台湾の人情食堂

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#102

女性でも楽しめる台湾一周鉄路の旅入門〈2〉

文・光瀬憲子

 発売されたばかりの『台湾一周!! 途中下車、美味しい旅』(双葉文庫)は、7泊8日の日程で鉄路で台湾を一周する旅の記録だ。だが、一週間も休暇が取れないという人のために、前回は3泊4日という急ぎ足での台湾一周を提案した。 

 そして今回は、連休や有給を利用して4泊5日で行ける台湾一周鉄路の旅を考えてみよう。台北や台南などの大都市以外のローカル色の濃い街もご紹介する。

 

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台湾鉄道地図(主要駅と最新刊の取材で下車した駅のみ表示)

 

 

あえて台北に泊まらない4泊5日プラン 

 台湾への飛行機はイン・アウトを台北にするのが基本だが、LCCなどの安価な路線が就航している桃園空港は台北から電車で40分ほどの場所にある。台湾リピーターで、すでに台北は行ったことがあるという方は、あえて台北をスキップし、桃園空港からそのまま南下を始めると効率がいい。

 4泊5日でもやや駆け足になるので、台湾の西側を南下する際は新幹線を使うといいだろう。新幹線の駅は在来線の駅や市街地から離れていることが多く、街なかへ移動するにはシャトルバスやタクシーを利用する必要があり、若干不便だが、それでも在来線に比べて移動時間を大幅に短縮できる。

 また、桃園空港から機場MRTに乗れば、20分で「高鐵桃園駅」(新幹線の桃園駅)まで行けるので、ここから新幹線で南下すれば台北に立ち寄るよりもずっとスムーズだ。

 

1泊目は新竹 

 南下して途中下車すべき最初の駅は新竹。ここはサイエンスパークがあり工業都市というイメージがあるが、実は美味しいものもたくさんある。それに、新竹から内陸に延びる内湾線に乗れば、のどかな畑や山が広がる、一味違った台湾を体験できる。

 1日目の夜は新竹にホテルを取り、夜市を楽しもう。新竹には城隍廟夜市という一風変わった夜市がある。長い通り沿いにずらりと屋台が並ぶのではなく、廟の周りにぎゅっと屋台が集まっていて、屋根もあるので雨天でも大丈夫。

 

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新竹駅の近くにある人気朝食店『新銘早餐』の名物、油條蛋餅(揚げパンと玉子)

 

 2日目の朝はホテルのロビーに荷物を置いたまま、内湾線に乗って客家の街を訪ねてみよう。桃園、新竹一帯は客家人という少数派の暮らすエリアだ。料理上手で知られる彼らの故郷には美味しいものがたくさんある。台湾の屋台料理とはちょっと違う客家の味を体験すれば、新しい発見があるかもしれない。

 

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新竹駅から六家駅へ向かい、そこから内湾線に乗り換えて竹東へ

 

 内湾線の竹東駅はとても小さな田舎町の駅という風情だが、ここから徒歩10分ほどのところに驚くほど活気に満ちた朝市がある。客家料理の代表格である米苔目(ミータイムー)が食べられるほか、市場のそばにある『荘記牛肉麺』も知る人ぞ知る絶品牛肉麺だ。

 

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竹東市場のそばにある『荘記牛肉麺』はほどよい辛さで、牛の脂がたっぷり。こってり好きにはたまらない

 

2泊目は嘉義  

 2日目の午後は新竹に戻って南下を続け、嘉義へ。新竹も嘉義も、高鐵の駅は市内から離れているので、新幹線を利用せず在来線の台鉄を使おう。新竹から南下する際、竹南から彰化にかけてルートが2つに分かれる。山線と海線だ。山線のほうがすこし速いのだが、海線を選べば遠くに海を眺めながら南下できる。夕暮れどきは夕日が美しい。

 嘉義は、実は台南に負けないグルメ都市だ。夜は文化路夜市が大いに賑わう。また、3日目の朝はぜひ嘉義の東公有市場に足を運んでほしい。台湾全土、あちこちの朝市を見て回ったが、ここは3本の指に入る筆者のお気に入りだ。規模が大きく、活気があり、売る人買う人の元気な声が飛び交う。この市場の中心には朝食専門店が集まっているエリアがあり、大鍋でグツグツと煮込まれた牛モツスープは他では味わえない絶品だ。

