台湾の人情食堂

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#12

週末台北、たまには女子旅の話

文・光瀬憲子

   

 このところ同年代のアラフォー女子から「週末台湾に行くんだけど、おすすめの店は?」と聞かれることが多くなった。LCCの便数も増え、気軽に行ける台湾は女子旅に最適なのだ。今回は仲良し女子数人で行く台湾旅行のオススメ店をピックアップしてみた。 

大人の遼寧街夜市でビールと海鮮

 昨今、日本ではオシャレなバルや昔ながらの居酒屋がブームとあって、飲み歩きする女性が急増している。でも、台湾は日本や韓国と比べるとお酒が飲める飲食店を見つけるのが難しい。飲みながら食べるという文化が浸透していないのだ。夜市で美味しそうな唐揚げに出合っても、ビールが置いていないことが多い。客の回転が悪くなるためだ。

 では、飲兵衛女子が気軽に一杯やれる場所はどこか? ちょっと大人の夜市、遼寧街夜市である。台北市内の東部に位置し、屋台が立ち並ぶ他の夜市とは一線を画している。遼寧街夜市には海鮮やガチョウ肉を扱う台湾式ビアガーデンが多く、華やかなネオンが手招きしている。大きめの店の前には生簀(いけす)がズラリと並び、道にはみ出すようにテーブルが置かれている。どの店内も小ぎれいで広く、日本語や英語のメニューがあったりする。地元サラリーマンのグループが多いため、アフターファイブはかなりの賑わいを見せる。

 このあたりの店では、生簀から魚介類を選び、店員に「蒸す」「揚げる」「炒める」など調理方法を指定する。時価のものもあるので値段は注文時に確認しておこう。大皿料理が多いので、女性3~4人のグループなら3皿程度で十分。どれもビールに合うツマミばかり! 暑い台湾で飲む台湾ビールはまた格別だ。

 

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遼寧街夜市の海鮮料理店

 

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通好みの台北ビール(ヴァイスビア)

 

 

臨江街夜市で素朴なスイーツ

 

 そんな大人の夜市も素敵だが、やっぱり屋台夜市も楽しみたい。台北には大小さまざまな夜市があり、それぞれに特徴がある。規模がもっとも大きいのは士林夜市、食べ物が美味しいのは寧夏夜市…など。私が女子旅におすすめしたいのは臨江街夜市(旧・通化街夜市)だ。台北市東部のアクセスしやすい場所にあり、コンパクトにまとまっていて歩きやすい。

 

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臨江街夜市の入口

 

 美味しい屋台が多く、特にスイーツ屋台が充実している。また、雑貨店が多いのも女子にはうれしい。服、帽子、靴といったファッションやキーホルダーや携帯グッズなど可愛らしい小物も揃う。意麺や割包といった台湾ならではの屋台料理ももちろん網羅しているのだが、おすすめは九份名物のタロイモ&サツマイモスイーツ「芋圓・地瓜圓」。手作りのタロイモとサツマイモ団子はモチモチとした食感が後を引く。夏は冷たく、冬は温かくして食べられるのも魅力だ。

 

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タロイモ&サツマイモスイーツ(手前中央)

下町、龍山寺経由伝統スイーツ

 夏の台湾に欠かせないスイーツにかき氷がある。人気店は数多いが、私は下町、艋舺(万華/バンカ)で百年続く専門店が気に入っている。

 女子にはかき氷店に行く前に、有名な龍山寺を訪ねてみることを強くおすすめする。理由はいろいろある。台北駅からMRTで2駅のところにあってアクセスがいいこと。お寺の規模が大きく、じっくり見て回れること。地元の高齢者が多く、ラッキーならば日本語を話せるボランティアガイドに遭遇できること。周りが繁華街なので寄り道が楽しいこと。そして、いろいろな神様がいるので、学業、商売、恋愛など、どんな願い事もいっぺんに叶えてくれそうなこと。

