そもそも、長野県に空港が存在することが、あまり知られてない。

その名は松本空港。愛称「信州まつもと空港」の歴史は古く、開港は1965年。

現在は年間を通しての定期便はなく、JAL及びフジドリームエアラインズ(JALコードシェア)が限定で札幌、福岡、神戸などに就航している。

今回は、8月の1カ月間だけ毎年運行しているJAL「伊丹から松本」への便を利用。

そのため前回の「奈良」からの帰りは、伊丹から東京ではなく松本に。1泊麺の旅である。

 

飛行機データ

●伊丹-松本 08:40-09:30  JAL2271便 (普通席) ウルトラ先得9,960円
(2019年搭乗実績/JAL33回、ANA1回、天草エアライン1回)
 (※宿泊費別途)

 

【今回のマイル】 伊丹-松本の通常マイルは「183」
●伊丹-松本
フライトマイル:183×75%(先得)=137マイル
ボーナスマイル:フライトマイル(137)×105%(サファイア会員)=144マイル
137+144=281マイル

 


 

奈良から高速バスで伊丹へ

 

伊丹08:40発松本行きの便に乗るために、早朝にチェックアウト。奈良駅06:35発の高速バスに乗り込む。07:45分着予定。新しくなった伊丹のサクララウンジで過ごす時間がありそうだ。

高速に入るとすぐに爆睡。運転手のアナウンスで目が覚めると、バスが止まっている。朝の通勤ラッシュに巻き込まれ動かない。20分ほど遅れるとのことだ。大阪市内に近づくにつれさらに動かず、ほぼ停車。

渋滞がひどく30分から40分ほど遅れるとの再アナウンス。小雨が降ってきて、イヤな予感、、、。

麺の旅始まって以来、飛行機乗り遅れか、、、。

最悪の事態もよぎったが、幸いに大阪市内の梅田を抜けると急に流れ出し、08:12に到着。

時間の余裕はなかったが、リニューアル後は未訪のサクララウンジによる。

かなり広く、スタイリッシュでキレイになったラウンジは、ビジネスマンで溢れている。

僕は、とりあえずビール!(笑)。滞在わずか10分(笑)。

 

 

いざ松本へ

 

小さな機体ながら機内はほぼ満席。ほとんどが信州への観光客のようだ。

実際の飛行時間は40分ほど09:30到着。空港に着くと土砂降り。雨男は健在である。

日本一標高が高い空港で雨ということもあり、気温は20℃ほどしかなく肌寒い。

空港からはバスで長野市内など多くの都市を結んでいる。松本行きは09:50発。空港の出口に隣接したきれいな喫煙所で一服し高速バス(600円)に乗り込む。

30分ほどで松本駅に到着。雨は止んだが天気はすぐれない。ただ空気がとても新鮮だ。

 

 

 

 

「そば処 浅田」十割そば@松本


【飛行機に乗って麺の旅】115軒目

信州といえば、蕎麦が有名だ。まずは、やはりお蕎麦。多くの老舗蕎麦屋が点在する松本城周辺とは反対側にある、評判の手打ち蕎麦「そば処 浅田」を開店と同時に訪れる。

メニューは、ざるそばと十割そばのみ。「十割そば」(1100円)1枚を注文する。

 

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お盆にザルが直接置かれる。なんともきれいな麺姿。水切りよく、極細でありながら均等で、技が冴える。まずは蕎麦をつまんで食べてみる。

コシ、歯応えよく蕎麦の香りと旨味、甘味が口いっぱいに広がる。自家製粉の素晴らしい十割蕎麦だ。

つゆにつけて啜る。マイルドで優しい醤油のかえしが、蕎麦と好相性。

添えられた辛味大根を麺の上にのせて食べてみる。キリッとした辛味、苦味が蕎麦とつゆと絶妙なハーモニー。山葵、葱の薬味もいい塩梅だ。

喉越しよくスルスルと1枚完食。この後連食でなければ、もう1枚追加したいところだが、グッと我慢して、最後の風味豊かな蕎麦湯を愉しむ。

食べ終えてザルをめくってみると、1滴も水滴が下に垂れていない。さすが、旨い蕎麦は水切り加減が絶妙。まさに職人技、こんな蕎麦に出会えると思わず顔が綻ぶ(笑)

おいしかったです。ごちそうさま。

 

 

IMG_4020「そば処 浅田」/松本市深志3-10-11/11:30~16:00/日・月曜日休み 臨時休業、長期休業有(冬季)あり

 

 

 

松本城公園で昼寝
 

どうしても行きたい蕎麦屋が松本にある。そこは予約必至なのだが、予約せずのんきに暖簾をくぐると超満席。今日は予約でいっぱいだという。「何時でもかまわないので、お願いできませんか」と伝えたところ、女将さんから、「東京から来てくれた? 団体さんが入っているけど、2時以降なら大丈夫」とのことなのでその場で予約する。

