台湾の人情食堂

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#103

7泊8日で台湾一周はタイトか?

文・光瀬憲子

 3月12日に発売された『台湾一周!! 途中下車、美味しい旅』(双葉文庫)では、7泊8日の日程でいきあたりばったりの台湾一周旅行を実践している。前回、前々回のコラムでは3泊4日、4泊5日の一周旅をご紹介したが、今回は、実際に7泊8日はどんなスケジュール感だったのか、振り返ってみたい。

 

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今回の7泊8日旅行の下車駅と宿泊地

 

「宿泊駅」だけは決めておく 

 7泊8日の場合、フライトの時間にもよるが、到着日または出発日は空港に近い都市での宿泊となる。台北へのフライトの場合は台北をはじめ、桃園や新竹も初日や最終日の宿として使いやすい。

 高雄から北上していく場合は高雄市内だけでなく、台南も選択肢のひとつだろう。こう考えると、7泊のうち1泊が決まってくるので、残りの6泊をどこにするか、じっくり考えることができる。決め手は宿の多さだ。

 途中下車する小さな駅で宿泊しようとすると、どうしても宿の選択肢が狭まるので、宿を取るなら台北、新竹、台中、嘉義、台南、高雄、台東、花蓮などの大きな街がおすすめだ。

 泊まる街には長く滞在しなればと考える必要はない。例えば、今回の7泊8日旅では、花蓮はほぼ「寝て、朝ごはんを食べる」だけになった。新竹も、内湾線という支線に乗るための経由点。地元の友人と夕食を共にし、朝ごはんを食べるだけにした。花蓮や新竹も魅力的な街なので、もちろん散策に時間をかけてもよい。そのあたりは匙加減だろう。

 日本を出発する前に「宿泊駅」だけは決めておくと安心だ。6カ所の宿泊駅を決めたら、なるべく駅に近い宿を取る。これは列車で移動する場合の鉄則。宿泊駅に目当ての朝市や夜市があれば、到着した日の夜に夜市へ、翌朝に朝市へと足を運ぶことができ、街を離れるときは宿で荷物をピックアップしてサッと列車に乗ることができる。

 たとえば花蓮の場合、私は夜10時過ぎに駅に着いたが、徒歩10分のところに宿を取ったので、すぐにチェックインを済ませ、シャワーを浴びて11時には就寝できた。花蓮は特に目当ての夜市もなかったので、翌日のためにすぐに寝たのだが、朝6時に起きても睡眠時間はじゅうぶんだった。日本では夜ふかししがちでも、旅行中は早めに寝ると翌朝すっきり目覚めて朝から歩き回ろうという意欲がわく。台湾では空気がきれいでまだ気温が上がっていない朝のうちに動くと気持ちがいい。

 

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台湾旅行では早朝から行動すべし。車の少ない、空気がきれいなうちから朝市などを散策すると気分がいい

 

途中下車駅は行き当たりばったりで 

 宿泊駅を決めたら、今度は次の宿泊駅までの間で途中下車する駅を決めていく。これは、あらかじめガイドブックなどで目星を付けておいてもいいし、宿や駅で得た地元の情報を頼りに決めてもいい。

 今回の7泊8日は後者で、宿の人に美味しいものがある下車駅を聞いたり、駅員さんや車掌さんから情報を得たりした。そのほうが臨場感があって楽しいし、日本のガイドブックにはのっていない、地元民に愛されている美味しいもの情報に出合える。

 

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情報収集は宿のオーナーや駅員さん、食堂で知り合った人など。みな親切に美味しいもののある場所を教えてくれた

 

 朝早く宿泊駅を発つと、次の宿泊駅までに2カ所は途中下車できる。急ぎ足なら3カ所だ。

 今回の例では、台中で朝市を2カ所散策し、10時台の列車で次の途中下車駅、豊原まで移動。豊原でお昼ごはんを食べて街を散策し、次の途中下車駅、三義まで移動。三義ではさらにタクシーに乗って観光名所まで遠出し、のんびり散策して、街の食堂で客家の名物料理を食べ、夜の7時にはその日の宿泊駅である新竹へ。新竹でもゆっくり夕飯を食べ、お酒を飲み、夜の11時には就寝できた。食べ歩きや市場散策は体力を使うが、列車で移動するたびに座ってうたた寝をしたり、のんびり車窓を見たりできるので、案外疲れが取れてしまい、次の駅でも元気に動き回れるのが列車の旅のいいところだ。

