石巻/牡鹿半島 絶景・美食・縄文

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#08

「石巻で小さな復興の芽が育む」山本益博 

 

 「石巻・牡鹿半島」連載の第8回目は、料理評論家の山本益博氏による寄稿ルポをお届けする。山本さんは「料理ボランティアの会」として、復興イベントで石巻を訪れた経験がある。当サイト「TABILISTA」では、『夫婦で行く1泊2食の旅』を連載していただいている。今回は、津波で甚大な被害を受けた石巻市東部の大川地区を訪れ、この地でスタートしたベビーリーフの生産現場を見学。地域住民とともに食を通じて復興を目指す新しい試みについてリポートしてもらった。

 

 

 

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文/山本益博

 

 

 

 2011年3月11日の「東日本大震災」のあと、ボランティアで2度ほど石巻を訪れている。

今回、初めて訪れたのは「良葉東部(イーハトーブ)」と名付けられた「ベビーリーフ」の生産現場。

 

 大津波で児童74人、教職員10人が死亡、行方不明となった宮城県石巻市立大川小学校。その遺族で常に先頭に立ってきた佐藤和隆さんが中心となり、津波で被災した大川中学校跡地に最先端の植物工場を建設し、ベビーリーフを生産している。

 

 約600坪のビニールハウスで、手作業で丁寧に水耕栽培。

 

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 1年中いつでも7〜8種類のリーフが生産され地元の大手スーパーのほか、東京・築地市場にも出荷。有名ホテルの料理長からの評判もいいそうである。

 会社の名前は「良い葉を作りたい」との思いから「良葉東部(イーハトーブ)」。と名付けられた。作家宮沢賢治が物語の中で名付けた理想郷の名前だが、岩手・花巻市にある「宮沢賢治記念館」が、名前の使用を快く許可してくれたという。震災で何もなくなってしまった大川地区で、遺族が協力し小さな復興の芽を育んでいる。

 

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 ベビーリーフの生産工程を見学させてもらい、佐藤さんと遠藤栄美さんに話を聞いた。

 

「水耕栽培の野菜は無農薬で効率的に作られ、衛生的で見た目も美しい」という。

 ハウス内はコンピュータ制御で徹底して管理し、働く人たちが丁寧に作業しているのも、新鮮で美味しいベビーリーフを作る秘訣だそうだ。

 また、働く女性の多くは被災者でもあり、少しでも子供たちの近くで働きたい、ともに復興願う思いもあるという。

 

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「良葉東部」で試食させていただいたら、どのベビーリーフも瑞々しくて美味しい。

 

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 遠藤さんから「スモークサーモンと一緒に食べたり、この間は、めかぶと組み合わせていただいたのですが、他に何か美味しく食べられるヒントはありませんか?」と聞かれ、我が家ではリンゴをサラダに和えたり、ハムやソーセージ、チーズとも合わせて一緒に美味しくいただいていますと答えながら、「リンゴをくりぬいて釜を作り、その中にベビーリーフとリンゴを和えたサラダを詰めてみたらいかがでしょうか?」と進言した。

 

 我が家に帰って、翌朝、朝食でお土産のベビーリーフをいただいた。

 すると、家内は「ハンバーガーのレタスなどの代わりに、このベビーリーフを敷いていただいたら、とても美味しいハンバーガーが出来上がる気がする」とヒントを出した。

 案外、これが一番、ベビーリーフの人気が出るのではないかしらん。

 

 

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「良葉東部」


東日本大震災で水没した大川中学校跡地に、平成26年5月より事業開始。ミズナ、レッドサラダ、ターサイ、レッドオーク、ビートルピークイーン、ピノグリーン、アイスバーグレタス、コロロッサ、ルッコラなどのベビーリーフを生産している。

良葉東部HP

http://www.tobukankyo.com/hydroponics.html

 

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「良葉東部」がある大川地区は、東北を縦断する大河、北上川の下流域にある。石巻に豊かな恵みを運んでくる母なる川だ。

 

*山本益博さんの情報はコチラから。

山本益博オフィシャルサイト 

『夫婦で行く1泊2食の旅』(「TABILISTA」連載コラム)

※山本益博さんには、「TABILISTA」の『日本のジビエ』においても、石巻牡鹿のジビエについて寄稿していただいたので、こちらもチェックしていただきたい。

 

山本さん顔

山本益博(やまもと ますひろ)

1948年、東京・浅草生まれ。早稲田大学第ニ文学部卒業。卒論が『さよなら名人藝―桂文楽の世界』として出版され、評論家としてスタート。幾度も渡仏し三つ星レストランを食べ歩き、「おいしい物を食べるより、物をおいしく食べる」をモットーに、料理中心の評論活動に入る。82年、東京の飲食店格付けガイド(『東京味のグランプリ』『グルマン』)を上梓し、料理界に大きな影響を与えた。長年にわたる功績が認められ、2001年、フランス政府より農事功労勲章シュヴァリエを受勲。2014年には農事功労章オフィシエを受勲。「至福のすし『すきやばし次郎の職人芸術』」「イチロー勝利への10ヶ条」「立川談志を聴け」など著作多数。 最新刊は「東京とんかつ会議」(ぴあ刊)。

 

★次回は街歩きの達人、韓国人紀行作家のチョン・ウンスクさんが登場。仁川ー仙台の直行便で宮城入り。石巻市街地の商店街や地元の酒蔵を巡り、街の魅力をレポートしていただきます。そして韓国済州オルレの姉妹道、宮城オルレの奥松島コースを実際に歩き、美しい絶景と温かい人情に触れるトレッキング、地元名産の牡蠣を肴に地酒をいただきます。お楽しみに!

 

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現地取材の様子。「宮城オルレ奥松島コース」にて。

 

 

1.宮城県観光プロモーション

 

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東京シティエアターミナル2階「毎日が旅行博」Tour Expo 内 [東京都中央区日本橋箱崎町42-1]

 

主催 サンファンヴィレッジ

協力 東京シティ・エアターミナル東京空港交通宮城県経済商工観光部観光課宮城県観光連盟みらいサポート石巻宮城県石巻市大崎市石巻観光連盟峩々温泉東鳴子温泉旅館大沼良葉東部JF宮城県石巻湾支所万石浦鮮かき工場カイタクビヨンド牡鹿の学校

 

 

牡蠣のまち 石巻へ!!

 

 石巻は牡蠣の産地として有名ですが、2018年4月下旬に同じ宮城県の南三陸町戸倉地区に続き、石巻地区、石巻市東部、石巻湾の3支所が国内2例目となるASC*国際認証を取得しました。ASC国際認証というのは、WWFが国際的な海洋保全活動の一環として、天然の水産物ではなく、養殖による水産物を、海の自然や資源を守って獲られた持続可能な水産物(シーフード)として認証する仕組みです。

*「ASC(Aquaculture Stewardship Council:水産養殖管理協議会)」

イシノマキマンTwitter 【https://twitter.com/ishinomakiman

*詳しくは石巻観光協会のホームページでご覧いただけます。

 

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