 龍山寺の中にいる「月下老人」という神様は縁結びの神様。ここでは赤い糸がもらえるので、財布のなかに入れて持ち歩くと素敵な出会いがあるかもしれない。

 

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MRT板橋線「龍山寺」駅前にある龍山寺

 

 参拝を終えたら、さっそくスイーツ攻略へ。龍山寺は下町のランドマークなので、参拝の前後に艋舺の下町情緒を堪能できる。

 旅先では地元の人たちの素顔や普段の生活にも触れてみたい。龍山寺のすぐ目の前には『三水街市場』というアーケード市場がある。一歩足を踏み入れるとそこは庶民の台所。ブラブラと散策するだけで地元気分を味わえる。

 

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龍山寺の向かいにある艋舺公園の東方向に位置する三水街市場

 

 忘れてはならないのが、三水街市場の入口付近にある伝統スイーツのお店、『三六圓仔店』。ここは70年以上続く老舗で、汁粉などの優しい台湾スイーツが味わえる。私の大好物は花生湯(ピーナッツ汁粉)と油條(揚げパン)の組み合わせ。甘くトロトロに煮こまれたピーナッツの汁粉に揚げパンを少しずつ浸しながらかじるのが正しい食べ方。ピーナッツの香ばしいさがふわりと漂う。ひとり1杯でももちろんOKだが、ハシゴを考えると2人で1皿くらいがちょうどいい。

 

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艋舺公園に面する『三六圓仔店』の花生湯と油條

 

 そして夏場はやっぱりかき氷、という女子には老舗かき氷店『龍都冰果専業家』がいい。こちらは艋舺夜市のとっつきにある人気店だ。もちろん、シーズンにはマンゴーかき氷も扱っている。タロイモや小豆の甘煮をトッピングした伝統かき氷はヘルシーで美味。台湾にはスイーツ男子も多く、若者から中高年まで、男性2人での利用も珍しくないこの店のかき氷はとにかく大きいので数人で1つという注文でも食べ応えは十分。

 

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有名店『龍都冰果専業家』のスイーツ

 

 

人気の永康街で地元OLに混じってランチ

 

 台湾初心者の登竜門は永康街の鼎泰豊かもしれないが、永康街にはほかにもいい店がある。永康街の路地を入ったところにある『東門餃子館』は餃子の専門店だが、近所のサラリーマンやOLさんがランチに利用する人気店。店はきれいで日本語メニューもあるので安心。

 ランチ利用者は餃子や麺の注文が多いのだが、2~3人のグループなら是非頼んでみたいのが酸白菜火鍋という鍋だ。中国東北地方の白菜の漬物がベースになったしゃぶしゃぶで、深い旨味と酸味の両方が楽しめる、ちょっと特別な火鍋。中央に煙突が付き出した鍋の形もなかなかオシャレである。最初は酸味が強いのだが、じっくり煮込むことでまろやかになるので焦りは禁物。ビールを飲みながら食べるタイミングを図ろう。一度食べると癖になること間違いなしだ。

 

 

*本連載は月2回(第1週&第3週金曜日)配信予定です。次回もお楽しみに!

 

 

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著者:光瀬憲子

1972年、神奈川県横浜市生まれ。英中日翻訳家、通訳者、台湾取材コーディネーター。米国ウェスタン・ワシントン大学卒業後、台北の英字新聞社チャイナニュース勤務。台湾人と結婚し、台北で7年、上海で2年暮らす。2004年に離婚、帰国。2007年に台湾を再訪し、以後、通訳や取材コーディネートの仕事で、台湾と日本を往復している。著書に『台湾一周 ! 安旨食堂の旅』『台湾縦断!人情食堂と美景の旅』『ビジネス指さし会話帳 台湾華語』『スピリチュアル紀行 台湾』他。auポータルサイトの朝日新聞ニュースEXでコラム「翻訳女」連載中。株式会社キーワード所属 www.k-word.co.jp/

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