韓国の旅と酒場とグルメ横丁

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#15

安くて旨くて活気ある鍾路3街の魅力おさらい

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 ソウルの中心部で地元の人のように韓国を楽しみたいなら、5号線鍾路3街駅の3、4、5、6番出口がある通りに限る。この辺りには安くて旨くて活気のある店が多いし、5万ウォン程度で泊まれるシンプルな宿も多いので、ソウルの旅の拠点にしてもいい。

 今回はおなじみの仁寺洞エリアから数十メートルだけ東に進んだところにある鍾路3街の魅力をおさらいしてみよう。

韓国版かけそばが2000ウォン

 安国駅6番出口方向から仁寺洞の表通りを進み、仁寺洞サゴリと呼ばれる四つ角を過ぎ、その少し先の左手にあるMGセマウル金庫の先を左折すると、ビルの1階部分に車道が通っているのが楽園商街。この地下には知る人ぞ知る市場があり、囲いも飾り気もない店でチャンチククス(韓国版かけそば)がたったの2000ウォン(約180円)で食べられる。ここは大衆酒場でもあり、昼間からジョンをつまみにマッコリを飲む中高年の姿も見られる。

 

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仁寺洞から楽園商街(オレンジのビル)へ向かう道

人気のスープとごはん、大根キムチ付きで2000ウォン

 楽園商街ビルの下の横断歩道(トンネルふう)を渡ると、すぐ右手に大きな鍋でスープを煮込んでいるくたびれた感じの店『ソムンナンチプ』がある。この辺りではとても有名な店で、メニューは大根の干し葉や豆腐を牛肉ダシで煮込んだスープだけで、これにごはんと大根キムチが付いてなんと2000ウォン。コショウのきいたスープはごはんが進むので、短時間でサッと食事を済ませたいときにおすすめだ。

 

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『ソムンナンチプ』のスープとごはん、大根キムチ付きで2000ウォン。マッコリも1瓶2000ウォンで飲める

本格的な冷麺が7000ウォン

『ソムンナンチプ』の角を右に曲がって少し行くと、おじいちゃんたちの憩いの場、タプコル公園にぶつかるのだが、その手前左手にあるのが『ユジン食堂』。ここは“ソウルの冷麺ベスト10”のようなグルメ記事の常連店で、本格的な冷麺が7000ウォン(専門店の相場は10000ウォン)で食べられる。他にソルロンタンが 4000ウォン、マッコリに合う緑豆チヂミが6000ウォンとリーズナブル。

 

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『ユジン食堂』の緑豆チヂミ(ピンデトック)6000ウォン

こぎれいな食堂で食べたい人は

 鍾路3街駅5番出口方向の向かいにある『サムサム・クッパ』は、先述したような市場っぽい店は苦手という人向け。チェーン店だが、チゲ(鍋)やタン(汁物)がひととおり美味しく、おばちゃんの接客もあたたかみがある。おすすめは栄養価が高く、キムチとも相性がいいビジチゲ(おから鍋)5000ウォン。

 

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鍾路3街駅5番出口近くにある『サムサム・クッパ』。この向かいにユッケが食べられる焼肉店が

日本では気軽に食べられなくなったユッケとビール

『サムサム・クッパ』の向かいには『ナジュコムタン』という焼肉店があり、ここでは日本ではなかなかお目にかかれなくなったユッケ(小18000ウォン)が食べられる。この辺りには庶民的な店が多いので、2人でユッケとビールだけ頼んでもいやな顔はされない。

 

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『ナジュコムタン』のユッケ(小)18000ウォン(約1600円)

人気のある地方産マッコリが破格値で

 4番出口の向かいと6番出口の中間辺りある緑色の看板が目印の『ヘンボッカンチプ』は、いまや鍾路3街でもっとも人気のある大衆酒場。マッコリの種類が豊富な店にはとても見えないが、おなじみの長壽だけでなく、釜山の金井山城の瓶を4000ウォン、井邑のソ・ミョンソプを5000ウォンで出す価格破壊店。各種のジョン(チヂミ)を肴にふところを気にせずマッコリが楽しめる。

浦項名物がいつでも食べられる店

 腹にたまる料理や、やたらとたくさん添えられるつきだしよりも、美味しい肴をちょっとだけつまみながら、じっくり飲みたい人向けなのが『浦項食堂』。店名からもわかるように、ここでは東海岸の名物クァメギ(サンマの半干し、身欠きニシンふう)が通年食べられるほか、アグスユク(アンコウの湯引き)や珍妙ホンオフェ(エイの刺身)なども楽しめる。

 

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『浦項食堂』のアンコウの湯引き(センムルアグ)50000ウォン

路地裏の豚焼肉人気店

 6番出口の右手の路地を入ると、そこは大衆的な豚焼肉横丁。ダントツの人気店は赤い看板が目印の『味カルメギサル』。ここではカルメギサル(豚ハラミ)やマクチャン(ホルモン)をつまみながら焼酎をあおろう。満席の場合は裏手にある『コチャンチプ』か『クァンジュチプ』へ。

 

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陽の高いうちから店の外にまで客があふれる『味カルメギサル』。カルククス横丁は左手の路地の最初の角を左折

カルククス横丁

『味カルメギサル』に向かって、左手の路地裏に入り、大型店『クァンジュチプ』の手前の路地を左に入ったところはカルククス(韓国式うどん)横丁になっている。讃岐うどんを思わせる歯ごたえのある麺が、アサリやムール貝とともに関西ふうのスープに入っていて、辛いものが苦手な人でもおいしくいただける。

 

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路地裏のカルククスはボリュームたっぷり

 

 カルククス横丁を抜けると、先述の『ヘンボッカンチプ』の裏側から地下鉄駅出口の通りに出るので、楽園商街の下をくぐれば、再び仁寺洞方向に戻ることができる。

 

 

*本連載は月2回配信(第2週&第4週金曜日)の予定です。次回もお楽しみに!

 

 

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紀行作家。1967年、韓国江原道の山奥生まれ、ソウル育ち。世宗大学院・観光経営学修士課程修了後、日本に留学。現在はソウルの下町在住。韓国テウォン大学・講師。著書に『うまい、安い、あったかい 韓国の人情食堂』『港町、ほろ酔い散歩 釜山の人情食堂』『馬を食べる日本人 犬を食べる韓国人』『韓国酒場紀行』『マッコルリの旅』『韓国の美味しい町』『韓国の「昭和」を歩く』『韓国・下町人情紀行』『本当はどうなの? 今の韓国』、編著に『北朝鮮の楽しい歩き方』など。auポータルサイトの朝日新聞ニュースEXでコラム「韓国!新発見」連載中。株式会社キーワード所属 www.k-word.co.jp/

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