究極の個人旅行ガイド バックパッカーズ読本

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#03

アジア地域の「暑さ」と「雨」に対抗するには?〈前編〉

文と写真・『バックパッカーズ読本』編集部

 日本はこの夏、酷暑に見舞われている。しかしバックパッカーが多く旅している東南アジア諸国もやはり暑い。しかも雨の多い季節でもある。そんな国々に向かうなら、やはり暑さ対策はしっかりとしておきたいものだ。

 

 

暑い国の旅のお供には

 先日、「ハッカ油」を買ってみた。この夏の暑さ対策である。数年前からネットでは評判になっていたのだ。
 使い方はいろいろある。まず、お風呂に入れてみた。ほんの数滴ばかりお湯に垂らして混ぜるだけで、浴室には一気にさわやかなミントの香りが漂った。なかなか爽快なのだ。さっぱりしてお風呂から上がると、メントールの効果で体感温度が下がり、夏の火照りもあまり感じない。
 また、眠る前には枕に1滴。安眠効果があり、熱帯夜でもよく眠れる。
 市販のスプレーボトルに水を注ぎ、ハッカ油をやはり数滴混ぜてよく振れば、清涼感たっぷりの水になる。汗ばんだときにスプレーすれば、とっても涼やかなんである(ただし刺激が強いので目など粘膜にはスプレーしないように)。
 これ、いいなと思った。熱帯の国を旅するには、これから必需品になりそうだ。新しい「旅アイテム」を発見すると、いますぐ出発したくなってくる。

 

01
バックパッカー旅にも使えそうなハッカ油。ドラッグストアやネットなどで買える

 

 

暑いアジアの旅を乗り切る

 日本の酷暑もひどいが、バックパッカーに人気の東南アジアはやっぱり暑い。同じようにバックパッカーの多い香港やインドなども相当な熱暑だ。北半球にある東南アジア地域は、最も暑くなるのは4月前後。しかし、いまの時期だってしっかり暑い。その中を旅していくのはなかなかにきつい。
 そしていまは雨季でもある。雨に降られて思うように旅できないことだってあるが、この8月にしか休みが取れない人も多いはず。では、アジア諸国で「雨季の8月」を乗り切るためには、どんなことに気をつければいいのだろうか。
 まずケチらずにエアコンのある部屋に泊まるというのが基本だろう。身体を壊しては旅もできない。最近は安いドミトリーでもしっかりエアコンがついている宿が増えてきているので安心だ。
 とはいえ限られた予算で長く旅しようと思ったら、ノンエアコンの部屋に泊まって宿泊費を抑えたい人もいるだろう。その場合、少なくとも窓のある風通しの良い部屋を選びたい。水シャワーをひんぱんに浴びる、濡れタオルを部屋に干すなどの対策をする旅行者が多いようだ。
 地方に行くと意外にノンエアコンでも耐えられるもの。大都市はヒートアイランド現象でこもるような暑さに責められるが、田舎は比較的涼しい。風のよく通る部屋ならしのげるのではないだろうか。
 しかし疲れを感じたらエアコンつきの部屋に移ろう。熱帯夜で眠れずにいると体力を消耗するばかりだ。
 エアコンについてはもうひとつ注意。アジア諸国の場合、冷やしすぎるのだ。電車やバスの車内がキンキンに冷却されていることもあり、震えるほどだ。夜行バスでこれにあたると最悪、本当に風邪を引く。なのでどれだけ暑い国でも長袖は持っていこう。いつでも軽く羽織れるものがあるといい。
 またこれは日焼け対策にもなる。暑い国でも意外に長袖の人を見るものだ。

 

02
アジアはどこでも夜も元気。昼は休んで夜に活動するのもいいだろう。こちらは香港

 

 