そうなんです、わざわざ東京から。いや今日は伊丹から飛行機で(笑)。

時間があるので街を散策、さらに松本城まで足を伸ばす。日本最古の天守で国宝に指定されている松本城は風格があり荘厳だ。雨があがり日差しが強いので内堀近くのひさしのあるベンチに座り休憩。城の中もいいのだが、お堀越しに眺める城の姿が素晴らしい。

晴れたと思ったら突然のスコールで身動きが取れなくなる。雨に煙る松本城の眺めの美しいこと。

早朝奈良を立ち、バス、飛行機、バスと乗り継ぎ、お腹も満たされている僕は、ベンチで昼寝タイム。そよ風が心地いい。

 

 

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「三城」蕎麦と日本酒@松本
 

【飛行機に乗って麺の旅】116軒目

2時ちょうどにお目当ての蕎麦屋「三城」に。暖簾をくぐると懐かしい風情。「三城」は東京の麹町に店があり、松本に移転。常連というほどではないが、若かりしころ、ちょくちょく訪れていた馴染みの店。

女将さんは昔と変わらず、凛とした着物姿で迎えてくれた。

「わざわざ東京から来てくれたの、ありがとう。お顔覚えているわよ」と、嬉しい言葉。

最初に片口の日本酒がやってくる。最初のアテは「アミタケのおろし」。

 

 

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そうこのお店、メニューがないのだ。日本酒と蕎麦を嗜む店。

しかも日本酒は常温。蔵元に特注しているこの酒が実に旨いのだ。

「冷酒も燗酒もさめるでしょ。だからうちは蕎麦にあう、常温で美味しいお酒にしているの」と、女将さんから説明を受けた、麹町の遠い記憶が蘇る。

確かに長っちり、飲み助の蕎麦呑みには、ちょうどいい温度なのだ。

 

 

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次に「青唐辛子の味噌和え」。これまた酒にあう。早くも日本酒をお代わり(笑)。

ちびちび酒をやっていると、いよいよ蕎麦が登場。

 

 

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大きな器に盛られた太めの田舎蕎麦。それを個別に小さなザルに移して食す。「ああ、懐かしい」。

ただ懐かしいだけでなく、つややかで蕎麦の香り、コシ、食感が最高の手打ち蕎麦である。

 

 

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蕎麦はのびてしまうから、一気に啜りたいところだが、ここは別。たっぷりの薬味と蕎麦と日本酒をちびり、ちびり。

昼からの蕎麦呑みは最高だ。

 

 

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ほどなくして、糠漬けが提供される。何十年も守られた糠床で浅漬けされた逸品を食べるだけでも松本に来た甲斐がある。

最後に蕎麦湯とともにいただくデザートの蕎麦羊羹は、上品な味わいだ。

おいしかったです。ごちそうさま。女将さん、ありがとう。

 

 

IMG_4045「三城」/松本市大手3-3-5/11:30~15:00/日曜日休み

 

 

 

「月の兎影」あさりラーメン@南松本
 

 

【飛行機に乗って麺の旅】117軒目

ホテルにチェックイン。早速、夜はラーメンにしようと、雨の松本の街を彷徨いながら2軒ほど試みるが…まったく満足できず…(ツイッターにも上げず)。

さらに雨脚が強くなり、ホテルに戻ろうか思ったが、旨いラーメンが食べたい。予定していなかった隣の南松本駅まで遠征することに。土砂降りの雨のなか南松本駅から5分ほどの「月の兎影」を訪れる。

満席で10分ほど中待ち。カウンターに案内される。

メニューのベースは極あっさりの貝系か、濃厚動物系という両極端な2種。

極あっさりの貝系で生あさり、しじみをふんだんに使ったという「あさりラーメン」(880円)を注文する。

 

 

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透き通ったスープからいただく。あさりとしじみの出汁がよくでていてシンプルに旨い。

貝特有の雑味なく、滋味深い。じわじわスープの旨味が雨に濡れ冷えた身体に浸透する。

平打ちの縮れ中太麺がスープによく絡む。トロトロチャーシュー、味玉、青梗菜の具材もいい塩梅だ。

 

 

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スープの出汁だけでなく、具材にも新鮮な大ぶりなあさりがたっぷりでヘルシーなラーメン。店内に女性客が多いのも納得だ。真逆の濃厚系もトライしたいところだったが、すでに今宵はラーメン3杯平らげているので断念。

おいしかったです。ごちそうさま。

 

 

IMG_4085「月の兎影」/松本市双葉7-23/11:30~14:30,17:30~22:30/月曜日休み

 

 

 

「樽木野 駅舎店」冷やしきつねそば@松本

 

【飛行機に乗って麺の旅】118軒目

朝からビールが飲みたくなり、0730開店の駅に隣接する「樽木野 駅舎店」を訪れる。

さすが信州だ、「蕎麦モーニング」があり(笑)、もり、月見、たぬき、きつねの冷温いずれかと、いなり、そば薄焼き、おやきから1品付きで740円。しかも10時までは蕎麦だけでなく「モーニングビール」があり「アサヒ熟撰生」が260円!コンビニより安い。「冷やしきつね」といなり、ビールを注文する。