 

04-1 04-2嘉義、東公有市場の牛モツスープ

 

 嘉義は街歩きも楽しい。古い日本家屋がところどころに残っていて、インスタ映えしそうなレトロモダンな写真も撮れる。

 

高雄経由、3泊目は台東 

 3日目は移動日。嘉義からいったん高雄まで高鐵で向かい、高雄から台鉄で台東へと向かう。嘉義から左営(高雄の高鐵駅)まではおよそ30分。左営駅から台鉄高雄駅まではMRTで接続しているので移動が楽だ。高雄駅の近くには三民街という昼間から賑わう市場があり、屋台グルメや雑貨などが楽しめる。

 

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高雄駅から近い市場、三民街

 

 高雄市内に寄らず、直接台東へ向かってもいい。高雄から台東へは台鉄の南廻線という絶景ルートなので窓側の席を確保しよう。台東エリアの楽しみ方については前回のコラムをご参照いただきたい。

 

4泊目は礁渓 

 台東から北上し、宜蘭を越えたところにある礁渓という街が次の下車駅。礁渓は熱海のような温泉街なので、ちょっと贅沢をして温泉旅館に泊まるのもいい。泊まらずに、日帰り入浴施設も利用できる。『礁渓温泉公園』の中にある『森林風呂』は7種類もの露天風呂(女湯は5種類)がわずか120元で楽しめる公衆温泉。水着不要なので、リラックスできる。

 

06東海岸でよく見かける普悠瑪号(プユマ号)。自強号と同じ値段で乗れる

 

07礁渓温泉公園内にある森林風呂。濃い緑の中で楽しむ温泉は格別

 

 5日目は礁渓から北上し、台北駅で下車。飛行機の時間まで余裕があれば台北市内で遊ぶのもいいだろう。余裕がなければ台北駅から機場MRTに乗って桃園空港へ向かおう。台鉄の桃園駅は空港から離れているので、空港へ向かうなら機場MRTが便利だ。

 今すぐには台湾旅行の予定がない方や、海外旅行を自粛している方も、列車の旅の計画を立てながら旅気分を味わってほしい。

(つづく)

 

 

*講座のお知らせ

 4月11日(土)15時15分~16時45分、本コラムの筆者が朝日カルチャーセンター新宿教室で「台湾一周  途中下車の旅」講座を行います。女性でも気軽に楽しめる鉄道の旅の入門編です。お申し込みは電話(03-3344-1941)か下記のサイトで。

https://www.asahiculture.jp/course/shinjuku/80c1c6c1-27c7-b355-5ef1-5e1c02a26199

 

*新刊好評発売中!!

 3月12日に著者の新刊が双葉文庫より発売されました。『台湾一周‼ 途中下車、美味しい旅』、全国の書店、インターネット書店で発売中です。

 

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双葉文庫『台湾一周‼ 途中下車、美味しい旅』

著:光瀬憲子 定価:本体700円+税

 

*本連載は月2回(第2週&第4週金曜日)配信予定です。次回もお楽しみに!

 

 

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著者:光瀬憲子

1972年、神奈川県横浜市生まれ。英中日翻訳家、通訳者、台湾取材コーディネーター。米国ウェスタン・ワシントン大学卒業後、台北の英字新聞社チャイナニュース勤務。台湾人と結婚し、台北で7年、上海で2年暮らす。2004年に離婚、帰国。2007年に台湾を再訪し、以後、通訳や取材コーディネートの仕事で、台湾と日本を往復している。著書に『台湾一周 ! 安旨食堂の旅』『台湾縦断!人情食堂と美景の旅』『美味しい台湾 食べ歩きの達人』『台湾で暮らしてわかった律儀で勤勉な「本当の日本」』『スピリチュアル紀行 台湾』他。朝日新聞社のwebサイト「日本購物攻略」で訪日台湾人向けのコラム「日本酱玩」連載中。株式会社キーワード所属 www.k-word.co.jp/  近況は→https://twitter.com/keyword101

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