便利な冷感グッズあれこれ

 アイテムを活用するのも楽しい。例えばタイなどの国では、コンビニで冷やしたタオルが売られている。冷蔵庫のドリンクコーナーの一角に置かれているのでのぞいてみよう。
 このスースーパウダーもおすすめ。→https://goo.gl/v5Gd8a シャワーの後に身体に振りかけると清涼感に包まれる。タイではどこでも手に入る。
 やはりタイだが、ヤードムという嗅ぎ薬も人気。メントールの清涼感があるのだ。ときどきこのスティックを鼻に突っ込んでいる人も見かける(さすがに最近のバンコクでは恥ずかしいという風潮もあり少なくなってきた。しかし鼻に突っ込まずとも相変わらず愛用はされている)。またスティックを分解して中の液体を直接、肌に塗る方法もある。コンビニでも売られているタイならではのグッズだ。
 ミャンマーではタナカという木から採取される化粧品が人気だ。女の子や子供が顔に塗っている。これはおしゃれでもあり、日焼け対策でもある。美肌効果もあるのだとか。最近はミャンマー人労働者の多いタイでも見かけるようになった。
 日本では便利な暑さ対策グッズがあれこれ出ているので、出発前に見ておこう。
 冷感シャツやパンツは役立つ。汗の吸収性と速乾性に優れていて、べたつかない。服にかけると冷涼感を得られるスプレーなんてものもある。冷却材も人気だが、わざわざ持っていくのは荷物になるか。シーブリーズ製品も役に立ってくれるだろう。冒頭で紹介したハッカもいい。
 冷感のあるフェイシャルシートやボディシートは、熱さましだけでなく、手などを拭いて清潔を保つのにも使える。
 帽子やサングラス、日焼け止めあたりは現地でも買える。とくに日焼け止めは必須だ。本当に火傷したかのようになるほどアジアの日差しは強烈だ。

 

03タナカを売るミャンマーのおばちゃん。男性はあまり使用しないようだが

 

 

アジアのゆるやかさを身につけよう

 あまり無理をしないことも大事だ。日程は詰め込みすぎない。いちばん暑い昼前後の時間帯は宿にこもっていたっていい。あれも見たい、これもやりたいという気持ちはわかるのだが、まずは体力だ。昼は宿に戻ってきて、水シャワーでも浴びて休もう。
 そういう意味では、きっちりとした真面目な人ほど要注意かもしれない。詰め込んだ旅程を決めて、それをこなしていく旅をするタイプだ。つい無理をしてしまいがちなのだ。
 そうではなく、ときどきはダラダラすることも大事だ。バックパッカーなんて、テキトーな人のほうが向いているのだろうと思う。「暑い国の人はのんびりしている」なんて言うが、それは怠惰というよりのんびりしないと身の危険すらある気候を乗り切るための知恵なのだ。日本人も酷暑の中でけんめいに働かず、ちょっとはゆっくりしたほうがいい。
 こまめな水分補給も基本だろう。どんな国でもどんな場所でもミネラルウォーターは売っている。それほど喉が渇いていなくても少しずつ飲んだほうがいいだろう。あまりに暑いと水分は汗にならず蒸発する。汗をかいたことに気がつかないのだ。熱中症の危険があるので、ひんぱんに水は飲もう。
 また中国や東南アジア、中近東など広い範囲で、あのポカリスエットも販売されている。街角にあるジュースのスタンドで現地の味を楽しむのもいい。
 気をつけたいのは寺院や遺跡。石畳や大理石などの反射熱が本当にきついのだ。タイでは観光のハイライトである王宮や、ワット・ポーなどの寺院が本当に暑い。激しい人ごみとなるウィークエンドマーケットも、うだるような熱気だ。カンボジアのアンコールワットはじめ石づくりの遺跡も照り返しが厳しい。こういう場所に行くなら、しっかりとした暑さ対策は必要だ。
 そして疲れたら休む。歩き続けてばかりいないで、ときにはタクシーなどの乗り物を使おう。

 

 

*本連載は月2回(第1週&第3週水曜日)配信予定です。次回もお楽しみに!

 

*タイトルイラスト・野崎一人 タイトルデザイン・山田英春

 

 

『バックパッカーズ読本』編集部

格安航空券情報誌『格安航空券ガイド』編集部のネットワークを中心に、現在は書籍やWEB連載に形を変えて、旅の情報や企画を幅広く発信し続けている編集&執筆チーム。編著に究極の個人旅行ガイド『バックパッカーズ読本』シリーズなど。

 

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