ジビエな旅【GIBIER】

ジビエな旅【GIBIER】

#04

鹿や猪をグランピングで楽しむ【山梨県】‐Yamanashi Fujikawaguchiko- 

富士の樹海に生息する鹿や猪をグランピングで楽しむ

新しいアウトドアスタイルとして日本でも人気上昇中のグランピング。
富士山麓の河口湖にある「星のや富士」では地元で獲れた新鮮な鹿肉を戸外の施設で
ワイルドにいただく。火を囲んでのアクティブな食事はジビエ初心者にも最適だ。

最高の状態のジビエを
グランピングで楽しむ
山梨①

シーンを変えて味わう四季折々のジビエ料理

 界遺産の富士山に臨み、四季を通して釣りやキャンプなどが楽しめる人気の行楽地、河口湖丘陵の森の中にある「星のや富士」は2015 年の秋にオープンした。自然との触れ合いをテーマに気軽にアウトドア体験が満喫できる日本初のグランピングリゾートとして人気を博している。その土地の特色を生かしたサービスに定評のある「星のや」ブランドだが、ここで力を入れているのは地元、山梨の野生の鹿肉と猪肉をメインとしたジビエ料理である。
 なかでもいち押しなのが森の中のクラウドテラスで専属シェフと一緒に仕上げる「ダッチオーブンディナー」。清々しい空気の中で森の息吹を感じながらジビエを味わう体験は、ワイルドなアクティビティとしても魅力抜群。都会を離れて自然の中で贅沢な時間を存分に堪能できるとあって評判も上々である。 季節による料理の楽しみ方も多彩だ。メインダイニングでの食事はもちろん、屋外の寒さが厳しい冬期には、キャビンのテラスに設置されたこたつの中でゆっくり温かい鍋が楽しめる「山麓の鹿しゃぶ鍋」コース。春には旬の山菜とジビエを組み合わせた「春の狩猟肉(ジビエ)ディナー」など、四季折々の自然の恵みを余すところなく取り入れたメニューを用意する。
 調理法やソースにも料理人のこだわりが感じられ、ジビエ初心者にも抵抗なく、ジビエ好きも満足させる完成度の高さ。観光客はもちろん食通の地元の人からも評価が高い。
 常に高品質の肉を確保するため、地元ハンターとも連携。野菜や果物など山梨ならではの魅力ある食材の探索など、情熱あふれるスタッフの日々の研鑽が素晴らしい。高級リゾートならではのホスピタリティも万全な「星のや富士」は地域を代表するジビエ料理のスポットとしても人気が出そう。

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丁寧に下処理された鹿肉のロース。脂身を残すことでさっぱりした味わいに深みが出る。

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野生の鹿が山で口にしてきた食材をヒントにつくられたこだわりのソース。ダイダイのポン酢、春菊のペースト、ナッツのゴマだれの3種類。

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冬限定の「山麓の鹿しゃぶ鍋」。鹿の骨でとったスープで、地元産の野菜など山の恵みとともに滋味深い鹿肉の味を堪能。

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ハツやタンなど5種類の鹿ホルモンと山菜を組み合わせた「春の狩猟肉ディナー」の前菜。

yamanasi7左)鹿の角を使ったメニューホルダーを始め、目にも楽しいこだわりのカトラリー。 
中)マネージャーの豊島雅也さん。自ら解体場にも出向いて厳しい目利きでジビエを選択。地元産食材との融合を追求している。 
右)金井雄二料理長。都内有名ホテルなどでの数々の経験を生かして、季節を通して楽しめるオリジナルなジビエ料理を提供している。

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「星のや富士」 Hoshinoya Fuji

【住所】山梨県南都留郡富士河口湖町大石1408
【電話】0570-073-066(星のや総合予約)
【料金】宿泊54000 円~(1室2 名利用時)。朝食2200円、夕食7000円(ともにメインダイニングでの食事料金。税・サービス料
http://hoshinoyafuji.com/

 

 

丁寧な処理で最高の状態に仕上げる鹿肉

yamanasi10山梨県ジビエ活用協議会委員であり、ジビエ食肉加工施設所長の滝口さん。「最高の肉をいい状態で使ってもらいたい」と毎朝、罠を見回り80キロの個体2頭を一人で運ぶ。右は処理したツヤツヤの肉を保存する冷蔵庫。4日間熟成した肉がいちばんおいしいという。

ジビエで町の活性化を図る
樹海も有する富士河口湖町

年、野生動物による農作物被害に悩まされている山梨県で、狩猟肉を有効活用するための取り組みを行っているのが山梨県ジビエ活用協議会だ。鹿と猪を中心に地元ハンターが獲ったジビエを契約した飲食店などに卸して消費を拡大。地域の活性化を進めている。
 2009 年、富士河口湖町にできた加工処理施設では、所長の滝口雅博さんが河口湖や本栖湖近辺で獲れた鹿を迅速に解体。昨年は101頭の鹿を一人でさばいた。狩猟歴42年の熟練ハンターで、毎朝7時には近辺に仕掛けた罠を見回り、仕留めた鹿を処理場に運ぶ。捕獲した鹿をいい状態で処理できるのは死後20分以内とのこと。それ以上になると腹腔内にガスが発生して雑菌が繁殖する。丁寧に血抜きし内蔵を除去された鹿肉はすぐに冷蔵庫で保管。「星のや富士」をはじめ近隣の10軒ほどのホテルや飲食店に卸される。 
 エゾ鹿よりも小柄な本州鹿の個体は80キロほどで、繁殖シーズンの秋には牡鹿、出産前の2月は牝鹿が食べ頃。11月から2月の狩猟期には捕獲量もグンと増えていく。現在、県内のハンターは50名だが解体処理ができるのは滝口さんのみ。鹿が獲れても3分の1は廃棄してしまうという状態で、今後増える需要に応えるためにも処理技術を持つ人材を増やす計画を立てているそうだ。yamanasi11左)ジビエ食肉加工施設の外観。期間限定で一般用鹿肉の販売も行う。 右)鹿の腱を干したもの。猟犬のおやつだそう。

松風 
―山梨県・富士河口湖町―
Matsukaze[Fujikawaguchiko Yamanashi]

yamanasi8メニューの中でも一番人気の鹿カレーセット。鹿のたたきや立田揚げ、スモーク、薫製が付いて1000円。柔らかい肉の旨みと野菜の甘みが溶け込んだカレーは絶品。

30年以上前から自ら捕獲してきた野生鳥獣を使った料理を提供

州鹿は脂は少ないが味がいい。赤身肉のおいしさが際立つフィレをはじめロース、モモ、ホホ、スネ、心臓と、レバー以外はほぼ余すことなく使う。滝口さんも、自身が経営するレストラン「松風」で安価な料金でカレーやウインナー、薫製などの鹿料理を提供。県内外に根強いファンが多い。

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左)本栖湖に臨む明るく景観のよい「松風」の店内。座敷席もあり猪のすき焼きなども楽
しめる。 右)15歳の雄鹿の角。重量は130kgだったとのことでこの辺りでは最大級。

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「松風」 Matsukaze

【住所】山梨県南都留郡富士河口湖町本栖120-1
【電話】0555-87-2501
【営業】10:00~17:00
(土日祝祭日、平日は要予約)

 

日本のジビエを味わうグルメな旅と極上の店
【TABILISTA BOOKS 08】isbn978-4-575-45655-4

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「GIBIER(ジビエ)」


森の恵み、感動のジャパニーズジビエ73品

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 ほか

 

 

 

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