 

 

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外を眺めると、通勤、通学で駅に急ぎ足で向かうと人の波が揺れる。僕はひとりビールと蕎麦を嗜む。

本格的な石臼挽き、手打ち蕎麦で、冷たいつゆのカエシもよく、味よし、コスパよろし。

ビールをお代わり。朝ビールはこの上なく旨く、蕎麦にあう(笑)。

おいしかったです。ごちそうさま。

 

 

IMG_4116「樽木野 駅舎店」/松本市深志1-1-1MIDORI松本店1F/7:30~21:00/不定休

 

 

 

 

「麺肴 ひつぎ」味噌ラーメン@松本

【飛行機に乗って麺の旅】119軒目

チェックアウトして麺旅の締めは、駅から10分ほど醤油系ラーメンが評判の「麺肴 ひづき」を訪れる。開店間もないが満席だ。

スープは、鶏ガラベースに魚介とあさり出汁の清湯、鶏ガラ+豚骨ベースの白湯の2種。メニューは豊富で、醤油清湯、白湯、つけ麺などどれもそそられるが、信州といえば「味噌」。その信州味噌を使った「味噌ラーメン」(820円)を注文する。

 

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スープをひと口啜る。鶏ガラと豚骨の白湯に甘めの信州味噌、玉ねぎ、りんごを合わせた濃厚でトロミのあるスープは独特の味わいで面白い。

中でも麹感のある味噌がいい演出。平打ちのちぢれ太麺が、濃厚スープに抜群にあう。

 

 

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具材の鶏と豚のチャーシューも丁寧な仕上げで旨い。

松本最後の1杯で、旨い信州味噌ラーメンに出会えた。

おいしかったです。ごちそうさま。

 

 

IMG_4100「麺肴 ひづき」/松本市大手4-6-3/11:30~14:30 17:30~22:30

 

 

 

 

マイラーの終わりなき麺の旅は続く。

 

蕎麦、ラーメンともに満足の1泊2日。松本から東京へは飛行機では帰れず、電車かバスになる。いずれも新宿着。帰りは特急「あずさ」!と思っていたが、特急の自由席が廃止され、すべて指定席のみになり6,500円と高くなった。所要時間は2時間40分ほど。

バスは酔うので苦手なのだが、3,800円は魅力。駅前の格安チケット屋でさらに3500円に。

結局、懐さびしい自腹旅。3時間30分のバス旅を選択したのだが、、、。

ああ、やはり「あずさ」だったかな。酒では酔わないのに、案の定車酔い。

車内で飲もうと思った信州ワインカップとつまみに手をつけることもなく、、、。

そして大雨の中央道は大渋滞。八王子からまったく動かない。酔いは酷く、トイレのない高速バスで、ああ最悪。

もちろんバスのせいじゃありません。バスのリスクは重々わかっての選択。

予定よりも大幅に遅れてバスタ新宿に到着。夕方からの打ち合わせにも遅れてしまう、、、。


この旅で、JALの搭乗回数は2019年33回。
福井から始まり、久留米、天草、尾道、福山、三原、松山、青森、山形、金沢、札幌、小樽、京都、三重、函館、大分、奈良、松本、、。


オヤジマイラーの終わりなき麺の旅は、まだまだ続く。
次回は、伊丹から飛行機に乗って北九州・小倉に。
終りゆく夏競馬とセンベロ呑み歩き。いや小倉ラーメン食べ歩き!

 

 

2019年1月、連載とともにツイッターを始めました。
フォロワー400人超えました。ありがとうございます。

 


タカヤマコジローkojiro@takayama_kojiro
 


「飛行機に乗って、麺の旅」 ライブでつぶやき、
「飛行機に乗らない、東京麺旅」東京近郊での麺活をつぶやく。

 

 

 

 

 

*この連載は毎月第2第4月曜日に更新予定です。

顔

高山コジロー

編集者・旅人・たまにバーテンダー。大学卒業後、出版社にて男性ファッション誌、女性ファッション誌、漫画誌、トラベル誌、フリーマガジンなど20 年に渡り20 誌ほど編集長として携わる。現在は白黒の雄猫と共に気ままに暮らす。小学生の頃より極度の乗り物酔いだが、なにしろ飛行機が好きなので、生涯搭乗数は優に400回を超える。忘れられぬ旅はJAL ファーストクラス(特典航空券)で行ったパリ一人旅。酒好き、旨いものに目がない「食いしん坊」でもある。「KOJIRO(コジロー)」名義にて2017 年、『TABILISTA 』にてJALサファイア会員になるために年間50回飛行機に乗り、ついでに麺を食べに行く「マイル修行&麺の旅」を好評連載。本編はその続編にあたる。

 

 

 

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