 東側では、花蓮から台東へ移動する際、壽豊、鳳林、玉里という3つの駅で途中下車した。いずれも自強号という特急列車を使っての移動だったので、乗っている時間は10分~30分と短い。こまめに下車して、その街の美味しいものを1つか2つ食べて次の街へ、というテンポのよい途中下車だ。

 東側には小ぢんまりとした街が多いので、散策にあまり時間がかからない。2時間もあればその街の雰囲気をつかみ、美味しいものにも出合える。下車したときに、次に乗る列車の切符を買っておき、その時間内で散策するといい。

 

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乗車券の自販機と窓口(新営駅)。週末は窓口に行列ができるので、時間には余裕をもって

 

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途中下車したとき、次に乗る列車の切符をあらかじめ買っておくとスムーズ。壽豊駅では滞在時間を1時間と決めて、立ち寄りを朝ごはん1軒だけに絞った

 

 朝、花蓮を出発して、壽豊で駅前の食堂で朝食を食べ、鳳林でスイーツと臭豆腐を食べ、玉里ではレンタル自転車でゆったりと町をめぐったが、台東に着いたときはまだ夕方で、日は落ちていなかった。台東でも自転車で街をめぐり、夜市を冷やかし、夕食やスイーツをはしごしても、10時には就寝できた。

 

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7泊8日の台湾一周では、途中下車した駅でサイクリングも楽しめる。特に東台湾はレンタルバイクなど、サイクリング環境が充実(花蓮玉里にて)

 

 もちろん、慣れていないと地図を見たり、人に聞いたりすることも多いので、予定どおりにいかず、とまどうこともあるだろう。そんなときのために、時間に余裕を持って行動することが大事だ。

 だが、たとえば乗ろうと思っていた列車に乗り遅れてしまったり、行きたかった食堂がお休みだったり、というハプニングに出くわしても「まあいいか」というおおらかな気持ちで旅することが、台湾一周旅行を楽しむコツかもしれない。台湾人もいい意味で時間にルーズであり、細かいことにこだわらない。そんな地元の空気に身をまかせれば、おのずと余裕のある、のんびりした旅になるはずだ。

 

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7泊8日の台湾一周はけっして慌ただしくはなかった。電車の時間まで、のんびりお茶屋さんでくつろぐことも(新営の三一宅にて)

 

 

*講座のお知らせ

 4月11日(土)15時15分~16時45分、本コラムの筆者が朝日カルチャーセンター新宿教室で「台湾一周  途中下車の旅」講座を行います。女性でも気軽に楽しめる鉄道の旅の入門編です。お申し込みは電話(03-3344-1941)か下記のサイトで。

https://www.asahiculture.jp/course/shinjuku/80c1c6c1-27c7-b355-5ef1-5e1c02a26199

 

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 著者の新刊が双葉文庫より好評発売中。『台湾一周‼ 途中下車、美味しい旅』、全国の書店、インターネット書店でぜひお買い求めください。

 

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双葉文庫『台湾一周‼ 途中下車、美味しい旅』

著:光瀬憲子 定価:本体700円+税

 

*本連載は月2回(第2週&第4週金曜日)配信予定です。次回もお楽しみに!

 

 

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著者:光瀬憲子

1972年、神奈川県横浜市生まれ。英中日翻訳家、通訳者、台湾取材コーディネーター。米国ウェスタン・ワシントン大学卒業後、台北の英字新聞社チャイナニュース勤務。台湾人と結婚し、台北で7年、上海で2年暮らす。2004年に離婚、帰国。2007年に台湾を再訪し、以後、通訳や取材コーディネートの仕事で、台湾と日本を往復している。著書に『台湾一周 ! 安旨食堂の旅』『台湾縦断!人情食堂と美景の旅』『美味しい台湾 食べ歩きの達人』『台湾で暮らしてわかった律儀で勤勉な「本当の日本」』『スピリチュアル紀行 台湾』他。朝日新聞社のwebサイト「日本購物攻略」で訪日台湾人向けのコラム「日本酱玩」連載中。株式会社キーワード所属 www.k-word.co.jp/  近況は→https://twitter.com/keyword101

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