琉球島猫百景

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#07

糸満 海人のまちのシカブー猫

写真・仲程長治 文・シマネコキネマ

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“スージぐゎー”と呼ばれる細い路地で暮らしている糸満の猫たち

 

 糸満は、沖縄本島最南端にある“海人(うみんちゅー=漁師)のまち”。糸満ハーレーや大綱引きなどの伝統行事が、月の満ち欠けや潮の干満のリズムに沿って今も執り行われている“旧暦のまち”でもある。那覇空港から車で約30分とそれほど遠くはないのだが、漁港を中心として広がる字糸満集落には那覇とはまったく異なる空気が流れていて、それはそのまま、実に個性的なこのまちの猫たちの風貌にも表れている。

 

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生魚モーニングをいただくために毎朝鮮魚店前に出没するグルメマヤー

 

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じわじわと高齢化が進んでいる住宅街には廃虚も多く、年老いた猫も多い

 

 糸満のまちを散策してみると、昔ながらの鮮魚店やカマボコ屋が並ぶ市場、観光客も立ち寄る野菜の直売所、小さな歓楽街や公園、夕陽が美しい白砂のビーチ…どこか昭和のムードが漂う風景のあちこちに猫たちが潜んでいる。だが、そのほとんどが人慣れしていないシカブー(怖がり)猫なので、目が慣れるまで、まちの色と風情に見事に同化している彼らを見つけることはなかなか難しい。

 

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まるでビーチの管理人のように、キャンパーたちのテントを渡り歩いて暮らす白猫

 

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人は引っ越すことができるが、猫はここから離れられない。この赤瓦屋根もブロック塀もいつかは消えてゆく


 糸満で最も多くの野良猫(もしかすると飼い主のいる外猫かも知れないが…)に出会えるのは、やはり人と自転車しか通れない細さのスージぐゎー(筋道)だ。撮影で訪れた日はよく晴れた冬の昼下がりだったので、陽当りの良いコンクリートブロック塀の上や貯水タンクの上、屋根の上で昼寝をしている猫たちが多かった。実は、糸満には、ほんの20年前まで猫をぜんそくの薬として食する文化が残っていた。呼びかけても振り返ってもくれないシカブー猫が多いのは、もしかすると糸満猫のDNAに、人に対する恐怖心が刷り込まれているからなのかも知れない。


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手前にはちゃんと守り神のシーサーが鎮座しているが、あなたもシーサーマヤーなのね

 

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 門扉の格子の向こうから、ほら、もうここまで来れないでしょと振り向く観音猫

 

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糸満のまちには花と緑と、風雨に洗われたコンクリートがよく似合う。毛繕い中の猫は呼びかけても振り返ることはなかった

 

 

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写真家のプロフ用

仲程長治(なかほど ちょうじ)

1959年、石垣島生まれの写真家、アーティスト。20代の頃より沖縄県内であらゆる分野のアートデザインを手がける。琉球・沖縄の文化誌『モモト』の撮影とアートディレクションを32号まで担当。2017年冬に沖縄本島北部で開催される「やんばるアートフェスティバル2017-2018」では総合ディレクターを務める。現在、初監督作品となる『Nyaha!(ニャハ!)』を鋭意撮影中。

シマネコキネマ

シマネコキネマ

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著・仲村清司 写真・仲程長治

     

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