THE 百年宿

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#06

百年料理 「渡月亭」 TOGETSUTEI -KYOTO-

 

温泉大国として、全国に温泉郷が点在する日本。「百年宿」を見わたせば、その土地で育まれた食材、その土地に伝わる郷土料理など、旅のヒントとなり得るすばらしい滋味にあふれている。「百年料理」というシナリオのもと、至高の一品と出会える宿を提案する。連載第六回は、京都市西京区の「渡月亭」をお届けします。

 

渡月亭6夏のメニューのひとつ「鱧のしゃぶ」。夕食では旬の鮮魚を使った料理も充実。

 

 

 

渡月亭 ―京都府・嵐山温泉―

愛宕山への参拝客をもてなしてきた宿を、明治30年に譲り受けて開業。
嵐山の自然と大堰川のせせらぎに包まれるひとときは、まさに、至福のひと言。
 

 

文:本吉恭子

 

 

京情緒に抱かれながら
嵐山の麓で過ごす、至福のひととき。

 

渡月亭1


 下の名勝・嵐山、大堰川の清流にかかる渡月橋南詰に位置し、嵯峨野散策に最高のロケーションを誇る老舗旅館「渡月亭」。
 その昔、関西では「伊勢へ七たび、熊野へ三たび、愛宕参りは月参り」と謳われるほど愛宕山への信仰が盛んで、遠方からも大勢の人々が嵯峨の地へ訪れた。そんな嵯峨釈迦堂清涼寺の門前に軒を連ねていた旅籠のひとつ「きくや」を、明治三十年に譲り受けて開業したのが宿のはじまりだ。その後、南の嵐山の渡月橋畔に移転し、現在に至る。
 料亭旅館であるこの宿自慢の料理は、旬の食材を活かし、経験を重ねた料理人が自信と真心を込めてつくる京会席。夕食・朝食ともに部屋食で、一品ずつ運ばれる。日本旅館本来のおもてなしを大切に、京会席ならではの付加価値も味わうことができるというわけだ。
 また、渡月亭では天然温泉も満喫できる。嵐山温泉の開湯は二〇〇四年からと歴史は浅いが、美肌の湯として人気。一二〇〇年という歴史のなかで培われてきたおもてなしの心と、四季折々の美しい風景を堪能したい。

伝統の京会席料理。
そこにあるのは職人の自信と真心。

嵐山の四季の移ろいを感じる京会席料理は、「渡月亭」自慢のひとつだ。味覚だけでなく、五感で四季を堪能できるよう、盛りつけや器選びにも余念がない。伝統の京会席料理を手がけるのは、経験を重ねた料理人。食材の魅力を最大限以上に引き立てる技を堪能してほしい。


渡月亭3
京会席で味わう嵐山の自然の恵。
京の風土に育まれた季節の食材を、職人が丹念に仕上げる京会席が自慢。一品一品、お部屋に料理が運ばれてくるたび、嵐山の四季の移ろいを感じることができる。

 

 

「渡月亭」のしつらえが
すべてを絵にする。

 

宿の位置する渡月橋南詰めは、天下の名勝・嵐山の中心。どの季節に訪れても多様な絶景を楽しめる。とくに渡月橋と大堰川を一望できる別館「松風閣」は、ぜひ足を運びたい。客室からのなにげない日常の景色も、美しい景色へと昇華させてしまうのは、この宿ならではの魅力だ。

渡月亭7
豆腐と湯葉の会席料理を提供する別館「松風閣」。
大広間からは、渡月橋や大堰川、小倉山を眺めながら、優雅に食事を楽しめる。

 

 

温泉を引き立てる
嵐山の自然の息吹。


嵐山の絶景を眺めつつ、大堰川のせせらぎに耳を傾けながら入ることができる露天風呂。宿の近く、史跡とロマンの散歩道・嵯峨野散策を楽しんだ後で入ればまた別格だ。

渡月亭4
【左】「碧川閣」の露天風呂つき客室「鹿王の間」。奥に嵐山を眺めながら温泉に入ることができる。 【中上】「秀山閣」には5つの檜内風呂つき客室を用意。渡月橋の由来でもある“月”をテーマにした落ち着いた浴室が揃う。 【中下】檜づくりの内風呂と信楽焼の露天風呂を有する「紅雲の間」。ふたりでも十分に入れる広さ。 【右下】「碧川閣」の客室からの夕景。

 

渡月亭ロゴ


とげつてい
〒616-0004
京都府京都市西京区
嵐山中尾下町54-4
電話075-871-1310 (代表)

www.togetsutei.co.jp

ISBN978-4-575-45557-1 (1)

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このサイトで紹介する百年宿は、こちらのMOOKでまとめて読むことができます。各地に点在する23施設、創業100年以上の老舗宿。建築、料理、温泉、おもてなし…確かな価値のある宿だけを厳選してお届けします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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